【2021年度第2四半期決算ハイライト】
■全体業績
- 当社グループの売上収益は第2四半期として過去最高の402,158百万円(前年同期比8%増)となり、高い成長が継続しています。
- 一方、モバイルにおける自社4G基地局設置については、総務省提出の計画対比で約5年前倒しする等、計画的な先行投資が継続中のため、Non-GAAP営業損失は59,539百万円(前年同期は32,587百万円のNon-GAAP営業損失)となりましたが、2021年6月末における自社回線による4Gサービスの人口カバー率は90%に到達した他、順調に顧客獲得が進捗する中、通信料金を1年間無料とするキャンペーン期間が順次終了していること等に伴い、通信料収入が順次計上され始めており、今後の収益の改善が期待されます。
- なお、モバイル、物流及び投資事業の損益を除くNon-GAAP営業利益は46,852百万円となり、前年同期比35.6%増と大きく伸長しました。
■エコシステムの拡大
- 当社グループはメンバーシップ、データ及びポイントプログラムを中心とした楽天エコシステム(経済圏)の活用により、ユーザーのサービス間におけるクロスユース及びリテンションを促進し、事業の多角化に伴うリスクの最小化とシナジー創出による付加価値の最大化を図っています。
- 楽天エコシステムを利用するユーザー数は増加が続き、当社グループサービスを2サービス以上利用するユーザーの割合(注1)は73.9%と継続的に伸長しております。
- また、当社グループサービスにおける平均月間利用者数は、外出自粛等によるオンラインショッピング需要の押し上げがみられ始めた前年同期と比較しても12.5%増(注2)と堅調に増加が続いています。
■インターネットサービスセグメント
- 国内EC取扱高は、コロナ禍の巣ごもり需要により、取扱高が急増した前年同期と比較しても力強く成長を続け、前年同期比12.2%増と二桁成長を達成しました。
- インターネットサービスにおいては、『楽天市場』における共通の送料無料(込み)ライン導入に代表される顧客利便性向上のための施策等の奏功に加え、コロナ禍の「巣ごもり消費」等を背景に、『楽天市場』等において増加した顧客の定着化が進みました。
- 『楽天トラベル』においては、安心な旅への取組等により取扱高が前年同期比で改善しました。
- 当社及び日本郵便株式会社の合弁会社であるJP楽天ロジスティクス株式会社への当社物流事業の承継が完了しており、同合弁会社は、2021年第3四半期連結会計期間より、当社の持分法適用関連会社となります。
■フィンテックセグメント
- 各サービスにおける会員基盤が引き続き順調に拡大し、当第2四半期も前年同期比で増収増益を達成しました。
- 『楽天銀行』では、2021年7月に国内のインターネット銀行で初めて(注3)口座数が1,100万口座を突破したほか、メイン口座としての利用が増加しています。
- 『楽天カード』の発行枚数(注4)は、2021年6月に2,300万枚に到達しました。ショッピング取扱高は前年同期比で30%超の増加となり、取扱高シェア(注5)は20%強となりました。
- 『楽天証券』では、楽天エコシステムを活用した施策等による投資初心者の取り込みが奏功し、2021年5月には、証券総合口座数が600万口座を突破し、6月末時点で624万口座となりました。営業収益(売上収益)は前年同期比で約20%増と引き続き力強い成長を遂げています。
- 保険事業では、オンライン販売の好調に加え、対面販売の一部回復により、生命・損保ともに新契約獲得が順調に拡大しました。また、開始から2年となる「楽天保険の総合窓口」は、クロスセルによる契約者数(注6)が14倍になる等、同事業は前年同期比で20%超の増益となりました。
■モバイルセグメント
- 携帯キャリアサービスにおいては、顧客獲得が順調に進捗する中、通信料金を1年間無料とするキャンペーン期間が順次終了していること等に伴い、通信料収入が順次計上され始めました。
- データ消費量が多く、解約率が低い傾向にあるMNP転入による契約及び当社のMVNO事業からの移行による契約の割合が継続的に増加しており、今後、ARPU及びライフタイムバリューの増加が期待されます。
- 自社回線エリアの拡大は着実に進み、2021年6月末における自社回線による4Gサービスの人口カバー率は、90%に到達しました。
- 楽天は、日本国内において、世界初(注7)の完全仮想化クラウドネイティブかつOpen RANに基づくモバイルネットワークを構築し、携帯キャリアサービスの提供を開始しています。当該知見を活かし、他の通信事業者や企業が、安全でオープンなモバイルネットワークを迅速かつ低コストで簡単に構築可能とするクラウドネイティブなプラットフォーム『Rakuten Communications Platform』(RCP)について、2021年8月に公表したとおり、ドイツ大手通信事業者である1&1社のモバイルネットワーク構築において包括的に採用されることになりました。
■資金調達
- 当社においては、2021年4月、資金調達手段の多様化、投資家層の拡大、財務基盤の一層の強化等を目的として、米ドル及びユーロ建永久劣後特約付社債(利払繰延条項付)の発行により約3,200億円の資金調達を行いました。調達資金は主に携帯キャリア事業への設備投資に充当される予定です。加えて、楽天モバイル株式会社は、セールスアンドリースバック、通信料債権流動化等を活用した資金調達を進めています。