2021年3月12日
  • 楽天株式会社

第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分に関するお知らせ

 

 当社は、2021年3月12日開催の取締役会において、下記のとおり、第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分(以下「本第三者割当」)を行うことについて決議しましたので、お知らせいたします。

 

1.募集要領

(1)

払込期間

2021年3月29日から2021年4月30日まで

(2)

発行新株式数及び処分自己株式数(募集株式の数)

下記①及び②の合計による普通株式  211,656,500株
①   発行新株式数    普通株式   139,737,600株
②   処分自己株式数   普通株式    71,918,900株

(3)

募集価額

1株につき1,145円とする。

(4)

調達資金の額

242,346,692,500円

(5)

募集又は処分方法(処分予定先)

第三者割当の方法により、日本郵政株式会社に131,004,000株、Image Frame Investment (HK) Limitedに57,382,900株、Walmart Inc.に14,536,000株、有限会社三木谷興産に4,366,800株、有限会社スピリットに4,366,800株、それぞれ割り当てる。

(6)

その他

上記各号については、金融商品取引法に基づく届出の効力発生を条件とする。

(注) 本第三者割当に関する払込みについては、2021年3月29日を予定しております。


2.募集の目的及び理由

 当社グループはこれまで、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」を経営の基本理念に掲げ、国内外において、Eコマース、トラベル、デジタルコンテンツなどのインターネットサービス、クレジットカードをはじめ、銀行、証券、電子マネー、スマホアプリ決済といったフィンテック(金融)サービス、携帯キャリア事業などのモバイルサービス、さらにプロスポーツといった多岐にわたる分野で70以上のサービスの展開を通じて、テクノロジーを活用したユーザーや地域社会への貢献に取り組んできました。これらサービスを、楽天会員を中心としたメンバーシップを軸に有機的に結び付けることで、他にはない独自の「楽天エコシステム(経済圏)」を形成しています。国内外の会員が複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果の創出、グループ収益の最大化を目指しています。

 

 昨今、「新しい生活様式」のもと、Eコマースは生活基盤としてますます重要な役割を担っています。スーパーマーケットをはじめとする小売りの実店舗を運営する事業者においても、オンラインでのサービス提供はもとより、オンラインとオフライン(実店舗)の垣根を越えた、ユーザーにとってより利便性の高いサービスの実現が求められ、消費やマーケティングのあり方が大きく変化する流通革命が起きています。加えて、国内Eコマース市場拡大による物流量の増大による不在再配達の増加や人手不足への対応と同時に、荷物の出し手と受け取り手の要望はより一層多様化し、安定した物流サービスの持続的な提供が課題となっています。そのような社会問題へ対応しながら当社Eコマース事業のさらなる強化に向けて、当社は日本郵便株式会社(本店所在地:東京都千代田区大手町二丁目3番1号、代表者:代表取締役社長衣川和秀、以下「日本郵便」といいます。)、Walmart Inc. (本社:米国アーカンソー州、代表者C. Douglas McMillon 以下「Walmart」といいます。)をはじめとした戦略的パートナーとの協業・提携を積極的に進めています。

 

 2017年4月、当社と日本郵政株式会社(本店所在地:東京都千代田区大手町二丁目3番1号、代表者:取締役兼代表執行役社長増田寬也 以下「日本郵政」といいます。)の連結子会社である日本郵便は、Eコマース物流における不在再配達削減に向けた配送・受取の効率化等に関する連携強化を発表し、2018年1月、「楽天市場」で購入した商品を全国の郵便局や日本郵便の宅配ロッカー「はこぽす」で受け取ることのできるサービスの提供を開始しています。更なる連携強化を企図し、2020年12月、当社と日本郵政の連結子会社である日本郵便は、健全で持続可能な物流環境の実現を目的とする戦略的提携に向け、基本合意書を締結しました。日本郵便が培ってきた全国の物流網や膨大な荷量とそのデータ、楽天が有する「楽天市場」での需要予測や物流領域における受注データの運用ノウハウなど、両社のデータを共有化するとともに、お互いの資産と知見を最大限に活用します。これにより、荷物の出し手である企業、受け取り手である消費者、そして物流従事者など、すべてのステークホルダーにとって満足度の高い、新たな物流プラットフォームの構築を推進します。


