2022年4月22日
  • 帯広市
  • 競馬モール株式会社

北海道帯広市と「楽天競馬」を運営する競馬モール、馬券の一部を地域振興に充てる「ばんえい十勝応援企画」の2022年度継続を発表

- 「ばんえい競馬」に関わる人や仕事に焦点を当てた情報発信を強化し、関係人口創出に注力 -

 北海道帯広市(以下「帯広市」)と、インターネット勝馬投票券(馬券)購入サイト「楽天競馬」を運営する楽天グループの競馬モール株式会社(以下「競馬モール」)は、帯広市が主催する「ばんえい競馬(ばんえい十勝)」(注1)を通じた地域振興策の「ばんえい十勝応援企画」に、2022年度も継続して共同で取り組むことを4月22日(金)に発表しました。「ばんえい十勝応援企画」は、2013年4月から開始しており、本年度で10年目となります。

 「ばんえい十勝応援企画」は、「ばんえい競馬」の存続を応援することを目的に、「楽天競馬」で「ばんえい競馬」を購入した際の売上金の一部を積立て、帯広市と「楽天競馬」が共同で実施してきた企画です。
 「ばんえい競馬」では、調教師や騎手などの高齢化が進み、人手不足が深刻化しています。2012年から2022年の10年間で、調教師の平均年齢は54.9歳から62.4歳へ、騎手は35.5歳から41.8歳へと高齢化しています。また、調教師の人数は10年間で18.2%減、騎手の人数は38.7%減と大きく減少しています。
 そのような背景もあり、今年度は、「ばんえい競馬」に関わる人や仕事に焦点を当てた情報発信強化による関係人口の創出に注力します。まずは人手不足の現状を社会に広く伝えることで、「ばんえい競馬」に関わる人や仕事への社会的関心を高める取り組みを行います。昨年から連携を深めているINCLUSIVE株式会社(以下「INCLUSIVE」)と、十勝・帯広地域に在住する住民や学生などを対象にライター講座を実施し、受講者が北海道地域WEBメディア「北海道Likers」で記事を執筆できる機会を提供します。また調教師や厩務員、獣医など、競馬場や十勝・帯広地域で「ばんえい競馬」に関わる幅広い人々へインタビューを行い、仕事や人々の魅力を「北海道Likers」を通じて発信していきます。三者は、新規講座の開講や記事掲載を通して、「ばんえい競馬」を含めた地域の魅力を発信する人材の育成と、雇用機会の創出につながる持続可能な関係人口創出のサイクル作りに取り組みます。

 昨年度は「ばんえい競馬」のレースをより臨場感をもって楽しんでもらうために、ドローンを活用したレース実況映像撮影の実証実験を行いました。初回実験では、競走中の馬と騎手への影響を検証し、影響が出ていないことを確認しました。今年度は、映像の伝送や夜間における飛行・撮影テスト、継続的な馬や騎手への影響調査など、本格導入に向けた検証をさらに進めます。

 また、2020年度から始めた帯広畜産大学との競走馬の健康管理および疾病の未然防止を目指す共同研究にも継続して取り組みます(注2)。2021年度は、ばん馬の腸内における主要細菌種を特定し、それらが4つのグループに分類できることを確認しました。そのうち2グループは糖質の分解に関与すると推定され、ばん馬の主要疾病の一つである蹄葉炎の発症の報告例がない菌を中心に構成される「グループⅠ」と、蹄葉炎の発症起因菌を中心に構成される「グループⅢ」に分類できることが分かりました(注3)。「グループⅠ」が腸内で優勢となれば、蹄葉炎の発症リスクを抑えられる可能性があります。今後は、「グループⅠ」が優勢となる個体の特徴や飼養条件の探索などに取り組んでいきます。

 北海道開拓時代の文化を今に伝える「ばんえい競馬」は、2007年に帯広市による単独開催となり、今では帯広市の主要な観光資源となっています(注4)。「ばんえい十勝応援企画」を通して競走馬の生産者支援や特別番組のオンライン配信など、様々な「ばんえい競馬」振興施策に取り組んできた結果、2021年度の「ばんえい競馬」の売上金額は、帯広市単独開催以来の最高額を更新し、518億円(前年同期比7%増)を達成しました(注5)。

