株主・投資家の皆様へのメッセージ
企業理念
イノベーションを通じて、
人々と社会をエンパワーメントする
トップメッセージ
株主の皆様には、日頃より楽天グループをご支援いただき、厚く御礼申し上げます。
当期は、重要なマイルストーンを達成することができました。『楽天モバイル』におけるEBITDA*1ベースでの単月黒字化の達成です。『楽天モバイル』は株主の皆様の信頼とご支援を糧に、成長を遂げてきた事業です。2019年からの携帯基地局設置を中心とした設備投資を経て、2020年4月に本格サービスの提供を開始しました。以降、通信品質向上に向けた継続的な基地局の設置推進はもちろん、日本全国のサービスエリアにおいて、5Gを含む高速データ通信が無制限でご利用可能な「Rakuten最強プラン」の提供、法人事業や700MHz帯域(プラチナバンド)での商用サービス開始等、ユーザーにとって魅力的なサービスを追求してまいりました。その結果、『楽天モバイル』の全契約回線数*2は当期中に177万回線増加し、当期末には約830万回線となりました。2024年12月には期初の目標としていたEBITDA単月黒字化を達成することができました。
『楽天モバイル』の成長は、楽天グループ全体にも大きな波及効果をもたらしています。『楽天モバイル』契約者の流通総額(取扱高)は、非契約者と比較して、『楽天市場』で約1.5倍、『楽天トラベル』で約1.1倍、『楽天カード』で約1.3倍多いことがわかりました。こういったグループ経済圏効果を受けて、国内EC事業の年間流通総額は6兆円規模で堅調に推移し、『楽天カード』の年間ショッピング取扱高は24兆円を突破しました。『楽天証券』の総合口座数は新NISA開始の追い風も受けて前期末比173万増となる1,193万口座に達し、『楽天銀行』の単体預金残高も12兆円を突破しました。さらに、創設30年目を迎えたヴィッセル神戸がJ1リーグ二連覇と天皇杯優勝を果たしたことも、大きなマイルストーンとなりました。
これらの成果により、楽天グループの当期連結売上収益は前期比10.0%増の2.3兆円となりました。AI等を活用したマーケティング・オペレーション効率向上の取組推進により、大幅なコスト削減も実現し、連結Non-GAAP営業利益及びIFRS営業利益においては通期黒字化も達成することができました。2025年は、各事業の更なる成長を目指すとともに、データとAIの活用を一層深めることで、業務効率向上だけでなく、顧客体験の向上やパートナー企業の活動支援にも貢献してまいります。
配当につきましては、資金流出を抑制し、中長期的な成長に向けた投資や財務基盤の安定化のための内部留保の充実を優先することが、株主価値の向上に繋がると考え、当期も見送る決定をいたしました。しかしながら、安定的な利益創出と有利子負債の削減を進めていく中で、適時適切に復配を行えるように努めてまいります。
株主の皆様には今後も格別のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
*1:Non-GAAP営業利益に減価償却費等を加算して算出。
*2:MNO(移動体通信事業者)、MVNE(仮想移動体サービス提供者)及びMVNO(仮想移動体通信事業者)回線の合計。
2025年3月
代表取締役会長兼社長
