楽天グループ株式会社(以下、「楽天」)とマッコーリー・アセット・マネジメント(以下、「MAM」)は、マッコーリー・アジア・パシフィック・インフラストラクチャー・ファンド3(以下、「MAIF3」)を通じ、楽天の連結子会社である楽天モバイル株式会社(以下、「楽天モバイル」)がブリティッシュ・コロンビア・インベスト・マネジメント・コーポレーションを含むMAMが率いる世界有数のインフラ投資家コンソーシアムから、楽天モバイルが保有する通信設備等の一部を活用した1,500億円~3,000億円規模の資金調達を実施することをお知らせいたします。
- 楽天グループ株式会社
- マッコーリー・アセット・マネジメント
楽天モバイル、通信設備を活用したリースにより、 マッコーリー・アセット・マネジメント率いるコンソーシアムから資金調達を実施
楽天モバイルはセール・アンド・リースバックの形態で資金調達を実施し、当該通信設備等の管理および運営については、引き続き楽天モバイルが実施いたします。最終金額や条件等については、決定次第速やかにお知らせいたします。
楽天の代表取締役会長兼社長である三木谷 浩史は、次のようにコメントしています。
「世界有数のインフラ投資家を率いるマッコーリー・アセット・マネジメントとの革新的なパートナーシップを発表できることを嬉しく思います。私たちの将来のビジョンをご理解いただき、本取り組みを通じて財務的にもさらに盤石な体制を築くことが可能となりました。楽天モバイルの収益性は既に大きく改善してきておりますが、この勢いをさらに加速させながら、早期の黒字化と国内トップの通信キャリアになることを目指します。」
アジア太平洋地域マッコーリー・アセット・マネジメント・インフラストラクチャー共同責任者兼マッコーリーグループ・アジア最高経営責任者であるヴェレナ・リムは、次のようにコメントしています。
「日本のデジタル経済の活性化とDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速への取り組みは、デジタルインフラ分野を対象とするグローバルな投資家に重要な機会をもたらすと考えております。楽天エコシステム(経済圏)と楽天モバイルのネットワークは、まさにこのデジタル進化の最前線にあり、本提携を通じて楽天モバイルの事業成長をサポートできることを大変嬉しく存じます。」
マッコーリーは24年以上にわたり日本で事業を展開しており、MAMは国内投資家をインフラストラクチャ、グリーン・インベストメント、不動産等の分野のグローバルな投資機会に結びつけ、また、国内への投資に関しましても寄与してまいりました。アジア太平洋地域におけるファンド管理に関する深い専門知識と、現地市場に関する豊富な知見や良好な関係を築くチームにより、お客様に有益な投資機会と価値を提供し続けています。
【背景および目的】
楽天は、成長投資と中期的な財務健全性のバランスに十分配慮した規律ある経営を行うとの方針を掲げ、足もとにおいては、有利子負債の削減や、能動的な社債償還スケジュールのコントロールによるバランスシートの管理に注力しています。
係る背景下、楽天モバイルにおいては、加入者の着実な増加、設備投資の削減等に伴い、収益改善が進捗しています。また、楽天においては、インターネットサービスセグメントにおけるフリー・キャッシュ・フローならびに、フィンテックセグメントの各社から受け取る配当等も継続的に増加しています。加えて、楽天モバイルにおける資金ニーズをグループ内キャッシュ・フローにより充当するセルフファンディングについて、本年中の確立を目指しています。
楽天モバイルでは、マーケティングコスト反映前のキャッシュフローは黒字化に向けて順調に進捗しています。一方で、今後も一定の設備投資が継続することを踏まえると、楽天モバイル単独でフリー・キャッシュ・フローがプラスになるまでの期間は、万全の流動性を確保することについても、楽天の財務戦略上重要であると考えています。楽天モバイルにおける今次の大型資金調達は、同社の流動性の向上、セルフファンディングへの貢献、楽天における流動性向上に加えて、インターネットサービスやフィンテック事業からのキャッシュ・フロー原資が、有利子負債削減に優先的に充当出来ることをも意味しています。なお、楽天モバイルが、世界有数のインフラ投資家から長期かつ大規模な資金調達を実施し、当面必要となる資金を自ら確保することは、資金調達手段の多様化、投資家層の拡大にも資することから、楽天グループの財務基盤の一層の強化に繋がるものと考えています。
(1) 資金調達形態 | セール・アンド・リースバック |
(2) 対象資産 | 通信設備等 |
(3) 予定リース元本(資金調達額)(※1) |
1,500億円~3,000億円 |
(4) リース期間 | 10年 |
(5) 資金使途 | 楽天モバイルにおける運転資金及び設備投資資金(※2)等 |
(6) アレンジャー | SMBC 日興証券株式会社 |
※1 最終金額が確定した場合には適宜お知らせ致します。
※2 本年の設備投資額は、当初の計画通り1,000億円弱を予定しています。2025年においてもメンテナンス投資は限定的であり、キャパシティ増強に伴う多額な投資は不要な見通しであることから、設備投資額は低位を推移する見込みです。
■マッコーリー・アセット・マネジメント(MAM)およびマッコーリー・アジア・パシフィック・インフラストラクチャー・ファンド3(MAIF3)について
MAMは、パブリックおよびプライベートの両市場においてグローバルにビジネスを展開する資産運用会社です。マッコーリー・アセット・マネジメントは、機関投資家、政府機関、財団、個人投資家の信頼を得て、実物資産、不動産、クレジット、株式、マルチアセットをはじめとする多種多様な分野で、多岐にわたる金融ソリューションをご提供し、約6,117億米ドルの資産を運用しています。 MAMは、多角的な投資を行う金融グループ、マッコーリー・グループの一部門であり、債務、株式、コモディティ全般にわたる資産管理、金融、銀行業務、アドバイザリー、リスク及び資本に関する金融ソリューションを顧客に提供します。1969年に設立されたマッコーリーグループは、34の市場で20,600人以上の従業員を擁し、オーストラリア証券取引所に上場しています。※2024年3月31日現在
MAIF3は、MAMのアジア太平洋インフラファンド、MAIFシリーズの3番目のファンドであり、2022年6月に投資家のコミットメントが42億米ドルを超えました。MAIFより運用される総資本は160億米ドルを超え、デジタル分野への投資実績として、Vocus Group(オーストラリアの大手専門ファイバーおよびネットワークソリューションプロバイダー)、Airtrunk(アジア太平洋地域の大手ハイパースケールデータセンターオペレーター)、およびBersama Digital(インドネシアの大手独立系通信塔事業であるTower Bersama Infrastructureの過半数の株式を保有する東南アジアの地域デジタルインフラストラクチャプラットフォーム)への投資が含まれます。
以 上