2006年4月7日
みんなの就職株式会社
楽天リサーチ株式会社

「みんなの就職」×「楽天リサーチ」共同調査 第一弾
『社会人基礎力に関するアンケート』結果発表
「社会に出たら良い子でいよう」 学生が意識するのは柔軟性と傾聴力

 楽天グループのみんなの就職株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:伊藤 将雄)と楽天リサーチ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:森 学)は、「みんなの就職活動日記」の登録ユーザを対象として、『学生の意識調査』を中心とした共同調査を、定期的に実施していくこととなりましたのでお知らせいたします。
 今回は、その共同調査第一弾として、「みんなの就職活動日記」に登録している2006年および2007年3月卒業予定の学生(男女)を対象に、『社会人基礎力に関するアンケート』を実施いたしました。

 『社会人基礎力』とは、経済産業省が提唱する「職場や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力」であり、これらを構成する能力を「前に踏み出す力(アクション)」、「考え抜く力(シンキング)」、「チームで働く力(チームワーク)」と大きく3つに分けて定義されています。

 このたびの調査は、買い手市場から売り手市場に変化した就職市場において、学生が『社会人基礎力』をどのように捉えているのかを調査するため、「職場で活躍していく上で活かせると考えている強み」、「強みを活かせると考えている職種と意識や行動」などをテーマに行いました。
■調査要項■□
・調査時期 :2006/3/1から2006/3/6
・調査対象 :2006年3月卒業の学生、2007年3月卒業予定の学生
・サンプル数:3,186人
・調査手法 :インターネット調査
・調査機関 :みんなの就職株式会社・楽天リサーチ株式会社
□■調査結果■□
1.社会人基礎力評価について
 就職活動の際に、企業が『社会人基礎力』について評価していると思うかと学生に訊いたところ、企業が『社会人基礎力』について「ある程度積極的に評価していると思う」と回答した人は全体の51.4%、「積極的に評価していると思う」と回答した人は42.5%と、「評価していると思う」(積極的+ある程度積極的の合計)と回答した人は、全体の9割を占めた。新卒学生の就職において、ほとんどの学生は自身の基礎的能力に対して企業が評価をしていると認識していることが読み取れる。

Q.就職活動の際に、企業が『社会人基礎力』について評価していると思われますか?
https://www.rakuten.co.jp/pr/2006/0405/release0405_01.gif
2.職場で活躍していく上での強み(自信のあるもの)について
 職場で活躍していく上で「強み(自信のあるもの)」となる能力としては「チームで働く力」が56.6%と最も高く、全体の約半数を占める。性別による違いを見ると、男性は「考え抜く力」(シンキング)との関係性が深いと回答した人の割合が多く、全体を5.4ポイント上回る49.9%と男性の約半数を占める。
 また、学部別で見ると、理系は「考え抜く力」が全体より6.6ポイント高い51.1%と「チームで働く力」(55.1%)と同様、理系の約半数を占めている点が特徴的。さらに「前に踏み出す力」については、男女/文理の区別なく、3割強の学生しか強み(自信のあるもの)としての認識がないという結果になった。
 なお、本調査では一人暮らしか否かで強みと認識する能力が変わるかを検証したが、特筆すべき結果とはならなかった。

Q.今後職場で活躍していく上で、強みとなる能力は、『社会人基礎力』の3つの能力のうち、どの能力と関係が深いと思われますか?(複数選択可)
https://www.rakuten.co.jp/pr/2006/0405/release0405_02.gif
3.『社会人基礎力』の構成要素と強み(自信のあるもの)の関係について
 『社会人基礎力』の能力を構成する要素と関係が深いものについて訊いたところ、「柔軟性」(50.6%)、「傾聴力」(47.5%)、「情況把握力」(45.4%)が上位に挙げられる。性別での違いを見ると、男性は「課題発見力」(44.5%)が、学部別に見ると理系は「計画力」(41.7%)がそれぞれ全体を上回っている。
 この他にも「創造力」等、男女・文理の間で、『社会人基礎力』の能力を構成する要素の強みの認識が大きく結果が異なるものがあることから、大学時代の環境や過ごし方によって培われる能力がかなり変わってくると推察できる。
 またこの結果でも「発信力」(21.3%)や「働きかけ力」(23.7%)、「主体性」(28.9%)については、強みとしての認識が特筆すべき低さとなっており、このような能力をのばす教育や環境作りが今後大学生活に求められると考えられる。

