■最優秀作品(1首)
1位:就活で 父の偉大さ 思い知る (ぽわさん)
■優秀作品(2首)
2位:ねぇなんで!? 連絡するって 言ったじゃない!? (あきあかさん)
3位:「私服も可」 信じた結果 みなスーツ (ていらさん)
■佳作(7首):
4位:みんしゅうを 開いては閉じ また開く 焦る心を 押さえきれずに (きゃらめるさん)
5位:ゆとり世代 誰が言ったか 知らないが ゆとりをくれよと 願う僕 (A.Kさん)
6位:自己分析 やればやるほど 自己嫌悪 (森さん)
7位:面接官 頑張ってねと 微笑んだ 通過したのか 別れの言葉か (かなちゅんさん)
8位:飲み会の 電話予約で 大学を 名乗ってしまう 就活の癖 (バスケしたいさん)
9位:非通知が ついに鳴ったよ 悲痛散る (NNさん)
10位:大声で 失礼します! と叫んだら まわりが笑う まだ控え室 (笑い飯さん)
◆ 学生もスマホを持つ時代。スマホを駆使する就活生の姿
学生もスマホを持つのが当たり前になりつつある昨今、スマホにまつわる句も多く見られました。面接企業への道のりを示す地図機能を使った一句「道迷い Googleマップに 八つ当たり」や、充電の減りが早いことを嘆く一句「減るものは 持ち駒よりも バッテリー 瀕死間際の 身体とスマホ」、また友達の内定をSNSで知る「内定を Facebookで つぶやく奴 うらやむ私は 無い内定」など、スマホの特徴を捉えた句が詠まれていました。
◆ “サイレント”“お祈りメール”など皮肉めいた共通語が語る就活生の胸のうち。
就活生の中では浸透している、皮肉めいた共通語が今年も多数詠まれました。エントリーした企業から選考結果の連絡が来ない“サイレント”「サイレント 待ってる間 妄想し 経った時間は ひと月以上」や、不合格通知の常套句「末筆ながら今後のご精進とご発展をお祈り申し上げます」などを指す“お祈りメール”「内定を 祈り祈られ 心折れ 内定を頂けますように! と神に祈り」また、その二つを掛け合わせた句「期待する 連絡こないよ サイレント 祈られたなら 諦めつくのに」なども多く見られました。多くの“サイレント”にまつわる句が詠まれているということは、企業の中でも、サイトレント対応をしているところが増えてきているのかもしれません。
◆ ゆとり世代を嘆き、それをバネにする句も。就活では、ゆとりなどなかった。
「ゆとりある 教育受けた はずなのに 面接中は ゆとりなどなし」「ゆとり世代 誰が言ったか 知らないが ゆとりをくれよと 願う僕」など、ゆとり世代と言われて今まで育ってきたが、就活では、ゆとりなど通用しない現実を詠むものが多数見られました。また、「私たち ゆとり世代も 負けないぞ!」と、ゆとり世代だからといって、仕事ができないと思われたくない、内定を取ってからが勝負、という強い気持ちを表現するものもありました。
今年の「就活川柳2013」は、いずれの句も就活で初めて経験する、社会の厳しさが学生ならではのフレッシュな視点で詠まれており、時代を映すひとつの鏡となっていると言えます。