株主・投資家の皆様へのメッセージ

企業理念
イノベーションを通じて、
人々と社会をエンパワーメントする

トップメッセージ

株主の皆様には、日頃より楽天グループをご支援いただき、厚く御礼申し上げます。

本年1月に発生した「令和6年能登半島地震」により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

楽天グループにとって、2023年は大きな変化とマイルストーンの達成がありました。モバイル事業では、新たに「Rakuten最強プラン」の提供を開始したほか、プラチナバンド(700MHz帯)割当の認定を受けるとともに、継続的に通信品質・顧客満足度の向上に努めた結果、『楽天モバイル』の携帯キャリアサービス契約数が600万回線*を突破しました。また、楽天が構築した完全仮想化・Open RANによるモバイルネットワークをドイツ1&1社が欧州で初めて商用稼働を開始させる等、楽天シンフォニーにおいても新たな展開がありました。

インターネットサービス事業では、国内EC事業の年間流通総額が6兆円を超えました。フィンテックサービス事業では、『楽天カード』の発行枚数が3,000万枚を突破、『楽天銀行』の預金口座数が1,400万口座を突破、『楽天証券』の証券総合口座数も1,000万口座を突破しました。創設29年目となる『ヴィッセル神戸』がJ1リーグ初優勝を果たしたことも大きなマイルストーンです。

これらの結果、楽天エコシステム(経済圏)が更に拡大し、楽天グループの年間グローバル流通総額は前年比17%増の40兆円規模となり、年間売上収益も前年比7.8%増の2兆円を超えました。併せてコスト適正化の様々な取組も奏功し、年間連結EBITDAが黒字を継続したほか、2023年第4四半期においては非金融事業(インターネットサービス事業及びモバイル事業)のEBITDAが黒字化を達成、2023年12月単月のNon-GAAP営業利益も黒字化する等、業績の改善も大きく進みました。

インターネットサービス、フィンテックサービス、モバイルの各事業の更なる成長とシナジーの拡大を引き続き図るとともに、2024年は楽天エコシステムにおけるサービスやデータにAIを組み合わせることで、サービスの質及び業務効率を向上させていく取組も始動します。

配当につきましては、現下の当社における財務状況等を踏まえ、配当による資金流出を抑制することが、当社の財務基盤の安定、ひいては株主価値の向上に繋がると考え、誠に遺憾ながら当期の配当を行わないことを決定しました。配当方針につきましては、中長期的な成長に向けた投資や、財務基盤の安定化のための内部留保の充実を勘案しつつ、安定的・継続的に配当を行うことを基本としており、今後もこの方針に変更はありません。早期の連結業績黒字化及び有利子負債の削減を進めていく中で、適時適切に復配を行えるように努めてまいります。

世界の平和、被災地の復旧・復興をお祈りするとともに、より良い未来のために、事業を通じた社会の発展に向けて社員一丸となって取り組んでまいります。

株主の皆様には今後も格別のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

*B2C及びB2B、並びにBCPを含む。BCPとは、B2BにおいてBusiness Continuity Plan用途に販売しているプラン。

2024年3月
代表取締役会長兼社長