「楽天ペイ ターミナル」新規開発プロジェクト

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「楽天ペイ ターミナル」新規開発プロジェクト

消費者と加盟店双方の多様なニーズに応える決済端末。
毎日の暮らしの大きな変革につながるプロジェクト。

日本ではキャッシュレス決済が全決済の約3分の1を占め(※1)、その割合は増加傾向にある。しかし、世界の他の国々に比べると、依然として「基本は現金」という考え方が強い。ポジティブな見方をすれば、日本にはキャッシュレス決済の広大な未開拓市場が残っており、大きなビジネス機会があるということだ。

日本には多種多様なキャッシュレス決済方法があるため、独特で難易度の高い市場といえる。消費者はクレジットカードやデビットカードに限らず、「楽天ペイ」などのコード決済アプリや、交通系プリペイドカードなどの電子マネーも利用できる。決済方法の選択肢が多岐にわたるため、小売店はすべての決済方法に対応しようとすると、スキャナーやカードリーダー、レシートプリンターなどの複数の決済用デバイスを設置しなければならず、どうしてもレジ周りが雑然としてしまう。

楽天ペイメントではこの問題を解決するため、コンパクトなモバイル型のオールインワン決済端末の開発に乗り出した。目指したのは、既存のすべての決済方法に対応でき、一度のタップだけで非接触型決済が完了する機能性だ。この開発プロジェクトに参画した2名のアプリケーションエンジニア、BradとHikoに、それぞれバックエンド側とフロントエンド側でどのような役割を担ったかについて話を聞いた。

MEMBER

事業メンバー

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Hiko

アプリケーションエンジニア(フロントエンド担当)

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Brad

アプリケーションエンジニア(バックエンド担当)

障壁を取り除き、消費者と店舗双方の利便性を高める。

「楽天ペイ」のサービスが始まったのは2012年。主に中小企業をターゲットに、消費者のモバイルデバイスを利用した低コストで簡便な実店舗決済を実現した。2016年には「楽天ペイ」アプリのサービスを開始。その後、キャッシュレス決済市場の成長が今後も続くとの期待から、小売店でも楽天の決済アプリを利用できるハンドヘルド型モバイルデバイスの開発を目指す「楽天ペイ ターミナル」プロジェクトを立ち上げた。

先述の問題について、バックエンドを担当したBradはこう振り返る。

 店舗側にとっても消費者にとっても、できるだけスムーズに決済ができるようにすることが目標でした。決済のための作業が面倒なのは誰にとってもいいことではありません。そこで、決済の方法を変えて店舗側の選択肢を増やし、取引を処理しやすく、扱いやすくしようと考えました

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Brad

また、フロントエンドを担当したHikoは次のように付け加える。

 日本で利用されている全ての決済手段に対応できる端末にしたいと考えていました。なおかつ、カードリーダーとレシートプリンターが独立しているような古いタイプの端末に代わる、コンパクトで便利なデバイスの開発を目指しました

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Hiko

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セキュリティと安定性に妥協することなく開発を加速する。

キャッシュレス決済市場を通じた機会拡大には大きな可能性がある一方で、非常に変化の速い市場でもあることから、開発も速やかに進める必要があった。わずか3カ月のうちに、機能性と仕様を検討するプロセスを始めていた。

基本的な仕様が決まった後は、テストと問題点の解決が開発プロセスの重要な要素になる。既存の決済・取引関連コードを移植し、新しい機能と併用していたため、新しい機能が既存の機能に影響を与えずに動作するかという点は特に重要な課題であった。全国展開を見据えていることを考えれば、端末がスムーズかつ高速に動作することはもちろん、決済体験にマイナスの影響を及ぼすような欠陥は一切ないことが絶対条件だった。

技術面では、安定した通信を維持しながら、共有データを使用する2台のデバイスの安全なペアリングを確保することも重要だった。その対策として、バックエンド開発チームはデバイス間の通信を円滑にする高速共有データソースの実装を提案した。また、店舗とサーバー間で常に複数のメッセージをやりとりできるように、双方向ストリーミングを使用する案も示した。高性能システムでは、常にリソースを利用できる状態にしておくため、システムクラッシュに繋がりかねない障害の可能性を排除し、端末間のやりとりに中断が起きないようにすることが重要なポイントとなる。開発チームは、問題を見つけて解決するために模型を使って徹底的なテストを実施した上で、端末の取り扱い開始にこぎつけた。現在では、日本全国の店舗で導入可能になっている。

