Corporate Topics:「1on1ミーティング」が生み出す、楽天流・コンピテンシー開発

Corporate Topics
「1on1ミーティング」が生み出す、
楽天流・コンピテンシー開発

2017年に全社導入された1on1ミーティングは、今や楽天を代表するカルチャーに。

“勝てる人材、勝てるチームを作る”ためのBack to Basics Projectの一環として、2017年に全社導入された1on1ミーティング。現在は、主にマネージャーとメンバーの間で定期的に実施されています。

今や楽天を象徴するカルチャーの1つとして根付いた1on1ミーティングが、従業員の働き方にどのような影響を与え、また効果をもたらしているのか、4名の従業員にインタビューを行いました。

※取材当時、COVID-19 の影響により1on1ミーティングは全面リモート環境で行っていました。

Ami
2018年・中途入社
アド&マーケティングカンパニーにて
広告プロダクトのディレクションチーム
およびプロダクトチームのリーダーを担う。

転職直後の不安を解消し、信頼関係を醸成できる1on1ミーティング

前職で得た運用型広告の配信や分析スキルを、多種多様なデータが蓄積される楽天で発揮したいと思い、2018年に中途入社しました。前職との大きな違いは、ステークホルダーの多さと複雑さです。プロジェクトを進めるには様々な部署との連携が必要ですが、入社当初はその道筋が分かりませんでした。転職直後の不安を解消してくれたのが、1on1ミーティングです。確認すべき部署や項目など具体的なアドバイスに加え、キーパーソンを紹介してもらうなど、週に1度上司に相談できる時間はとても心強いものでした。

私は2チームを兼務するため、私自身が2名の上司と1on1ミーティングの場を持つ一方、リーダーとして2チーム7名のメンバーと毎週各30分、1on1ミーティングを行います。上司とのミーティングでは事前にアジェンダを作り、相談や意見交換したい内容を決めますが、チームメンバーには業務課題や目標に対する進捗、キャリアプランなど、自分のスタイルで自由に話してもらっています。管理職向けの1on1研修プログラムで、「自分の意見を先に話しがち」というクセに気付き、特に傾聴を意識しています。1対1でフランクに話せる時間は、メンバーとの信頼関係の醸成にも役立っています。

アワード受賞や「楽天賞」へのノミネートは、1on1ミーティングで目標を着実にクリアしたからこそ

複数の仕事を抱えていると目先のタスクに集中しがちですが、毎週1on1ミーティングがあることで、プロジェクトを俯瞰し、振り返る時間を持つことができます。『RMP-Display Ads(注1)』にお客様ニーズを反映した指標を組み込むプロジェクトでは、所属カンパニー/ディビジョンのアワードにおいて、個人賞・チーム賞にてMVPを受賞し、楽天グループ全体の報奨制度である、「楽天賞」にもノミネートしていただきました。
スモールステップで目標を設定し、上司や開発メンバーとの1on1ミーティングで逐次確認、相談しながら進めたことがポジティブに作用し、個人やチームの実績づくりに繋がったと感じています。

(注1)RMP-Display Adsは、楽天が提供する広告プロダクトのひとつ

1on1ミーティングは、目前の課題解決のみならず、定期的に自身の目標を振り返る場でもあります。ゴールまでのプランをこまめに相談し改善を重ねることで、達成までの道のりもスムーズになります。さらに、楽天主義を反映した11の「コンピテンシー評価」項目において、私自身は「チャレンジ」や「Get Things Done」の向上を実感しています。個人の成長を見据えた対話ができる1on1ミーティングは、コンピテンシーの開発・向上にも、大いに役立っていると感じます。