 当社と日本郵便はこれまでも、当社が運営する物流センター「RFC(Rakuten Fulfillment Center)」からの配送に加え、不在再配達削減に向けた取組や「楽天市場」出店店舗への特別運賃提供など様々な協業を行ってきました。両社は今後もこの戦略的提携を通じて連携を強化し、新たな物流DXプラットフォームの構築を図っていくとともに、他のEコマース事業者や物流事業者にも同プラットフォームへの参加を促進することで、国内の物流環境の健全化及び持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。

 

 かかる状況において、全国の物流網や膨大な荷量とそのデータを有する日本郵政グループ(日本郵政及びその関係会社をいいます。以下同様です。)との協業を通じたサービスの充実を目指すとともに、物流分野に限らず、フィンテック、モバイルユーザー向けのマーケティングや基地局設置等及びその他領域における提携の検討を進めるため、日本郵政グループとの関係強化を図ることは、当社グループの競争力と機動力の向上につながるものと判断し、2021年3月12日付で当社、日本郵政及びその子会社である日本郵便株式会社の間で本業務提携合意を締結するとともに、当社が日本郵政に対して本第三者割当を行うことに合意いたしました。

 

日本郵政株式会社 取締役兼代表執行役社長 増田寬也氏からのコメントです。
「全国の郵便局や強固な物流網というリアルネットワークを強みとしている当社グループにとって、先進的なデジタル技術と豊富なノウハウを活かし、さまざまな事業領域においてインターネット関連サービスを提供されている楽天グループ様は最高のパートナーです。両社グループの関係をより強固なものとし、今後、物流にとどまらずモバイル、DX等を含む幅広い領域においてさまざまな協業を強力に進める原動力になると大いに期待しています。」

 

 また、割当予定先であるImage Frame Investment (HK) Limited(本社:香港、代表者Ma, Huateng 以下「Image Frame Investment」といいます。)の親会社であるTencent Holdings Limited(本社:中国深圳市、代表者 Ma, Huateng)(以下「テンセント」といいます。)と当社はこれまでも長年インターネット業界の動向について意見交換してきたところ、2021年に入り、両者の間でテンセントグループ(テンセント及びその関係会社をいいます。以下同様です。)が当社株式を引受ける方向で議論が開始されました。テンセントグループは、コミュニケーション、ソーシャル、ゲーム、デジタルコンテンツ、広告、フィンテック及びクラウドサービスを提供している世界的なインターネット企業であり、Weixin及びQQといった、中国にてインターネット業界をリードするコミュニケーション及びソーシャルプラットフォームを運営しています。インターネット及びテクノロジー業界におけるグローバル化が加速する中、先進的なテクノロジーを有するテンセントグループとの協業を通じたサービスの充実を目指し、テンセントグループとの関係強化を図ることは、当社グループの競争力と機動力の向上につながるものと判断し、当社がテンセントグループに対して本第三者割当を行うことに合意いたしました。今後、協業していく分野として、デジタルエンターテインメント、Eコマースなどを検討しております。なお、テンセントによれば、通常テンセントは同社の投資持株会社を介して他社に投資をしています。そして、Image Frame Investmentは、テンセントがその持分の100%を保有する投資持株会社であることから、同社が当社株式を保有することが適切であると考えたとのことです。

 

Tencent Holdings Limited Executive Director and President, Martin Lau氏からのコメントです。
「楽天は、これまでメンバーシップとロイヤリティプログラムを通じて活気に満ちたエコシステムを構築し、Eコマース、FinTech及びデジタルコンテンツと比類のない強みを発揮しています。我々は楽天のユーザーに向けたイノベーションとエンパワーメントを通じた価値創造への想いを共有しています。そして、グローバルイノベーションリーダーへの進化に向けて投資を通じてサポートできることを嬉しく思います。我々は、デジタルエンターテインメント、Eコマースなどの事業を通じて戦略的提携を追求し、ユーザーへの価値創造とインターネットのエコシステムを共に創るためのパートナーシップを築くことを楽しみにしています。」


