2021年2月12日
  • 楽天株式会社

2020年度通期及び当第4四半期ハイライトに関するお知らせ

【2020年度通期及び当第4四半期ハイライト】 

・当社グループの当連結会計年度における売上収益は1,455,538百万円(前連結会計年度比15.2%増)となり、成長を加速させています。通期及び当第4四半期ともに過去最高となっており、創業以来の連続増収を更新しています。一方、モバイルにおける自社基地局設置の約5年前倒しを含め、先行投資が継続中のため、Non-GAAP営業損失は102,667百万円(前連結会計年度は95,129百万円のNon-GAAP営業利益)となりました。なお、モバイル、物流、投資事業の損益除くNon-GAAP営業利益は148,853百万円で前連結会計年度比37.6%増と大きく伸長しました。

・当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の大流行に伴い、社会、経済、生活に急速な変化が起きるなか、当社グループは、国内外70以上の多様なサービスにより構成される楽天エコシステムを活用した事業経営により、各サービスにおける顧客基盤の拡大及びサービス間のクロスユース促進を図りました。

・当社グループにおける平均月間利用者数(注1)は前連結会計年度に比べ、17.5%上昇し、当社グループサービスを2サービス以上利用するユーザーの割合(注2)は70%を超えてなお伸長を続けています。

・インターネットサービスにおいては、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』における送料無料ラインの統一施策の奏功や新型コロナウイルス感染症の流行に伴う「巣ごもり消費」等の影響を受け、『楽天市場』の年間流通総額が初めて3兆円を超える等、国内EC取扱高が4.5兆円(前連結会計年度比19.9%増)と大幅に伸長しました。当第4四半期においてもこの傾向は継続し、ショッピングEC流通総額(注3)は前年同期比45.2%増と大幅に伸長しました。

・フィンテックにおいては、『楽天カード』において、2020年度通期カードショッピング取扱高が11兆円を超えたほか、各サービスにおける顧客基盤の拡大が続いています。

・モバイルの携帯キャリアサービスにおいては、自社回線エリアの拡大や各種マーケティング施策が奏功し、2020年12月には、累計契約申し込み数が200万回線を突破しました。なお、2021年2月8日時点における累計契約申し込み数は250万回線となりました。

・海外事業においては、ビジネスモデルの転換・集約を行い、好調に推移している米国を中心とするオープン型ECや、欧米・アジア等におけるコンテンツ事業・マーケティング事業の強化を図りました。フィンテック事業においても、楽天証券の海外関連4社すべてで黒字化を達成したほか、楽天カードや楽天銀行の海外展開も図りました。今後、モバイル事業においても、世界中の通信事業者や企業へ「Rakuten Communications Platform」の提供を進め、グローバル通信企業への進化を目指します。

・当社グループは、2021年4月1日からは楽天グループ株式会社と社名を変更する予定です。より迅速な意思決定のための体制を構築し、ID・ポイント・ブランドを活用した楽天エコシステムの展開拡大を図り、イノベーションを加速してまいります。

【インターネットサービス】

・インターネットサービスセグメントにおける売上収益は820,115百万円(前連結会計年度比10.3%増)、セグメント利益は40,114百万円(前連結会計年度比62.6%減)となりました。

(単位:百万円) 売上収益 前連結会計年度比 営業利益 前連結会計年度比
国内EC 584,135 +21.1% 58,192 +13.0%
その他 235,980 -9.6% -18,079 -73,788
インターネット 合計 820,115 +10.3% 40,114 -62.6%

国内EC

・2020年3月より、『楽天市場』において導入された送料無料ラインの統一施策の奏功や、新型コロナウイルス感染症の流行に伴うオンラインショッピング需要の影響を受け、『楽天市場』や『Rakuten 24』、『楽天西友ネットスーパー』等のオンラインショッピング事業における取扱高が大幅に伸長しました。

・当第4四半期においてもこの傾向は継続し、当第4四半期におけるショッピングEC流通総額は前年同期比45.2%増と大幅に伸長しました。

・当連結会計年度における『楽天市場』の新規購入者数は前連結会計年度比27.6%増、さらに復活購入者数(注4)においても、27.1%増と順調に拡大しており、今後のさらなる成長が期待されます。

・『楽天トラベル』においては、外出自粛や緊急事態宣言の発令等を受け、予約低迷、キャンセルが相次ぎましたが、2020年7月より政府が実施した「Go To トラベル事業」等の効果もあり、特に第3四半期以降において、売上収益の改善がみられたほか、コスト効率化等の取り組みにより、利益の改善がみられました。当第4四半期おいても、売上及び利益の改善が続きましたが、政府は、2020年12月、感染症の再拡大の予防を目的とした、同事業の一時停止を発表しており、これを受け、2020年12月以降の宿泊予約等には押し下げの影響が見られました。