Nobu
2019年 ・中途入社
テクノロジーサービスディビジョンにて、
セキュリティエンジニアとして業務を行う。

初めての日本での就業。
1on1ミーティングは不安払拭&安心感を得る機会に

1on1ミーティングでは、ビジネスの相談からプライベートな悩みまで様々な話をします。私は結婚を機にマレーシアから来日し楽天で働き始めました。日本で働くのは初めてだったので、労働文化など気になることも多く、正直なところ不安もありました。そのため、入社した頃の1on1ミーティングでは、マネージャーに率直に相談していました。ミーティングの中で、日本企業の特徴や、その中で楽天はどのような特徴があるのかいつも丁寧に教えてもらえたことは、速やかなオンボーディングに大変役立ちました。

話題を問わずリラックスしながら自由に話し、上司から直接フィードバックをもらえる中で、コンピテンシー面でもいい変化がありました。私は元々オープンなタイプではなかったのですが、1on1ミーティングを通し「オープンマインド」を心がけることで、業務がより円滑に進み、自身の成長も加速していく経験をしたのです。心を開けるよう、心理的安心感を作ってくれた上司にはとても感謝しています。時には私の弱みについてのフィードバックもありますが、信頼関係があるので、成長の機会だと前向きにとらえることができています。

1on1ミーティングを活かしながら、大幅な業務改善を達成

私は新しく作られたチームに配属されたため、運用ガイドラインの制定やワークフローの自動化、リソース管理などにゼロから取り掛かる必要がありました。

チームの先頭に立ち多様な業務を進めていく中で、1on1ミーティングは特に役立ちました。上司の目線を取り入れて現状を客観的に捉えることができるので、自分のパフォーマンスや目指すべきコンピテンシーを第三者目線で振り返ることや、業務上でどの部分を改善すべきかを常に明確にしておくことができました。

そのおかげもあり、予定よりも早く全てのプロジェクトを完了させることができ、チームとしての業務改善効果が認められ、社内の報奨制度である「楽天賞」の「新人賞」を受賞することができました。

このように、1on1ミーティングというカルチャーは生産性の向上にも大きく貢献してくれるものだと感じています。

Sophia
2018年・新卒入社
コマースカンパニー、トラベル&モビリティ事業部に所属。
自ら異動を希望した事業推進室にて
プロジェクト管理業務を行う。

初めての社会人生活、緊張や不安を払拭してくれた1on1ミーティング

学生の目に映る楽天は最先端をいくテック企業で、「新しい」「カッコイイ」「活き活きしている」「輝いている」というイメージがありました。入社してみると、大企業でありながら組織に縛られない自由度の高さがイメージ通りである一方、ベンチャー気質を保ちながらも、コンプライアンス遵守など社会的責任に対する強い意識に、良い意味での驚きがありました。

新卒の私にとって、入社直後の1on1ミーティングは仕事の基本や心構え、社会人として必要なことを学ぶ場でした。緊張のあまり営業がうまくいかずに自信をなくしても、週に1度ある1on1ミーティングでの温かなやりとりで、前向きな気持ちになりました。最近は次のキャリアステップを考える時期でもあり、チャレンジしたい仕事や興味のある事業がよく議題に上ります。仕事の相談や悩みは仲間ともよく話をしますが、1対1でマネージャーと向き合えるからこそ話せる内容もあります。他のチームメンバーがいる前では話しにくい自分のキャリアのことも1on1ミーティングなら安心して率直に相談でき、的確なアドバイスを受けられます。

眠っている自分の価値を発見できるのも、1on1ミーティングのメリット

コロナ禍でのリモートワークが2年目に入った頃、自分が成長しているイメージをより実感したいと考えるようになりました。そんな中でマネージャーが勧めてくれたのが、ワクチンの職域接種プロジェクトへの参画です。これが私の転機になりました。チームでプロジェクトを成し遂げるために、「黙っていたら価値は生まれない。自分から動こう!」と自ら発信し、行動を起こす喜びを体験したことで、ギアチェンジができました。知らない自分を発見した思いでした。視座の高い上司とのコミュニケーションで、まだ眠っている自分の能力を見出す機会を得られることも、1on1ミーティングの醍醐味だと思います。