 2018年1月、当社とWalmartは両社の強みを活かしたユーザーへのリーチ拡大及びサービス向上を目的に、日本と米国における戦略的提携を発表しています。2018年10月以降、当社とWalmartグループ(Walmart及びその関係会社をいいます。以下同様です。)のみが保有する西友の合弁会社を通じてネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を協働運営し、豊富な品揃え、お客様のニーズに応える十分な配送キャパシティ、楽天IDとの連携の強みを活かして順調に成長させているほか、米国においても電子書籍サービス「楽天Kobo」の展開において協業しています。加えて、当社グループが保有する国内1億以上の楽天会員数やテクノロジーを活用して、西友を含む日本の小売業のさらなるデジタル・トランスフォーメーション(DX)推進を支援するため、2021年3月、KKRグループ(KKR & Co. Inc.及びその関係会社をいいます。以下同様です。)は西友の持分65%を取得し、当社グループは小売業のDX推進を目的に新たに設立した楽天DXソリューション合同会社を通じて西友の持分20%の株式取得をWalmartから行いました。引き続きWalmartグループは西友の持分15%を保有致します(※)。当社グループ、Walmartグループ及びKKRグループがそれぞれの強みを投入することで、Online Merges with Offline(OMO)施策やデータマーケティングなどにおけるさまざまなノウハウを活かし、全国の食品や日用品等の小売り事業者におけるDXの推進を支援することで、実店舗の新たな形態の実現を目指しています。

※ なお、正確には、西友の持分を間接的に100%保有する親会社の株式をKKRグループ、当社グループ及びWalmartグループが保有しております。

 

 かかる状況において、今後さらに資本効率をあげつつ、楽天エコシステムの国内及びグローバルにおける自律的成長を加速化させるべく、Walmartによる投資が当社の企業価値、株主価値の向上に資すると判断に至り、当社がWalmartに対して本第三者割当を行うことに合意しました。

 

 2010年以降、当社グループは日本企業として稀な社内公用語英語化も進め、ダイバーシティに富んだ人材が集まり、グローバルにおけるイノベーションが加速しています。現在、当社グループはグローバルで15億人以上の会員基盤、19兆円の年間流通総額を有しています。世界的に人気のスポーツチームとのパートナーシップを通じてグローバルブランドとしての認知度の向上にも取り組み、ブランド統合を通じて、「Rakuten」ブランドの世界への発信を強化しています。「グローバル イノベーション カンパニー」であり続けることをビジョンとし、私たちは世界中の人々が夢を持って幸せに生きられる社会を創るために知力と創造力と想いを結集し、何事をも成し遂げていく企業文化のもと常識をくつがえすイノベーションを生み出し続けることを目指します。

 

President and CEO of Walmart International, Judith McKenna氏からのコメントです。
「急速に変化するグローバルリテール業界の中で、ウォルマートは将来の成長から利益を得ることができるように、世界中で戦略的な株式投資を行っています。 私たちは長い間楽天と共に歩んできました。グローバル規模でのEコマースエコシステムを展開していくという楽天の挑戦は、多くの点で私たち自身の挑戦と重なるものだと考えます。」

 

 また、下記のとおり、当社グループが今後も持続的に成長するためには、強固な財務基盤の構築が必要不可欠であるとの認識が、本第三者割当の背景となっておりますが、そうした中、本第三者割当を検討する過程で、当社代表取締役会長兼社長である三木谷浩史氏(以下「三木谷氏」といいます。)より、自らとしてもかかる強固な財務基盤構築の一翼を担うべきとの決意の下、従前からの自らによる当社株式の保有に加え、さらにその関係者が当社株式を取得することによって、中長期的な当社の成長及び株主価値向上の実現に向けたコミットメントをこれまで以上に確固たるものとしたいとの申し出を受けました。当社としても同氏の当社の財務基盤強化への決意、及びこれに基づくその関係者への新株式の割当は、当社の中長期的な成長及び株主価値の向上に資するものと判断したものです。なお、割当予定先である有限会社三木谷興産(以下「三木谷興産」といいます。)及び有限会社スピリット(以下「スピリット」といいます。)は三木谷氏の親族の資産管理会社であります。

