2008年6月3日
楽天株式会社

有害情報対策のための議員立法案に対する当社のコメント
 有害情報対策のための議員立法案につき与野党が基本合意し、今国会に法案提出するとの新聞報道がなされていますが、報道内容等を踏まえますと、表現の自由との関係等から依然として憂慮すべき点がございますので、当社のコメントを下記のとおり述べさせていただきます。


1.有害情報から子どもを守ることは重要な問題と認識しており、当社も自主的
 な取組みを進めていくほか、インターネット関連企業や保護者等とも連携しな
 がら教育啓発活動に努めていく所存であり、まず法規制ありきということは適
 切ではないと考えます。

2.報道されている与野党合意の案については、次のとおりの懸念点があり、問
 題が大きいと考えます。

 (1)有害情報の基準策定や判断に対して国の関与はしないとのことでありますが、
  一方で、有害情報の例示は法律で定めることとし、民間機関が有害情報の具体
  的な基準を定めることとなっているとのことです。民間機関での基準策定がどの
  ように行われるのか、当該機関の登録制度により国が実質的に基準策定に影響
  力を及ぼしうるということになるのか等につき不明であり、国による実質的な情報
  統制(検閲)の危険性は払拭されておりません。

 (2)有害情報を法律で例示し、それに基づき、関係者に義務・努力義務を課す
  ことは、表現の自由の侵害のおそれが高く、適切ではありません。情報が有害か
  否かの判断は、人の価値観に依存しているので、有害情報を定義しようとしても
  どこまでいってもあいまいさは解消できません。そのようなものに基づいて、義務
  や閲覧防止措置等の努力義務を法律で一律で課すことは、たとえ努力義務とし
  ても、表現の自由の侵害のおそれが高く、慎重であるべきと考えます。

 (3)携帯電話事業者に対して、青少年の使用する携帯電話についてフィルタリング
  を使用させる義務付けをしていることも問題が大きいと考えます。現状では不備が
  多く保護者による個別判断を反映できないフィルタリングの使用を義務付けるのは、
  利用者を混乱させるだけであり、十分な説明を聞いた上での保護者の判断という
  適切な手続きを経ることが担保されないおそれがあります。

  

以上



※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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