楽天株式会社（本社：東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長：三木谷 浩史、以下「楽天」）は、児童養護施設から社会に出る子供たちの自立支援を行う特定非営利活動（NPO）法人ブリッジフォースマイル（所在地：東京都千代田区、理事長：林 恵子、以下「ブリッジフォースマイル」）が取り組む「巣立ちプロジェクト」に賛同し、同法人の寄付仲介活動をITシステムにより支援するために「楽天マーチャントサーバー（以下、「RMS」）」を無償提供しています。
RMSは、「楽天市場」の出店者に有料で提供される、Webサイトの作成から受注管理や決済までショッピングサイト運営に必要な多くの機能を備えた支援システムです。ブリッジフォースマイルは、同システムを活用し、独自に個人・企業に呼びかけて集めた生活必需品を中心とする寄付品を掲載するサイトを、本年1月6日に「楽天市場」上に開設しました。サイトでは、同法人が支援する児童養護施設を今月末までに退所予定の高校3年生約120名が希望の品物を選んで申請できるようにしていました。2月8日には、掲載していた寄付品のうち計241点が高校生たちの希望と合致し、寄付者の協力により順次配送が開始されています（注1）。
「巣立ちプロジェクト」では、首都圏にある児童養護施設を退所する高校3年生に向けて、一人暮らしに必要な知識を伝えるセミナーを実施しているほか、個人・企業から新生活のために寄付された生活必需品と高校生たちのニーズをマッチングさせる仲介を行ってきました。これまでは、高校生たちからの希望する品物の受け付けは主にFAXで行っていましたが、RMSを利用することで、サイト上で簡単に申し込んでもらうことが可能となりました。これにより、寄付品の在庫数や高校生たちからの申請状況などを一元管理できるようになり、仲介に関わる工数が軽減されました。また、高校生たちが希望する品物を申し込む際に必要となるクーポン（注2）もRMSで容易に発行できるため、より円滑な仲介活動が可能になりました。
児童養護施設で暮らす子供たちは、18歳になると施設を出て自活を始めます。保護者の支援が得られない状況で家電や家具などの生活必需品をそろえることは、子供たちにとって経済的な負担となっています。ブリッジフォースマイルは、RMSを活用することで、より効率的な寄付仲介が可能となることが分かったため、今後は首都圏以外の全国の児童養護施設の子供たちにも支援を広げることを視野に入れています。
楽天は、これまで児童養護施設で生活する子供たちに対しては、公益財団法人「楽天 未来のつばさ」（注3）を通じた自立奨学支援資金やクリスマスプレゼントを届ける「楽天サンタプロジェクト」（注4）による支援を行ってきました。今後は、資金面に限らず、様々な面からの支援を目指しており、ブリッジフォースマイルへのRMS無償提供はその一環です。また昨年11月には、首都圏10会場で実施された「巣立ちプロジェクト」のセミナーにおいて、同プロジェクトが支援する約120名の高校生を対象に、楽天社員が「楽天市場」の利用方法やインターネットの安全な使い方について講義をしました。
楽天は今後、同プロジェクトが全国へと支援の対象を広げる際には、「楽天市場」の店舗ネットワークを活用し、寄付品の募集や子供たちへのセミナー実施などにおいて、さらなる支援をすることも検討してまいります。
（注1） 子供たちは、ブリッジフォースマイルがサイトに掲載した最大35,000円の生活必需品の中から、希望する品物を選びます。寄付者は、予め5,000円～50,000円の間で登録した寄付予算額に応じて、子供たちが選んだ品物を「楽天市場」などで購入し、子供たちに送付します。なお、新古品、中古品も掲載しており、選ばれた品物は、寄付者が送料負担で送付します。
（注2） 子供たちが使えるクーポンの金額は最大35,000円で、子供たちのセミナーへの参加状況に応じてブリッジフォースマイルが決定します。
（注3） 2011年に楽天生命保険株式会社（旧 アイリオ生命保険株式会社）が設立した「公益財団法人未来のつばさ財団」が前身となる団体。児童養護施設や里親のもとから自立する子供に、15万円の自立奨学支援資金を提供するなどの支援を行っています。
（注4） 2014年に開始した、楽天の役員や社員がクリスマスにプレゼントを直接届けるプロジェクト。2015年は、全国567の児童養護施設で暮らす26,963名の子供たちにプレゼントを届けました。 https://corp.rakuten.co.jp/csr/activities/santa/
■NPO法人ブリッジフォースマイルについて
ブリッジフォースマイルは、2004年の設立以来、児童養護施設から社会に「巣立つ」子供たちが、未来への夢と希望を持って笑顔で生きられるように支援する活動を行っています。社会に出るために必要な知識とスキルを学ぶためのセミナー、就労体験プログラム、進学を希望する子供向けの奨学金プログラム、施設退所者向けにネットワーキングの場を提供する活動などを行っています。詳細はウェブサイトhttp://www.b4s.jp/ をご覧下さい。