楽天株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、以下「楽天」)は、米国の省エネ関連企業ThinkEco, Inc.(本社:ニューヨーク州、CEO & Founder:Jun Shimada、以下「ThinkEco」)とニューヨーク市で今夏展開予定の節電プログラム「CoolNYC」について協業することで合意しました。
「CoolNYC」は、米国の電力会社Consolidated Edison, Inc.(本社:ニューヨーク州)とニューヨーク市が2011年より取り組んでいる節電プログラムで、今年で4回目の実施となります。今回の協業は、国内企業が海外の電力会社と提携し、家庭向けデマンドレスポンスサービスを展開する初めての機会となります(注1)。楽天エナジーが今春実施したスマートフォンを活用したデマンドレスポンスが評価され、合意に至りました。
Consolidated Edison, Inc.が主導する「CoolNYC」は、家庭向けデマンドレスポンスプログラムであり、エアコン制御端末の遠隔操作により、エアコンの設定温度を下げ需要ひっ迫時の電力需要の削減を間接的に定量化するもので、必ずしもスマートメーターの設置を前提としない合理的な手法です。一方楽天は、国内で新電力会社やマンション一括受電会社と共同で、O2Oアプリ「スマポ」および「楽天チェック」を使った外出による節電の取り組みを推進しており、スマートメーター設置を条件としないデマンドレスポンスにおけるパートナー企業を模索しておりました。
この「CoolNYC」を2011年より実施しているConsolidated Edison, Inc.およびThinkEcoの柔軟なスキーム構築による実績と、楽天の持つポイントプログラムを使ったエンドユーザーの関心を高めるプロモーション企画、O2Oやメッセージングなどのスマートフォンアプリに代表される技術を融合させることで、スマートメーターの設置を必ずしも前提としない合理的な家庭向けデマンドレスポンスの実施が十分可能と考えます。オンラインマーケティング子会社で米国に拠点を持つRakuten LinkShareと共同で、家庭用デマンドレスポンスに関連したオンラインマーケティング活動を今後実施する予定です。
今回の協業を経て、近年利用者が急速に増加しているスマートフォンアプリやSNSを含めた楽天グループのサービスプラットフォームを活用することで、同プログラムの実効性をさらに高めていく予定です。楽天エナジーは海外のベストプラクティスを日本にいち早く取り込み、新たなサービスへと発展させていくとともに、将来的には欧米主要国の中心大都市などへの実施エリア拡大や、エネルギーサービスプラットフォームの整備・拡充によるネガワット量の拡大なども視野にいれ、楽天グループが進めるグローバル化ならびに海外事業展開を推進してまいります。
■ ThinkEco, Inc.概要
会社名: Thinkeco, Inc.
設立: 2008年
事業内容: 家庭の省電力化促進ソリューションの提供、電力監視・制御機器の開発・販売
所在地: 米国ニューヨーク州
代表者: CEO & Founder Jun Shimada
URL: http://www.thinkecoinc.com
■ CoolNYCについて
2010年からNY州の電力会社であるConEdison社がThinkEcoとパートナーとなって推進している住宅向け節電キャンペーン。 NY市では、夏季の電力需要の2割がNY市に600万台以上あるといわれているwindow ACという窓枠設置型エアコンによって消費されている。ThinkEco社は系統負荷を低減するためにNY市の対象顧客に対して同社のエアコン制御端末「SmartAC」を無料で授与し、エアコンの設定温度を遠隔操作で下げることで需要逼迫時の電力需要の削減を図る。「SmartAC」は屋外からもエアコンの電源操作などができることからcoolNYCに参加する顧客は電力需要逼迫時以外の通常時の電力利用もコントロールすることで電気代を下げることができる。昨年のCoolNYCでは、一日の実施で最大27%の電力利用の低減を実現した(同社発表内容による)
URL: http://www.coolnycprogram.com
注1: 現時点で公表された案件のみを対象とする当社の調査による
以上