 

楽天株式会社会長兼社長三木谷浩史からのコメントです。
「楽天へのこれらの新しい投資は、モバイルサービスを中核とする楽天エコシステムの拡大と影響力へ向けた高い期待と、世界を牽引する3つの経済大国のリーディングカンパニーとの更なる提携への大きな可能性の両方を示しています。
日本郵政グループとの物流領域・モバイル・フィンテックにおける提携に加え、テンセントとの新たな提携については、オンラインゲームを含むデジタルエンターテインメントからECまで幅広い分野における提携の可能性を検討していきます。また、私たちはWalmartがリテールの将来に向けた投資を進める中で、今回の投資というコミットメントに繋がったことを嬉しく思います。
個人的にも、私の家族の株式保有率を増加させることで、楽天の将来の成長に向けたビジョンや世界中のステークホルダーの皆さまをエンパワーメントすることを楽しみにしています。」

 

 なお、変化の激しいインターネット業界の中で、当社グループが今後も持続的に成長するためには、強固な財務基盤が必要と考えております。本第三者割当に当たっては、企業価値向上に資する資金調達の方法として銀行借入や社債といった負債による調達など多面的に検討いたしましたが、当社の財務状況等に鑑み、本第三者割当による資金調達が適切であること、割当予定先との関係強化を進めることが可能であること、また、本第三者割当による資金をより有効に活用できることに加え、金庫株として保有している自己株式を有効活用するという観点から、公募増資や株主割当の手法ではなく、本第三者割当による自己株式の処分と新株式発行による第三者割当増資の組み合わせが最適であると判断いたしました。

 

3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期

(1)調達する資金の額

払込金額の総額

242,346,692,500円

発行諸費用の概算額

500,000,000円

差引手取概算額

241,846,692,500円

(注)    1.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。

          2.発行諸費用の概算額の内訳は、[アドバイザリー費用及び有価証券届出書作成費用等]です。

 

(2)調達する資金の具体的な使途

 「2.募集の目的及び理由」に記載のとおり、当社グループは、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」を経営の基本理念とし、持続的な成長に向け、当社グループが提供する多種多様なサービスで構成されている経済圏である楽天エコシステム(経済圏)の拡大・強化を進めています。
 近年、スマートフォンをはじめとするモバイル端末の普及に伴う、ビジネスや人々の消費行動変化(モバイルシフト)が急速に進む中、当社グループが展開するオンラインショッピング、オンライン金融、オンライン決済等の様々なサービスについても、モバイル端末を経由した取引が中心となってきています。Eコマース、フィンテック(金融サービス)を中心に拡大してきた楽天エコシステムにおいて、各事業間のシナジーをさらに最大化させる上では、モバイルサービスは一層重要な役割を担うと当社グループは考えています。具体的には、モバイルサービスで獲得した新規ユーザーが、Eコマース、フィンテックサービス等をご使用いただくことや、従来Eコマースやフィンテックサービスをご使用いただいていたユーザーが新規にモバイルサービスに新規ご加入いただくなど、グループサービスの利用で共有・共通される「楽天ID」やロイヤリティプログラムである「楽天ポイント」をフックとして、ユーザーの楽天エコシステム内への流入拡大やサービスの複数利用、つまり、回遊的・継続的なサービス利用を促進することで、グループにおけるシナジーの拡大を見込みます。

 