Q.『社会人基礎力』を構成する能力要素のうち、あなたの強みと関係が深いと思われる能力要素はどれですか?(複数選択可)
https://www.rakuten.co.jp/pr/2006/0405/release0405_03.gif
4.強みを活かせると考えている“職種”と“意識や行動”
 強みを活かせる職種で製造職あるいは事務職を選んだ人は「人の指示に従う方だ」(54.3%)、「消極的で、遠慮しがちなところがあると思う」(62.9%)といった項目の割合が高い。
 営業職を選んだ人は「じっとしていることが苦手だ」(48.9%)、「リーダーシップを率先して発揮する方だ」(33.5%)といったアクティブかつ率先してリーダーシップを発揮するような意識に関する項目を挙げる割合が高い。
 販売職は「困っている人を見たら、率先して手助けする方だ」(64.4%)、「周囲の意見に影響されやすい方だ」(55.1%)、「後輩や子供の世話をすることが好きだ」(61.0%)、「他人から頼まれごとをされると、すぐに引き受ける方だ」(67.8%)といった 人との関わりに関連する項目での反応が高い。
 研究・開発職は「物事は冷静に考えてから行動する方だ」(61.3%)、「物事をきちんと分析して、根拠を大切にする方だ」(56.8%)といった、冷静に分析する意識・行動に関する項目を挙げる割合が多い。
 このように職種に応じて、強みを活かせる能力が違うと学生に認識されている。

Q.強みを活かせると考えている意識や行動について、以下のどの項目に当てはまりますか? (複数選択可)
https://www.rakuten.co.jp/pr/2006/0405/release0405_04.gif





【参考:社会人基礎力の3つの力を構成する12の能力要素】     
<前に踏み出す力(アクション)>
主体性  :物事に進んで取り組む力
      例)指示を待つのではなく、自らやるべきことを見つけ積極的に取り込む 。
働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
      例)「やろうじゃないか」と呼びかけ目的に向かって周囲の人を動かしていく 。
実行力  :目的を設定し確実に行動する力
      例)言われたことをやるだけでなく自ら目標を設定し、失敗を恐れず行動に
      移し、粘り強く取り組む。

<考え抜く力(シンキング)>
課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
      例)目標に向かって、自ら「ここに問題があり、解決が必要だ」と提案する。
計画力  :課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
      例)課題の解決に向けた複数のプロセスを明確にし、「その中で最善のものは
      何か」を検討し、それに向けた準備をする。
創造力  :新しい価値を生み出す力
      例)既存の発送にとらわれず、課題に対して新しい解決方法を考える。

<チームで働く力(チームワーク)>
発信力  :自分の意見をわかりやすく伝える力
      例)自分の意見をわかりやすく整理した上で、相手に理解してもらうように
      的確に伝える。
傾聴力  :相手の意見を丁寧に聴く力
      例)相手の話しやすい環境をつくり、適切なタイミングで質問する
      など相手の意見を引き出す。
柔軟性  :意見の違いや立場の違いを理解する力
      例)自分のルールややり方に固執するのではなく、相手の意見や立場を尊重
      し理解する。
情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
      例)チームで仕事をするとき、自分がどのような役割を果たすべきかを理解
      する。
規律性  :社会のルールや人との約束を守る力
      例)状況に応じて、社会のルールに則って自らの発言や行動を適切に律する。
ストレスコントロール力
     :ストレスの発生源に対応する力
      例)ストレスを感じることがあっても、成長の機会だとポジティブに捉えて
      肩の力を抜いて対応する。
(出典:経済産業省)

※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

  • カテゴリ
  • カテゴリ