さらに、昨年度から始めた帯広畜産大学との競走馬の健康管理と疾病の未然防止を目指す共同研究にも継続して取り組みます(注2)。2020年度には、厩舎によって飼料設計(特に脂質や糖質、繊維質の含有量)が違うことを確認し、それがばん馬の腸内細菌叢構成の違いにつながることを明らかにしました。一方で、疾病との関連で指標となりうる主要細菌群の存在も判明し、飼料設計に関わらずばん馬における正常な腸のはたらきに寄与していると考えられます。今後は、ばん馬の飼料設計と腸内細菌叢構成、そして主要疾病との関係性を調査していきます。
北海道開拓時代の文化を今に伝える「ばんえい競馬」は、2007年に帯広市による単独開催となり、今では帯広市の主要な観光資源となっています(注3)。「ばんえい十勝応援企画」を通して競走馬の生産者支援や特別番組のオンライン配信など、様々な「ばんえい競馬」振興施策に取り組んできた結果、2020年度の「ばんえい競馬」の売上金額は、帯広市単独開催以来、最高額にあたる前年同期比56%増の483億円を達成しました(注4)。
帯広市と競馬モールは、引き続き「ばんえい十勝応援企画」を通じて地域の活性化を図るとともに、「ばんえい競馬」の魅力を高め、ファンの拡大を目指してまいります。
(注1) 「ばんえい競馬(ばんえい十勝)」は、農耕馬として利用されてきた馬体重約1トンのばん馬に、騎手と荷物を載せた鉄そりを曳かせ、坂のある障害コースで速さを競う競技です。公営競技としては世界で唯一、帯広競馬場で開催されています。北海道開拓時代の伝統を受け継ぐ独特の馬文化として、「北海道遺産」にも認定されています。
(注2) 近年は競走馬の減少によりレースの安定継続が危ぶまれている中、帯広市と楽天競馬は、競走馬の頭数維持・確保に向けて、昨年度より帯広畜産大学との共同研究に取り組み始めました。詳細は下記リリースをご覧ください。
https://corp.rakuten.co.jp/news/update/2020/0720_01.html
(注3) 「ばんえい競馬」は2006年までは帯広市、旭川市、岩見沢市、北見市の4市で開催されていましたが、旭川市、北見市、岩見沢市が撤退を表明したため、2007年度からは帯広市による単独開催となりました。
(注4) 直近10年間の発売金額および本場入場者数は以下の通りです。
年度 |
発売金額(円) |
本場入場者数(人) |
2011年 |
10,364,421,300 |
245,782 |
2012年 |
10,494,580,600 |
254,081 |
2013年 |
11,662,642,800 |
268,693 |
2014年 |
13,218,352,600 |
278,263 |
2015年 |
14,579,315,600 |
282,932 |
2016年 |
16,154,093,000 |
267,997 |
2017年 |
21,992,641,500 |
281,632 |
2018年 |
24,429,193,700 |
289,457 |
2019年 |
31,085,678,100 |
298,624 |
2020年 |
48,352,787,900 |
161,944(※) |
「ばんえい十勝令和2年度 終了報告( https://banei-keiba.or.jp/tp_detail.php?id=5935 )」より。
帯広市単独開催となった2007年からの発売額及び本場入場者数は終了報告をご覧ください。
※新型コロナウイルス感染症対策により2020年4月24日(金)~2020年7月6日(月)までの34日間無観客競馬開催
帯広市と競馬モールの「ばんえい十勝応援企画」概要
■ 時期: 2021年7月3日(土)~ 2022年3月20日(日)
■ 2021年度の主な施策(予定):
帯広市と「楽天競馬」を運営する競馬モールが共同で、「ばんえい競馬」を購入した際の売上金の一部を積立て「ばんえい競馬」の存続を応援する施策に活用します。2021年度の主な施策は以下の通り。
(1) INCLUSIVE社と連携した情報発信やライター育成、ドローンの実証実験など情報発信体制強化、ばんえいスタジオ公式ブログ「ばんブロ」における継続的な情報発信
(2) 「ばんえいアワード2021」の実施
(3) 生産振興策として、ばん馬生産牧場見学・レース観戦ツアーやばん馬資源の維持・確保に向けた帯広畜産大学への研究費拠出
(4) 帯広競馬場で実施されるイベント(花火大会など)への協賛
(5) 帯広競馬場の全厩舎への人参や牧草ロールの贈呈
■ 競馬モールの2020年度の積立額: 計11,000,000円、拠出額(実績): 10,150,000円
2020年度に実施した施策は以下の通りです。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により中止となったばん馬生産牧場ツアーなどに拠出予定だった850,000円分は、2021年度に繰り越してドローン映像撮影実証実験に充当予定です。
・「ばんえいアワード 2020」の実施: 3,650,000円
・生産振興策として、ばん馬資源の維持・確保に向けた帯広畜産大学への研究費拠出: 1,500,000円
・ばんえいスタジオ公式ブログ「ばんブロ」やメディア、インターネットにおけるライブ配信特番などでの情報発信: 4,000,000円
※新型コロナウイルス感染症拡大の影響により中止となったイベントの協賛費用も振替、情報発信を強化
・帯広競馬場の全厩舎への人参や牧草ロールの贈呈: 1,000,000円
■ 参考URL:
「ばんえい十勝オフィシャルサイト」: https://www.banei-keiba.or.jp/
「楽天競馬」: https://keiba.rakuten.co.jp/
「楽天競馬 ばんえい競馬応援企画2021」: https://keiba.rakuten.co.jp/event/banei_cheer
「北海道Likers」: https://hokkaidolikers.com/