 このような背景の下、楽天グループサービスをご利用頂いているユーザー一人当たりの生涯価値を示す指標であるライフタイムバリュー(メンバーシップバリュー)を一層高め、社会全体に便益をもたらす「グローバル イノベーション カンパニー」へと邁進するため、本第三者割当により調達した資金は、その全額を2021年12月末までに当社連結子会社である楽天モバイル株式会社への投融資資金に充当する予定であります。楽天モバイル株式会社は、総務大臣より、2018年4月に「第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局開設計画」、2019年4月に「第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局開設計画」についてそれぞれ認定を受け、当該計画に則った基地局整備等を着実に推進しております。同社は、上記当社から投融資された資金を、2021年12月までに、第4世代移動通信システム(4G)の普及のための特定基地局の整備及び第5世代移動通信システム(5G)の拡大のための特定基地局の整備に係る設備投資に使用予定です。詳細は以下の通りです。

会社名

所在地

セグメントの名称

手取金の使途

投資予定額(億円)

設備投資の
実施予定時期

楽天モバイル株式会社

東京都世田谷区

モバイル

第4世代移動通信システム(4G)に係る基地局設備

1,840

2021年4月~2021年12月

第5世代移動通信システム(5G)に係る基地局設備

310

2021年4月~2021年12月

4G及び5Gに共通の設備

250

2021年4月~2021年12月

(注) 4G及び5Gに共通の設備は、データセンターにおけるサーバー等です。

   

4.資金使途の合理性に関する考え方

 本第三者割当により調達する資金については、上記「3.調達する資金の額、使途及び支出予定時期(2)」に記載の使途に充当することは、当社の企業価値の向上に寄与するものと考えており、上記資金使途は当社にとって合理性があるものと判断しております。

 

5.募集条件等の合理性

(1)払込金額の算定根拠及びその具体的内容

 本第三者割当における払込金額及び処分金額については、割当予定先との協議及び交渉を重ねた結果、本第三者割当増資に係る取締役会決議日(以下「本取締役会決議日」といいます。)の直前営業日までの1ヶ月間(2021年2月12日から2021年3月11日まで)の東京証券取引所における当社普通株式の終値単純平均である1,145(円未満四捨五入。本項において以下同じです。)円といたしました。

 

 かかる払込金額及び処分金額は、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」にも準拠しており、本第三者割当に係る取締役会決議日(以下「本取締役会決議日」といいます。)の直前営業日である2021年3月11日の東京証券取引所における当社普通株式の終値である1,146円に対して0.1%(小数点以下第二位を四捨五入。本項において以下同じです。)のディスカウント、直前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,056円に対して8.4%のプレミアム、直前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,090円に対して5.0%のプレミアムとなっており、いずれの期間においても、割当予定先にとって、特に有利なものではないと判断いたしました。

 

 また、2021年3月12日付の本第三者割当増資に係る取締役会決議に際して、当社監査役全員から、当該払込金額及び処分金額は、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」に準拠したものであり、割当予定先に特に有利な金額には該当しない旨の意見を得ております。
 なお、三木谷氏の親族の資産管理会社である三木谷興産及びスピリットへの本第三者割当については、利益相反の疑いを回避する観点から上記取締役会の審議及び決議に三木谷氏は参加しておりません。

 

(2)発行数量及び処分数量並びに株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠

 本第三者割当により、割当予定先に対して割当てる株式数は211,656,500株(議決権個数2,116,565個)であり、これは、2020年12月31日現在の当社株式の発行済株式総数1,434,573,900株に対して14.8%(2020年12月31日現在の総議決権数13,622,991個に対する割合15.5%)に相当し、一定の希薄化が生じます。しかしながら、本第三者割当は当社の持続的成長に向けた日本郵政グループ、テンセントグループ及びWalmartグループとの関係強化及び中長期的な当社の成長及び株主価値向上の実現に向けた三木谷氏のコミットメントの更なる強化のために行うものです。さらに、あらゆるサービスについてモバイル経由が中心となる環境下における各事業のシナジーを最大限に追求することが、楽天エコシステムの拡大に繋がり、モバイルはそのメンバーシップバリューを高める上で重要な役割を担っていることから、当社の企業価値の向上に資するものであり、最終的に既存株主の利益向上に繋がるものと考えており、本第三者割当による発行数量及び処分数量並びに株式の希薄化の規模は合理的であると判断いたしました。