・物流事業については、自社物流施設への楽天市場出店店舗商品の受入れ拡大やラストワンマイルにおける自社配送エリアの拡大等、自社物流網の整備・強化に注力し、これに伴う先行投資が発生しています。また、日本郵便株式会社との間に、物流領域における戦略的提携に向けた基本合意書を締結しました。

・同事業においては、『楽天市場』を中心としたオンラインショッピング事業における取扱高の拡大に従い、当連結会計年度における自社物流サービス『楽天スーパーロジスティクス』を利用する楽天市場出店店舗数が当前連結会計年度比87.4%増、出荷量は140.7%増と大幅に拡大しました。

 

その他

・スポーツサービスにおいては、プロ野球公式戦、サッカーリーグ戦の入場者数制限を受け、売上収益が減少したものの、段階的な規制緩和が行われるなかで、収益の改善が見られました。投資事業においては、当社グループの投資先であるLyft, Inc.が、2019年3月29日(現地時間)に米国NASDAQ市場へ新規株式公開を行ったことに伴い、前第1四半期において有価証券評価益約1,100億円を計上したこと等の影響から、当連結会計年度においては減益となりました。

【フィンテック】

フィンテックセグメントにおける売上収益は576,195百万円(前連結会計年度比18.5%増)、セグメント利益は81,291百万円(前連結会計年度比17.3%増)となりました。

(単位:百万円) 売上収益 前連結会計年度比 営業利益 前連結会計年度比
楽天カード 261,328 +13.7% 37,733 +15.8%
楽天銀行 95,527 +7.2% 28,053 +3.7%
楽天証券 74,091 +31.0% 16,609 +50.8%
保険事業 106,373 -0.1% 7,525 +87.4%
楽天ペイメント 33,060 +14.6% -6,776 -1,465
その他 5,816 +30,143 -1,852 -1,822
フィンテック 合計 576,195 +18.5% 81,291 +17.3%

楽天カード

・2020年6月に『楽天カード』会員数が2,000万人を突破して以降も会員基盤の拡大が続き、2020年11月には同会員数が2,100万人に到達しました。

・同サービスにおいては、宿泊・飲食サービス等の消費に依然厳しさがみられるものの、オンラインショッピングを中心に取扱高が伸長し、2020年度通期カードショッピング取扱高は11兆円を超える等、取扱高の伸長が売上収益及び利益の増加に貢献しました。

・一方で、コロナ禍の資金需要減退を受け、ショッピングリボ残高及びカードキャッシング残高の積み上げが鈍化又は減少し、収益には押し下げの影響がみられました。当第4四半期においても同様の傾向が続く中、好調な『楽天市場』等におけるカード利用時のマーケティング費用等が増加し、営業利益の押し下げの影響がありましたが、グループサービスのクロスユースを促進しました。

 

楽天銀行

・2020年6月に口座数が900万口座を突破して以降も、新規口座獲得数が堅調に伸長し、2021年1月には オンライン銀行で初めて1,000万口座を突破しました。

・口座数拡大に伴い、日常生活のためのメイン口座としての利用が増加し、当第4四半期における決済件数は前年同期比42.2%増、給与振込口座数は53.2%増と拡大しました。

・口座数拡大に伴い預金利息が増加したものの、決済件数増加等による役務取引等収益の伸長が大きく増収増益を確保しました。

 

楽天証券

・2020年12月に証券総合口座数が500万口座を突破する等、新規口座開設数の大幅な増加が続くと同時に、国内株式・米国株式売買代金の伸長に伴う手数料収入等の増加が、売上収益及び利益の増加に貢献しました。

・また、収益源の多様化を目指し、注力している資産形成系サービスにおいては、投信積立の月額積立設定額が2020年12月には300億円を超え、つみたてNISA口座の国内シェアは27.5%(注5)(2020年9月末時点)となる等、順調に拡大しています。 

 

保険事業

・生命保険サービスにおいては、コロナ禍において対面の商品販売が制約を受ける中においても、オンラインによる販売の強化、コスト削減施策等が奏功し、売上収益及び営業利益が増加しました。当第4四半期においては、前第4四半期に有価証券売却益を計上したこと等の影響から、前年同期比で営業利益が減少しました。 

・損害保険サービスにおいては、収益性向上のための、アンダーライティング強化施策等により、収入保険料が減少した一方で、再保険の効果的な活用により、発生保険金等の費用が減少したことで、営業利益が増加しました。

