2022年2月25日
  • 楽天シンフォニー株式会社
  • Qualcomm Technologies, Inc.

楽天シンフォニーと米・クアルコムテクノロジーズ、5G Open RAN用ソリューションの開発に向けて協業

 楽天シンフォニー株式会社(以下「楽天シンフォニー」)と、Qualcomm Technologies, Inc.(以下「クアルコムテクノロジーズ」)は、楽天シンフォニーの親会社である楽天モバイル株式会社(以下「楽天モバイル」)とクアルコムテクノロジーズが、5Gネットワークにおける次世代Massive MIMO(注1)機能を備えた無線ユニット(RU)と分散ユニット(DU)の開発に向けた技術分野での協業を開始することをお知らせします。

 本合意に基づき、楽天モバイルと楽天シンフォニー、クアルコムテクノロジーズは、「Massive MIMO Qualcomm® QRU 100 5G RANプラットフォーム」(注2)と「Qualcomm® X100 5G RANアクセラレータカード」(注2)を活用し、オープンな規格に準拠した無線アクセスネットワーク(Open RAN)用ソリューションの技術検討を行います。RUとDUは楽天シンフォニーのOpen RANソリューションにおける「Symware」(注3)の製品ポートフォリオとして、革新的で仮想化されたオープンな5Gネットワーク(5G Open RAN)の大規模な展開を加速させるほか、セルエッジ(注4)におけるデータ通信速度を上げることで、ネットワーク全体のキャパシティ向上に貢献します。また、今回検討する高性能なOpen RAN Massive MIMOソリューションは、「最大64送信64受信(64T64R)」(注5)の構成に対応し、5G展開を簡素化し、総所有コストの削減にも貢献することを目指します。

 世界において様々な携帯キャリア(MNO)が、Open RANかつクラウドネイティブなネットワークアーキテクチャを導入し始めています。これにより、携帯キャリア(MNO)はベンダーサプライチェーンを拡大・強固にしつつ、優れたアジリティの発揮と自動化を導入することが可能となります。また、携帯キャリア(MNO)は、ユーザー体験の向上につながる大容量・低遅延モバイルネットワークやコスト効率の良い5Gネットワークを展開するという課題に直面しています。今後、モバイル通信のトラフィック急増に伴い、携帯キャリア(MNO)はこれまで以上に大容量のプラットフォームを必要としています。

 楽天モバイル代表取締役副社長兼CTO(最高技術責任者)であり、楽天シンフォニーCEOのタレック・アミンは次のように述べています。「楽天シンフォニーは、デジタル中心の未来に向けてモバイルネットワークを変革することに情熱を注いでいます。この目標を達成するために、楽天グループがクアルコムテクノロジーズというグローバルなリーダーと連携できることを光栄に思います。クアルコムテクノロジーズと共同開発する新しいRUとDUは、O-RAN(注6)準拠のソフトウェアとインフラストラクチャを採用することで、携帯キャリア(MNO)や企業、その他の組織に、高性能な仮想化5Gネットワークを展開するための動的でコスト効率の良い手段を提供します」

 クアルコムテクノロジーズのモバイルブロードバンドおよびインフラストラクチャ担当のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーであるドゥルガ・マラーディ(Durga Malladi)は次のように述べています。「クアルコムテクノロジーズが、Massive MIMO機能を備えたOpen RAN 5G無線ユニットから高性能分散ユニットプラットフォームまでの包括的なソリューションの開発に向けて、楽天シンフォニーの親会社である楽天モバイルと連携できることを喜ばしく思います。この連携を通じた当社の目標は、次世代5Gモバイルインフラストラクチャのグローバルな普及を加速することです。このマイルストーンにより、当社は携帯キャリア(MNO)がエッジにおいてパフォーマンスの要求を満たし、ユーザー体験を向上させることに貢献します。5Gのリーダーとして、クアルコムテクノロジーズは業界を牽引し、革新の限界を押し広げることに専念しています。この目標を達成するには、楽天シンフォニーのような志を同じくする業界のリーダーや革新者と協力する必要があります」