6.割当予定先の選定理由等

 (1)割当予定先の概要

 日本郵政は東京証券取引所市場第一部に上場しており、日本郵政が東京証券取引所に提出した2020年9月3日付「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の内部統制システム等に関する事項において、反社会的勢力の排除を宣言する等排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況を東京証券取引所のホームページにて確認しております。以上から、当社は、日本郵政、その役員及び主要株主が反社会的勢力とは一切関係していないと判断しており、その旨の確認書を東京証券取引所に提出しております。

 当社は、Image Frame Investmentとの間で締結した2021年3月12日付で割当予定先と締結した株式引受契約(以下「本株式引受契約」といいます。)において、反社会的勢力ではなく、または反社会的勢力と何らかの関係ない旨の表明保証を受けております。また、当社においても独立した調査機関(株式会社JPリサーチ&コンサルティング 東京都港区虎ノ門3丁目7番12号)に調査を依頼し、その結果、同社からは、反社会的勢力等の関与事実がない旨の報告書を受領しております。以上から、当社は、Image Frame Investment、テンセント、それらの役員及び主要株主が反社会的勢力とは一切関係していないと判断しており、その旨の確認書を東京証券取引所に提出しております。

 Walmartはニューヨーク証券取引所の上場企業であり、Walmartとの間で締結した本株式引受契約において、反社会的勢力ではなく、または反社会的勢力と何らかの関係ない旨の表明保証を受けております。以上から、当社は、Walmart、その役員及び主要株主が反社会的勢力とは一切関係していないと判断しており、その旨の確認書を東京証券取引所に提出しております。

  三木谷興産への割当株数 4,366,800株

(2020年9月30日現在)

(1)

名称

有限会社三木谷興産

(2)

所在地

東京都港区赤坂一丁目14番5号アークヒルズ・エグゼクティブタワーN211

(3)

代表者の役職・氏名

取締役 三木谷浩史

(4)

事業内容

有価証券の保有、運用及び投資

(5)

資本金

300万円

(6)

設立年月日

開示の同意を得られていないため、記載しておりません。

(7)

発行済株式数

開示の同意を得られていないため、記載しておりません。

(8)

決算期

開示の同意を得られていないため、記載しておりません。

(9)

従業員数

開示の同意を得られていないため、記載しておりません。

(10)

大株主及び持株比率

三木谷浩輔(100%)

(11)

当事会社間の関係

 

 

資本関係

該当事項はありません。

 

人的関係

当社代表取締役が取締役に就任しております。

 

取引関係

該当事項はありません。

 

関連当事者への
該当状況

該当事項はありません。

 

  スピリットへの割当株数 4,366,800株

(2020年9月30日現在)

(1)

名称

有限会社スピリット

(2)

所在地

東京都港区赤坂一丁目14番5号アークヒルズ・エグゼクティブタワーN211

(3)

代表者の役職・氏名

取締役 毛利寛

(4)

事業内容

有価証券の保有、運用及び投資

(5)

資本金

2,000万円

(6)

設立年月日

開示の同意を得られていないため、記載しておりません。

(7)

発行済株式数

開示の同意を得られていないため、記載しておりません。

(8)

決算期

開示の同意を得られていないため、記載しておりません。

(9)

従業員数

開示の同意を得られていないため、記載しておりません。

(10)

大株主及び持株比率

三木谷莉奈(100%)

(11)

当事会社間の関係

 

 

資本関係

該当事項はありません。

 

人的関係

該当事項はありません。

 

取引関係

該当事項はありません。

 

関連当事者への
該当状況

該当事項はありません。

 

 当社は、三木谷興産及びスピリットとの間で締結した本株式引受契約において、反社会的勢力ではなく、または反社会的勢力と何らかの関係ない旨の表明保証を受けております。また、当社においても独立した調査機関(株式会社JPリサーチ&コンサルティング 東京都港区虎ノ門3丁目7番12号)に調査を依頼し、その結果、同社からは、反社会的勢力等の関与事実がない旨の報告書を受領しております。以上から、当社は、三木谷興産、スピリット、それらの役員及び主要出資者が反社会的勢力とは一切関係していないと判断しており、その旨の確認書を東京証券取引所に提出しております。