 帯広市と競馬モールは、引き続き「ばんえい十勝応援企画」を通じて地域の活性化を図るとともに、「ばんえい競馬」の魅力を高め、ファンの拡大を目指してまいります。

(注1)「ばんえい競馬(ばんえい十勝)」は、農耕馬として利用されてきた馬体重約1トンのばん馬に、騎手と荷物を載せた鉄そりを曳かせ、坂のある障害コースで速さを競う競技です。公営競技としては世界で唯一、帯広競馬場で開催されています。北海道開拓時代の伝統を受け継ぐ独特の馬文化として、「北海道遺産」にも認定されています。

(注2)帯広市と楽天競馬は、競走馬の頭数維持・確保に向けて、2020年度より帯広畜産大学との共同研究に取り組んでいます。詳細は下記リリースをご覧ください。https://corp.rakuten.co.jp/news/update/2020/0720_01.html

(注3)研究では、ばん馬の腸内における主要30菌種の相関を解析し、糖質の分解に関与すると推定される「グループⅠ」と「グループⅢ」、繊維質の分解に関与すると推定される「グループⅡ」と「グループⅣ」の大きく4つのグループに分類できることが分かりました。

(注4)「ばんえい競馬」は2006年までは帯広市、旭川市、岩見沢市、北見市の4市で開催されていましたが、旭川市、北見市、岩見沢市が撤退を表明したため、2007年度からは帯広市による単独開催となりました。

(注5)直近10年間の発売金額および本場入場者数は以下の通りです。

年度 発売金額(円) 本場入場者数(人)
2012年 10,494,580,600 254,081
2013年 11,662,642,800 268,693
2014年 13,218,352,600 278,263
2015年 14,579,315,600 282,932
2016年 16,154,093,000 267,997
2017年 21,992,641,500 281,632
2018年 24,429,193,700 289,457
2019年 31,085,678,100 298,624
2020年 48,352,787,900 161,944(※1)
2021年 51,795,173,200 171,135(※2)

「ばんえい十勝令和3年度 終了報告( https://banei-keiba.or.jp/tp_detail.php?id=7148 )」より。
帯広市単独開催となった2007年からの発売額及び本場入場者数は終了報告をご覧ください。
※1 新型コロナウイルス感染症対策により2020年4月24日(金)~2020年7月6日(月)までの34日間無観客競馬開催
※2 新型コロナウイルス感染症対策により2021年5月17日(月)~2021年6月20日(日)までの15日間及び2021年8月30日(月)~2021年9月27日(月)までの13日間無観客競馬開催

 

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帯広市と競馬モールの「ばんえい十勝応援企画」概要
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■時期: 2022年4月22日(金)~2023年3月20日(月)

■2022年度の主な施策(予定):
帯広市と「楽天競馬」を運営する競馬モールが共同で、「楽天競馬」で「ばんえい競馬」を購入した際の売上金の一部を積立て「ばんえい競馬」の存続を応援する施策に活用します。2022年度の主な施策は以下の通り。

(1)INCLUSIVE社と連携した情報発信やライター育成、ドローンの実証実験など情報発信強化、ばんえいスタジオ公式ブログ「ばんブロ」における継続的な情報発信
(2)帯広競馬場で実施されるイベントへの協賛
(3)「ばんえい競馬」に関わる人や仕事に関する情報発信
(4)ばん馬資源の維持・確保に向けた帯広畜産大学への研究費拠出やばん馬生産牧場見学ツアーといった生産振興策の継続
(5)帯広競馬場の全厩舎への人参や牧草ロールの贈呈

■競馬モールの2021年度の積立額・拠出額(実績): 計11,000,000円
2021年度に実施した施策は以下の通りです。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により中止となったばん馬生産牧場ツアー、ドローン映像撮影実証実験(2回目以降)は2022年度に実施予定。

・ばんえいスタジオ公式ブログ「ばんブロ」やメディア、インターネットにおけるライブ配信特番などでの情報発信、イベント協賛など: 5,350,000円
・帯広競馬場の全厩舎への人参や牧草ロールの贈呈、生産振興策としてばん馬資源の維持・確保に向けた帯広畜産大学への研究費拠出、「ばんえいアワード 2021」の実施: 5,650,000円

■参考URL:
「ばんえい十勝オフィシャルサイト」: https://www.banei-keiba.or.jp/
「楽天競馬」: https://keiba.rakuten.co.jp/
「楽天競馬 ばんえい競馬応援企画2022」: https://keiba.rakuten.co.jp/event/banei_cheer
「北海道Likers」: https://hokkaidolikers.com/

 

以 上

※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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