2022年11月8日
  • 楽天グループ株式会社

「楽天テクノロジー・エクセレンスアワード2022」を発表

 楽天グループ株式会社(以下「楽天」)は、「楽天テクノロジー・エクセレンスアワード2022」の受賞者を決定しました。表彰式は、今月11月19日に楽天が開催するテクノロジーイベント「楽天テクノロジーカンファレンス2022」にて実施します(公式ページ:  https://tech.rakuten.co.jp )。

 「楽天テクノロジー・エクセレンスアワード」は、先進的なテクノロジーにより社会にイノベーションをもたらした個人または組織を表彰するものです。13回目の開催となる本年は「Tech & Green」をテーマとし、3つの「エクセレンス賞」を授与します。

「楽天テクノロジー・エクセレンスアワード2022」

エクセレンス賞
各業界または分野において、技術を通じて社会の進化を促進した個人または組織に授与。

【受賞者】
株式会社日立製作所 研究開発グループ
計測イノベーションセンタ エッジコンピューティング研究部 部長 兼 量子応用推進室 室長
山岡 雅直氏

<授賞理由>
 山岡氏は、株式会社日立製作所(以下「日立」)にて、量子コンピューターの一種である「CMOSアニーリング」技術の研究開発を牽引し、同技術の実用化、および実社会での適用を推進しています。
 「CMOSアニーリング」技術とは、量子コンピューターの一種である、量子アニーリングの仕組みを半導体上で疑似的に再現することで、量子コンピューターが得意とする複雑かつ大規模な最適化問題を高速に解くことを可能にする、日立独自の技術です。これまでに、同氏が牽引する研究グループおよび同社の事業部門が連携して、勤務シフト最適化や、保険のポートフォリオ最適化など、同技術の実社会での適用を実践してきました。
 2022年10月には、「CMOSアニーリング」のクラウドサービスを開始することで、インフラ基盤を提供し、「CMOSアニーリング」技術のさらなる普及を推進しています。
 同技術は、最適化問題を高速で解くことができるため、最適化問題計算時の消費電力削減、それに伴うCO2排出量削減に貢献可能な技術としても、期待されています。
 山岡氏の功績をたたえ、山岡氏に本賞を贈ります。

【受賞者】
Robust Intelligence, Inc.

<授賞理由>
 Robust Intelligence, Inc.は、AIモデル中に潜むリスクを排除し、堅牢なAIモデル構築と運用をサポートするエンジンの構築および販売をするAIスタートアップ企業です。
 AI技術が浸透し、様々な用途でAIモデルの活用が進む中、入力する人の性別や人種によって、AIモデルの判定結果が異なってくる事例が報告されるなど、AIモデルの公平性に関する課題が指摘されるようになってきました。また、データの変化に運用中のAIモデルが対応できず、精度が次第に劣化していく問題も起きています。
 同社は、本番環境での稼働前に、AI Stress TestingというAIモデルの脆弱性を自動発見する機能を提供しています。さらに、本番環境稼働後、AI FirewallというAIモデルが適切に動作しているかを監視する機能を提供しており、現在指摘されているAIモデルの課題に対して、適切なソリューションを提示しています。
 AIモデルの活用拡大傾向は今後も継続していくため、同社が提供するソリューションは、
社会的意義が高いと考えられます。
 以上の功績をたたえ、Robust Intelligence, Inc.に、本賞を贈ります。

【受賞者】
ウミトロン株式会社

<授賞理由>
 ウミトロン株式会社は、水産養殖にテクノロジーを用いることにより、人類が将来直面する食料問題と環境問題の解決に取り組むスタートアップ企業です。
 同社は、持続可能な水産養殖を実現するために、IoT、衛星リモートセンシング、および機械学習などの技術を用いて、給餌最適化、魚群行動解析、生育管理の効率化などのサービスを構築しています。
 同社はAIやIoTの技術を用いたスマート給餌機「UMITRON CELL(ウミトロンセル)」を開発し、主に真鯛を中心にスマート化を進めてきました。2022年には、くら寿司株式会社の子会社である、KURA おさかなファーム株式会社と協働し、「UMITRON CELL(ウミトロンセル)」を活用したハマチ養殖のスマート化にも成功しています。また、「UMITRON CELL」の魚群の食欲解析システムにより、無駄な餌を削減し、従来の自動給餌機に比べて約2割の温室効果ガスを削減するなど、地球温暖化防止にも貢献しています。
 今後の食料需要増加に対応していくためには、地球の70%を占める海洋の活用が有効であるといわれています。水産養殖のための同社のテクノロジー群は、社会的意義が高いと考えられます。
 以上の功績をたたえ、ウミトロン株式会社に本賞を贈ります。

【審査委員】
委員長  楽天グループ株式会社 代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史
委員   楽天グループ株式会社 副社長執行役員    平井 康文
委員   楽天グループ株式会社 専務執行役員     黒住 昭仁
委員   楽天グループ株式会社 専務執行役員     ティン・ツァイ
楽天テクノロジーカンファレンスチーム

 楽天は今後も、本表彰を通じて、テクノロジーの革新的な進化やイノベーションの推進に取り組む個人および組織を支援してまいります。

以 上

※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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