 

(2)割当予定先を選定した理由

 上記「2.募集及び処分の目的及び理由」をご参照ください。

 

(3)割当予定先の保有方針

 本第三者割当によって割当予定先である日本郵政、Image Frame Investment及びWalmartが取得する株式については、長期的に保有する方針であるとの説明を受けており、また、本株式引受契約において、本株式の払込期日から6ヶ月以内にその保有する当社の株式を第三者に譲渡しようとする場合には、当社の書面による事前の同意を取得することについて合意しております。
 また、本第三者割当によって割当予定先である三木谷興産及びスピリットが取得する株式については、長期的に保有する方針であるとの説明を受けております。
 なお、当社は、割当予定先から、払込期日から2年以内に本第三者割当により取得する当社普通株式の全部または一部を譲渡した場合には、その内容を書面にて当社に報告すること、当社が当該報告内容を株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)に報告すること、及び、当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を取得する予定です。

 

(4)割当予定先の払込みに要する財産の存在について確認した内容

日本郵政
 当社は、日本郵政との間で締結した本株式引受契約において、日本郵政による払込みのために必要かつ十分な資金を有する旨の表明保証を受けております。また、日本郵政が2021年2月12日付で関東財務局に提出した第3四半期報告書に記載されている四半期連結財務諸表により、日本郵政において、本第三者割当の払込みに必要となる資金に相当する額以上の現預金を保有していることを確認しております。

 

Image Frame Investment
 当社は、Image Frame Investmentとの間で締結した本株式引受契約において、Image Frame Investmentによる払込みのために必要かつ十分な資金を有する旨の表明保証を受けております。また、Image Frame Investmentの親会社であるテンセントから、本第三者割当に係る払込みに際し、テンセントがImage Frame Investmentに対し払込金額相当額の資金提供を行うことを内容とする確約書を受領しております。なお、テンセントの直近(2020年12月期)の第3四半期の決算書を確認した結果、テンセントにおいて、本第三者割当の払込みに必要となる資金に相当する額以上の現預金を保有していることを確認しております。

 

Walmart
 当社は、Walmartとの間で締結した本株式引受契約において、Walmartによる払込みのために必要かつ十分な資金を有する旨の表明保証を受けております。また、Walmartの2020年2月1日から2020年10月31日までの決算書(2020年11月17日提出)における財務諸表により、Walmartにおいて、本第三者割当の払込みに必要となる資金に相当する額以上の現預金を保有していることを確認しております。

 

三木谷興産及びスピリット
 当社は、三木谷興産及びスピリットとの間で締結した本株式引受契約において、三木谷興産及びスピリットによる払込みのために必要かつ十分な資金を有する旨の表明保証をそれぞれ受けるとともに、三木谷興産及びスピリットの各預金残高証明書により、本第三者割当に係る払込みのために必要な資金をそれぞれ保有していることを確認しており、また、当該資金が払込期日まで確保されることを口頭で確認しております。

 

  1. 募集後の大株主及び持株比率

募集前(2020年12月31日現在)

募集後

合同会社クリムゾングループ

16.62%

合同会社クリムゾングループ

14.38%

三木谷 浩史

12.94%

三木谷 浩史

11.20%

三木谷 晴子

9.73%

三木谷 晴子

8.43%

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

6.00%

日本郵政株式会社

8.32%

株式会社日本カストディ銀行
(信託口)

3.48%

日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口)

5.20%

NORTHERN TRUST CO.(AVFC) SUB A/C NON TREATY(常任代理人 香港上海銀行東京支店カストディ業務部)

2.12%

Image Frame Investment (HK) Limited

3.65%

株式会社日本カストディ銀行
(信託口7)

1.51%

株式会社日本カストディ銀行
(信託口)

3.01%

THE BANK OF NEW YORK MELON 140051(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

1.40%

NORTHERN TRUST CO.(AVFC) SUB A/C NON TREATY(常任代理人 香港上海銀行東京支店カストディ業務部)

1.84%

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社

1.17%

株式会社日本カストディ銀行(信託口7)