現在の事業推進室には、自らの希望で異動しました。職域接種プロジェクトの経験を経て、プロジェクトマネジメントのフィールドで力を付けたいという想いを、1on1ミーティングで話したことがきっかけです。現在は、プロマネで一人前になることを目指し、半年後、1年後のビジョンを描いて、1on1ミーティングで確認しながら、やるべきタスクに取り組んでいます。

Aloha
2006年 ・中途入社
アド & マーケティングカンパニー所属。
現在はジョイント・ベンチャーである
MIHA株式会社にてセールスグループの
マネージャーを担当。

言葉や文面では補い切れない深いコミュニケーションが可能に

入社以来、営業職として楽天の多様なサービスに携わり、現在はYouTuber・インフルエンサー事業の営業責任者を担当しています。

1on1ミーティングの導入前は、パーソナルな問題やキャリア相談は、タイミングを見計らいながら随時行っていました。導入後の現在は、たとえ忙しくても定期的に二人きりで話せる時間が設けられているので安心感に繋がっていますし、直近の案件や問題だけでなく、キャリアやコンピテンシーについても意識を向けることができる貴重な時間となっています。

現在はリモート環境での1on1ミーティングを行っていますが、テレビ会議であっても、1対1でお互いの顔を見ながら話すことの大切さを改めて感じています。言葉や文面からでは拾いきれない情報も、顔や表情からは読み取りやすいので、相互理解をより深めることが出来ています。

例えば業務の依頼をする時、メンバーの表情から納得感が足りないと感じたら、なぜその業務をあなたに行ってほしいのかという理由を丁寧に説明することが出来ます。各メンバーのメンタルの様子も把握しながら、深く向き合うことができます。

また、楽天には管理職向けの1on1研修プログラムがあるので、より効果的な1on1ミーティングを行うために役立てています。

1on1ミーティングでのタイムリーなキャッチアップは、事業の急成長に必要不可欠

現在は急成長中の新事業に携わっているので、リソース面や営業活動での課題、クライアントのニーズについて、素早く把握することが必要であると考えています。1on1ミーティングを利用することでそれらの状況も正確に把握できるので、早期課題も見つけやすく、人材配置の最適化や課題に対するPDCAもより円滑に回るようになっています。その成果もあり、現在の大幅な売上拡大にも繋がっているのだと感じます。

1on1ミーティングは、定点チェックの習慣化としての効果も大きいと考えています。開催頻度や内容をある程度フォーマット化し記録していくことで、何が実行出来ていて、何が出来ていないかが明確になり、客観的に把握し改善につなげることができます。このような効果をもたらす1on1ミーティングは、楽天主義の一つ『GET THINGS DONE』の実現にも貢献するカルチャーなのではないでしょうか。

人材開発課より
「一人ひとりが最大限に力を発揮できる環境づくりを目指して」
1on1ミーティングの目的は、「相互理解・相互信頼の形成」と「定期的なフィードバックによる成長支援」です。多様なバックグラウンドを持つ楽天従業員が、その能力を最大限に発揮できる環境を作るために、管理職向けの1on1研修や従業員向けのE-learningなどを通じて、1on1ミーティング文化を促進してきました。特に、管理職向けの1on1研修では、傾聴やティーチング、コーチング、適切なフィードバック方法などを随時学べるよう、マネージャー自身の成長支援も行っています。

導入から数年経過した今、1on1ミーティングは従業員の成長を支える場として根付いています。2022年3月に実施されたサーベイでは、95%の従業員が1on1に満足と回答。また90%以上の従業員が上司と話しやすく、話をしっかりと聞いてもらえると回答しています。

1on1ミーティング文化の浸透が従業員の成長を支えていること、特に重要な「心理的安全性」の向上に寄与していることに、私たち人材開発担当グループは誇りを感じています。今後は、中長期のキャリア・人材育成支援の場として、1on1ミーティングをより活用できる仕組みを構築し、展開していきます。
※インタビュー当時の情報です。