さらに、セキュリティの面でも解決すべき重大な課題があった。間断のない双方向ストリーミングを確保する必要があるだけでなく、決済処理中に2台のデバイス間の干渉を防止することも極めて重要だった。

このシステムの際立った特徴は、その処理のスピードにある。将来は、端末にカードを挿入するより速く決済処理ができる非接触型決済が徐々に標準になっていくだろう。タップとカードの挿入との時間差はほんの数秒かもしれないが、その数秒が積み重なって、ボトルネックや遅延が生じる。タップするだけで決済を完了できる方法は、年齢を問わずどんな人にも有益だ。

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キャッシュレス決済が変革を起こす。

「楽天ペイ ターミナル」の開発はスピーディーに進み、広範囲に影響を与えるプロジェクトであった。現在、この端末は日本全国に展開され、新たな機能も加えられて更に進化を続けている。

Bradはこう語る。

 開発の初期段階では、技術的には可能でも、導入には時期尚早として実装を見送った機能もいくつかありました。今後もいろいろなテクノロジーを取り入れて、さらに機能を組み込んでいきたいです

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Brad

Hikoはこの新しいデバイスの可能性に大きな期待を寄せる。

 このプロジェクトを通じて、私たちはキャッシュレス産業に大きな影響を与えることができます。店舗側はその規模に関わらず、キャッシュレス技術を経営に取り入れることができます。持ち運び可能な小型デバイスなので、どこでも使えることもメリットです。私たちの毎日の暮らしを変革する可能性のある素晴らしい製品だと思います

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Hiko

BradとHikoの話から、「楽天ペイ ターミナル」が事業者やコミュニティにもたらすメリットを容易に想像できる。この端末は、地方の個人経営店舗から都心の大手小売チェーンまで、屋内外を問わずどのような環境でも利用できる。拡大への鍵は、その使いやすさにある。「楽天ペイ ターミナル」の使いやすさが導入の決め手になり、利用店舗数はさらに増えていくはずだ。

全国的プロジェクトに携わることで得たもの。

「楽天決済ターミナル」プロジェクトは新規サービスという結果に結びついただけでなく、開発チームのメンバーにも恩恵をもたらした。Bradは、全国的に利用されるシステムの構築に携わったことで大きな達成感が得られたという。また、新しいテクノロジーやプログラミング言語に触れたことで学びの機会にもなった。

一方Hikoは、このプロジェクトを通してキャッシュレス決済の複雑さを知り、非常に興味を引かれたと話す。多くの人は、端末をタップしたりスキャンする瞬間的な非接触決済の裏側で、実は複雑なプロセスが進行していることなどめったに意識しない。Hikoにとって今回のプロジェクトは、キャッシュレス決済にかかわるバックエンドのプロセスについて理解を深める機会になった。

このプロジェクトでは楽天の「成功の5つのコンセプト」(※2)を遺憾なく発揮することとなった。特に、短期間でのプロジェクト完了は「スピード!!スピード!!スピード!!」を常に体現しつづけたことの結果に他ならない。また「常に改善、常に前進」の精神は、継続中の新機能開発を現在も支えている。

日本のキャッシュレス決済事情の将来を想像したときに、消費者が現金決済を好む傾向は最終的になくなるのだろうかとBradは考える。「選択肢の種類と、見返りがあるかどうかによるでしょうね。私たちの役割は、できる限り障壁を取り除いて、消費者が自分に合った方法を選択できるようにすることです」

日本のキャッシュレス決済業界は大きな拡大の可能性を秘めている。「楽天ペイ ターミナル」の開発によって、楽天はこの急速な進歩を遂げるダイナミックな業界で更なる進化を目指していく。

※1 経済産業省「ニュースリリース

※2 楽天グループ株式会社「楽天主義

※所属表記・記事の内容は、取材当時の内容に基づきます。

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