1.31%

STATE STREET BANK WEST CLIENT – TREATY 505234(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

1.09%

THE BANK OF NEW YORK MELON 140051(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

1.21%

 

(注)   

1.募集前の持分比率は、2020年12月31日現在の株主名簿を基準として記載しております。

2.持分比率は、発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する比率を記載しております。また

  少数点以下第三位を四捨五入して算出しております。

3.割当後の大株主及び持ち株比率につきましては、割当前の大株主及び持株比率に、本自己株式

  処分による株式数を加えて算出したものです。


8.今後の見通し

 本第三者割当は、中長期的な企業価値の向上に資するものと見込まれますが、当社の連結業績に与える影響は軽微であると考えています。

 

9.企業行動規範上の手続きに関する事項

  本件第三者割当は、①希薄化率が25%未満であること、②支配株主の異動を伴うものではないことから、東京証券取引所の定める上場規程第432条に定める独立第三者からの意見入手及び株主の意思確認手続きは要しません。

 

10.最近3年間の業績及びエクイティ・ファイナンスの状況

(1)最近3年間の業績(連結)

 

2018年12期

2019年12期

2020年12期

連結売上高

1,101,480百万円

1,263,932百万円

1,455,538百万円

連結営業利益

170,425百万円

72,745百万円

△93,849百万円

連結税引前利益

165,423百万円

△44,558百万円

△151,016百万円

親会社株主に帰属する
当期純利益

142,282百万円

△31,888百万円

△114,199百万円

1株当たり連結当期純利益

105.43円

△23.55円

△84.00円

1株当たり配当金

4.50円

4.50円

4.50円

1株当たり連結純資産

572.83円

542.43円

446.78円

 

(2)現時点における発行済株式数及び潜在株式数の状況(2020年12月31日現在)

 

株 式 数

発行済株式数に対する比率

発行済株式数

1,434,573,900株

100%

現時点の転換価額(行使価額)における潜在株式数

下限値の転換価額(行使価額)における潜在株式数

上限値の転換価額(行使価額)における潜在株式数

 

(3)最近の株価の状況

① 最近3年間の状況

 

2018年12月期

2019年12月期

2020年12月期

始  値

1,044円

713円

928円

高  値

1,045円

1,313円

1,259円

安  値

700円

710円

636円

終  値

736円

935円

994円

 

② 最近6ヶ月間の状況

 

2020年
10月


11月


12月

2021年
1月


2月

 

3月

始  値

1,176円

1,005円

1,148円

995円

1,028 円

1,200円

高  値

1,259円

1,201円

1,162円

1,084 円

1,222円

1,203円

安  値

1,012円

1,000円

963円

957円

1,001円

1,105円

終  値

1,015円

1,169円

994円

1,029 円

1,191円

1,146円

(注)1.2021年3月については、2021年3月11日までの状況です。

 

③ 発行決議日前営業日における株価

 

2021年3月11日

始  値

1,121円

高  値

1,148円

安  値

1,119円

終  値

1,146円


(4)最近3年間のエクイティ・ファイナンスの状況

該当事項はありません。

 

11.募集要項

(1)

払込期間

2021年3月29日から2021年4月30日まで

(2)

発行新株式数及び処分自己株式数(募集株式の数)

下記①及び②の合計による普通株式  211,656,500株
①   発行新株式数    普通株式  139,737,600株
②   処分自己株式数   普通株式   71,918,900株

(3)

募集価額

1株につき1,145円とする。

(4)

調達資金の額

242,346,692,500円

(5)

募集又は処分方法(処分予定先)

第三者割当の方法により、日本郵政株式会社に131,004,000株、Image Frame Investment (HK) Limitedに57,382,900株、Walmart Inc.に14,536,000株、有限会社三木谷興産に4,366,800株、有限会社スピリットに4,366,800株、それぞれ割り当てる。

(6)

その他

上記各号については、金融商品取引法に基づく届出の効力発生を条件とする。

(注) 本第三者割当に関する払込みについては、2021年3月29日を予定しております。

以 上

※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

  • カテゴリ
  • カテゴリ