 クアルコムジャパン合同会社の代表社長である須永順子は次のように述べています。「楽天モバイルおよび楽天シンフォニーとの長年の関係に新たな段階を迎えることを嬉しく思います。5Gネットワークをより柔軟でコスト効率の良いものにするという共通のビジョンに基づき、包括的なQualcomm® 5G RANプラットフォームによってネットワークをイノベーションのプラットフォームに変革します。楽天モバイルおよび楽天シンフォニーと力を合わせることは、セルラーエコシステムを発展させ、イノベーションサイクルを加速して、最新のネットワークを迅速かつ大規模に展開することを可能にします。この連携がこれからも続くことを期待しています」

 楽天シンフォニーのクラウドネイティブなOpen RANベースのネットワーク構築に関する知見と、クアルコムテクノロジーズのデバイスおよびインフラストラクチャ製品向けの高性能および低消費電力の特定用途向け集積回路(ASIC)5Gソリューション開発における技術を組み合わせることで、三社はモバイルネットワークの設計や次世代のサービス提供を再定義していきます。これにより、携帯キャリア(MNO)の自社ネットワークにおけるイノベーション創出に貢献してまいります。

■楽天シンフォニーについて
 楽天シンフォニーは、通信事業者のあり方、サプライチェーンの常識、業界におけるイノベーションと成長の追求を妨げる旧態依然とした考え方を変えていきます。楽天シンフォニーは、最新のインフラストラクチャを構築した実績に基づき、オープンインターフェースの通信プラットフォームをグローバルに展開しています。この通信プラットフォームは、ネットワーク品質やセキュリティを妥協せず、従来手法と比較し、わずかな時間とコストで高度なモバイルサービスの提供と運用を可能にします。楽天シンフォニーは日本に本社を置き、米国、シンガポール、インド、欧州・中近東アフリカ地域にも現地拠点を置いています。楽天シンフォニーの提供サービスについては、以下のウェブサイトをご覧ください。https://symphony.rakuten.com/(英語のみ)

■クアルコムテクノロジーズについて
 クアルコムは、世界をリードする無線技術の革新者であり、5Gの開発、展開、拡大を推進しています。モバイル革命は電話をインターネットに接続することで起きました。現在、当社の基盤技術はモバイルエコシステムを可能にし、すべての3G、4G、および5Gスマートフォンに活用されています。私たちは、自動車、モノのインターネット、コンピューティングなどの新しい業界に無線通信のメリットをもたらし、すべての人がシームレスに通信および対話できる世界への道を切り開いています。
クアルコムは、ライセンス事業、QTL、および特許ポートフォリオの大部分を取り扱っています。クアルコムの子会社であるクアルコムテクノロジーズは、他の子会社とともに、すべてのエンジニアリング、研究開発機能とQCT半導体事業を含むすべての製品およびサービス事業を運営しています。

(注1)Massive MIMO(Multi Input Multiple Output)とは、数十から数百のアンテナを一カ所に集積してデータを送受信することで通信経路の安定化や高速化を図る技術です。
(注2)Qualcommは、Qualcomm Incorporatedの商標または登録商標です。Qualcomm 5G RANプラットフォーム、Qualcomm X100 5G RANアクセラレータカード、およびQualcomm QRU100 5G RANプラットフォームは、Qualcomm Technologies, Inc.および/またはその子会社の製品です。
(注3)「Symware」について詳しくは楽天グループのプレスリリースをご覧ください。https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2021/1026_02.html
(注4)セルエッジとは、基地局から電波の届く範囲(セル)の境目です。
(注5)64送信64受信(64T64R)とは、Massive MIMOにおいて送信側と受信側でそれぞれ64本のアンテナを使用していることを意味します。
(注6)O-RANとは、Open RANの仕様策定を推進する標準化団体「O-RAN ALLIANCE」の仕様のことを意味します。

※本プレスリリースに記載されている会社名および製品名・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

以 上

※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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