□ | 2008年9月18日 |
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政治への不信感が浮き彫りに - 自民党総裁選に関する調査より - |
楽天リサーチ株式会社(代表取締役社長:森 学、本社:東京都品川区)は、自民党総裁選に関するインターネット調査を実施した。今回の調査は、2008年9月12日から15日にかけて、楽天リサーチ登録モニター(約160万人)のうち、全国の20-70代の男女計1,000人(男女各500人)を対象に実施した。 --------------------------------------------------------------------- □■ 調査結果概要 ■□ --------------------------------------------------------------------- ■福田総理の突然の辞任は「無責任」という評価が圧倒的。 ■福田総理辞任前後で、政治への関心が高まっており、政治へ関心のある人(非常に関心がある/やや関心がある)は11.9ポイント上昇。 ■民主党支持者のうち、77.8%は小沢氏三選を支持。 ■次期内閣総理大臣に求められる資質のトップ3は、「財政政策の能 力」(58.4%)、「外交政策の能力」(55.3%)、「金融政策の能力」(51.3%)であった。 ■自民党総裁として支持する候補者は、「麻生太郎」氏(44.0%)、「石原伸晃」(20.5%)氏、「小池百合子」氏(17.1%)、「与謝野馨」(10.7%)氏、「石破茂」氏(7.7%)の順。 ■今回の総裁候補以外で次期内閣総理大臣にふさわしい人物は、「小泉純一郎」氏、「石原慎太郎」氏、「舛添要一」氏など。 ■最優先で取り組んでもらいたい政策課題は「年金問題」(38.7%)、「財政赤字問題」(29.7%)、「物価問題」(28.9%)、がトップ3。 ■政党支持率については、「支持政党なし」(55.3%)が過半数を占め、相変わらず政党離れが続く。 |
--------------------------------------------------------------------- □■ 調査結果 ■□ --------------------------------------------------------------------- ■福田総理辞任を契機に、政治への関心高まる はじめに、福田総理辞任前後の政治への関心度合いについて聞いた。福田総理辞任前の政治への関心度合いの質問に対して「非常に関心があった」(17.5%)、「やや関心があった」(36.8%)、「どちらともいえない」(15.5%)、「あまり関心がなかった」(21.7%)、「全く関心はなかった」(8.5%)であった。 また、福田総理辞任後の政治への関心度合いについて、「非常に関心がある」(22.3%)、「やや関心がある」(43.9%)、「どちらともいえない」(15.1%)、「あまり関心はない」(12.5%)、「全く関心はない」(5.1%)となった。 辞任前と辞任後を比較すると、「非常に関心がある(あった)」は4.8ポイント、また「やや関心がある(あった)」は7.1ポイントそれぞれ上昇し、ここ最近の政治への関心の高さが伺える。 ■福田総理辞任に関して「無責任」 今回の福田総理辞任に関して自由回答で感想を聞いたところ、「政治家は国民目線に立っていない」、「無責任極まる失態である」など、憤りをもって無責任さを指摘する厳しい声が大多数を占めた一方で、「「他人事」のようだったとは思っていない」など、少数ながら同情的な意見もみられた。度重なる辞任騒動で、政治不信がいっそう強まったと言えよう。 ◇福田総理辞任についての感想(自由回答) ・「やっぱり誰がやっても同じ、政治家は国民目線に立ってないなと感じた」(45歳・女性) ・「突然という感覚はあったものの、もしかしてという気持ちはあった。ただ、方向性が見えないままの辞任はどうかと思う」(32歳・男性) ・「無責任極まる失態である。二世総理が続いている弊害かと思うと、暗澹たる思いがする」(46歳・男性) ・「福田前総理は好感を持っていたので辞任は残念。よく言われている「他人事」のようだったとは思っていないです」(35歳・女性) ・「国民が、自分の成すべきことを成し遂げないで、すべて政府や首相に責任を転嫁する今の風潮には納得できないので、福田総理の辞任には、同情する」(29歳・女性) ・「自民党の継続の為と理解できても、総理にまでなる人ならば、自己の力を掛けてみても良かったのではないかと想う。いつ迄放置しておくのだろう。政治家と高官の為に我々は存在しているのだろうか。簡単な事さえ組織や人の多さで複雑怪奇にしているようだ。政治を変えたければ官僚になれと教授が言っていた。20年以上前である。改築改造で迷路になったこの国の健全な明るい道を見いだす日があるのだろうか。情けない」(61歳・女性) |