・保険事業においては、楽天グループ各サービスと連携した保険商品を提供し楽天グループ、楽天エコシステムとのシナジーを拡大しています。また、楽天ポイントがたまる保険商品の導入後、インターネット経由の保険売上が大きく伸び、当連結会計年度におけるインターネット申込新契約年換算保険料は、楽天生命において前連結会計年度比+42%、楽天損保において+207%と力強く成長しました。

 

楽天ペイメント

・コロナ禍において、実店舗における決済が減少する傾向にある中においても、QRコード・バーコード決済、電子マネー、ポイント等の決済手段を統合したペイメントアプリの機能拡充やJR東日本が提供する交通系ICカード「Suica」との連携に代表される他決済事業者との提携による利便性向上の施策等が奏功し、取扱高が伸長したことが、売上収益の増加に貢献しました。

・また、顧客との強力なタッチポイントを有する楽天ペイメントは、オフラインからオンラインの楽天エコシステムへ利用者を呼び込む役割を果たしており、現在、新規楽天会員のうち、4人に1人が楽天ペイメントのサービス経由によるものです。

【モバイル】
・モバイルセグメントにおける売上収益は227,142百万円(前連結会計年度比34.4%増)、セグメント損失は226,976百万円(前連結会計年度は76,524百万円の損失)となりました。

(単位:百万円) 売上収益 前連結会計年度比 営業利益 前連結会計年度比
旧モバイルセグメント 173,701 +45.0% -212,811 -152,760
その他 53,442 8.5% -14,164 +2,309
モバイル 合計 227,142 +34.4% -226,976 -150,452

・携帯キャリアサービスにおいては、2020年4月の本格的なサービスの開始後、9月には5Gのサービスを開始しました。2020年12月に累計契約申し込み数が200万回線を突破して以降も楽天エコシステム内外からの顧客獲得が進んでいます。なお、2021年2月8日時点における累計契約申し込み数は250万回線となりました。

・同サービスにおいては、基地局の開設を加速化させ、自社回線によるサービス提供エリアの拡大を進めるとともに、ネットワークの品質向上等に努めており、4G人口カバー率は2020年12月に70%を超えました。楽天回線エリアが拡大したことに伴い、基地局建設に係る費用が増加したほか、契約者数が増加したことにより、楽天回線エリア外におけるローミング費用が増加しました。

・4Gの開設基地局については、96%の人口カバー率を達成していく中で、基地局の高密度化による通信品質の向上及び今後見込まれる利用者の増加に対応するため、基地局数は44,000局程度になる見通しです。

・世界中の通信事業者や企業が、安全でオープンなモバイルネットワークを迅速かつ低コストで簡単に構築できるクラウドネイティブなプラットフォーム「Rakuten Communications Platform」については、Telefónica, S.A.とのOpenRAN推進に向けた覚書、Saudi Telecom Company (stc)とのモバイルネットワーク技術の連携に関する覚書を締結しており、政府機関、通信事業者や企業向けにグローバル展開することを目指し、鋭意開発を進めています。

・また、デジタルコンテンツサービスとモバイルサービスの連携を強化し、シナジー効果を高めることを目的に、当連結会計年度より、一部の事業及び子会社をセグメント間で移管しており、Rakuten Kobo Inc.等デジタルコンテンツサイト等の運営を行う事業をモバイルセグメントに移管しました。左記サービスにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響によるオンラインコンテンツサービス需要の拡大等を受け、引き続き顧客基盤の拡大が続いています。

 

【2020年におけるESG評価】

・当社グループによるサステナビリティへのコミットメントや取り組みが評価を受け、MSCI、FTSE、S&Pをはじめとする主要なESG指数の構成銘柄に選定されています。また、「Dow Jones Sustainability World Index (DJSI World)」の構成銘柄にも選定され、国際環境非営利団体CDPが実施する気候変動に関する企業調査においては、最高評価である「気候変動Aリスト」に選定されました。

 

(注1)2019年1月-12月末における平均月間アクティブユーザー数と2020年1月-12月末における平均月間アクティブユーザー数

(注2)過去12カ月間における2サービス以上利用者数/過去12カ月間における全サービス利用者数(2020年12月末時点)

(楽天ポイントが獲得可能なサービスの利用に限る)

(注3) ショッピングEC流通総額=楽天市場 + 1st パーティー (ファッション, ブックス, Rakuten24 (ダイレクト), ネットスーパー + オープンEC (Rebates, チェックアウト) + ラクマの流通額の合計

(注4) 復活購入者数=1年以上購入がなかったユーザーが購入した場合

(注5) 金融庁NISA・ジュニアNISA 口座の利用状況調査 (2020年9月末時点)より算出

 

以  上

※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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