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■民主党支持者は小沢氏に期待、「何かやってくれそう」 民主党支持者のうち、小沢代表の三選について聞いたところ、支持は77.8%で不支持の22.2%を55.6ポイント上回った。支持の理由としては、「政権交代を実現してほしいから」(男性・29歳)、「何かやってくれそう」(41歳・女性)、「良くも悪くも政治家らしいから」(33歳・男性)など、熱烈な支持というのではなく、漠然とした期待感を表明した回答者が多かった。 一方、小沢代表を支持しない層にも不支持理由を聞いたところ、「どこがやってもあまり変わらない気がするから」(男性・44歳)など、全般的な政治への不信感を示唆する回答が目立った。 ■現在の難局を乗り切るには、「政策実務能力」が不可欠 自由民主党総裁に必要な資質を聞いたところ、「非常に重視されるべき資質」として、「財政政策の能力」がトップで58.4%であった。次いで、「外交政策の能力」(55.3%)、「金融政策の能力」(51.3%)、「将来性」(42.4%)、「人間的魅力」(41.7%)と続く。「全く重視されなくてもよい」能力として、「学歴」(20.0%)、「選挙区での支持」(12.4%)、「年齢」(12.3%)、「知名度」(12.1%)、「人気度」(10.1%)の順であった。 昨今の内政問題や米国サブプライムローン問題に起因した景気の先行きへの不安が払拭できない状況を反映して、新総裁には経済運営能力が不可欠な要素として求められる。また、外交面ではイラクでの国連平和維持活動や北朝鮮、対中外交など山積した対外問題をうまくハンドリングする能力が求められている。一方、個人的な魅力や将来性など、政策能力以外の点にも有権者は着目している。新総裁は単に知名度、人気や支持が単に高い者ではなく、真に日本を改革する実力が求められる。 ■麻生氏がトップ、次いで石原氏 現在の候補者のうち、「自民党総裁として支持する人」について聞いたところ、「麻生太郎」(44.0%)、次いで「石原伸晃」(20.5%)、「小池百合子」(17.1%)、「与謝野馨」(10.7%)、「石破茂」(7.7%)の順であった。 性年代別の支持率では、トップの麻生氏は変わらないが、女性の20-40代で小池氏への支持が比較的高いのが印象的である。2位の石原氏と3位の小池氏では男性の20代-40代の支持率であまり差がないが、50代以上の支持率では、石原氏が小池氏を少なくとも6ポイント以上上回っている。 ■不人気の石破氏、次いで不支持は小池氏に 次に、現在の候補者のうち、「自民党総裁として支持しない人」について聞いたところ、不支持順に「石破茂」(29.5%)、「小池百合子」(26.3%)の順であった。 性年代別では、全ての層で石破氏の不支持が上位1、2位であるほか、小池氏が男性50代と女性60-70代で全体より10ポイント以上高い不支持率(38.0%)となっている。支持率も不支持率も2-3番手の小池氏の動向が注目される。 |
今回の5候補以外で次期内閣総理大臣にふさわしい人を、自由回答形式で挙げてもらったところ、「小泉純一郎」「石原慎太郎」「舛添要一」などの名前が目立った。その他、「加藤紘一」「町村信孝」「谷垣禎一」「田中真紀子」「野田聖子」などが続いた。 ■次期内閣総理大臣は「年金問題」を最優先課題に 次の内閣総理大臣に最優先で取り組んでもらいたい課題を3つまで挙げてもらったところ、「年金問題」(38.7%)を筆頭に、「財政赤字問題」(29.7%)、「物価問題」(28.9%)、「社会保障問題」(28.0%)、「税制改革」(23.2%)が続いた。 性年代別では、「年金問題」は女性50代、「社会保障問題」「政治改革」は男性60-70代、「税制改革」は男性40代でそれぞれ全体より10ポイント以上高かった。 支持政党別にみると、「社会保障問題」が共産・社民支持層で全体より10ポイント高く、「雇用問題」については社民党支持者が全体より10ポイント上回った。 ■この秋に早くも総選挙か? 次の衆議院議員総選挙の望ましい時期について聞いたところ、「次期内閣総理大臣組閣後」(47.0%)の2008年9月末-10月がトップであった。次いで、「08年度補正予算案成立後」(26.8%)、「衆議院議員任期満了時」(13.3%)、「通常国会終了後」(7.5%)、「通常国会会期中」(5.4%)の順であった。次期内閣には、衆議院の早期解散・総選挙が求められている。 ■「支持政党なし」が過半数を越え 本調査での政党支持率については、「支持政党なし」(55.3%)が過半数を占めた。次いで、「民主党」(19.8%)、「自由民主党」(16.6%)が続いた。また、男性の50代および男性60-79歳の層で「民主党」が全体の10ポイント以上、女性の20代、30代、40代で「支持政党なし」が全体の10ポイント以上上回っており、相変わらず、政党離れが続いている。次期総選挙に向けて動きを活発化させている民主党に対し、今回の総裁選でどこまで自民党が支持を拡大させることができるのか、国民は真に日本を改革する実力のあるリーダーを求めているようだ。 ============================================== グラフ付きの調査結果は以下URLからご覧いただけます。 ⇒https://research.rakuten.co.jp/report/20080918/ ============================================== 【調査概要】 調査エリア :全国 調査対象者 :20代-70代男女 回収サンプル数:1,000サンプル 調査期間 :2008年9月12日-15日 調査実施機関 :楽天リサーチ株式会社 以上 |