2021年8月4日
  • 楽天グループ株式会社
  • Altiostar Networks, Inc.

楽天、無線アクセスネットワークの仮想化に関する革新的な技術を持つ米・アルティオスター社を完全子会社化

- パートナーシップの強化を通じて、「Rakuten Communications Platform」のグローバル展開を加速 -

 楽天グループ株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、以下「楽天」)は、米国に拠点を置くモバイル業界のテクノロジーカンパニーであるAltiostar Networks, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州、最高経営責任者:Ashraf Dahod、以下「アルティオスター社」)を買収し、完全子会社化することをお知らせします。アルティオスター社の企業価値は1,000百万米ドルです。楽天とアルティオスター社は、パートナーシップを強化し、世界のモバイル業界に向けて、ソフトウェア中心の仮想化されたサービスの導入をさらに加速させます。

 2011年に設立され、米国マサチューセッツ州に本社を置くアルティオスター社は、4Gおよび5Gネットワークに対応した、仮想化されたオープンな無線アクセスネットワーク(Open vRAN)ソリューションを提供しています。同社のソリューションは、テレコム産業のパラダイムシフトを加速させ、ウェブスケールでクラウドネイティブなモバイルネットワークへの移行に貢献しています。アルティオスター社の業界最高水準のソフトウェアは、オープンインターフェイスへの対応とベースバンドユニット(BBU)の仮想化により、ハードウェアとソフトウェアを分離させたマルチベンダー制モバイルネットワークの構築を可能にしています。これにより、移動体通信事業者(MNO)は、異なるサービスやオペレーションの自動化をネットワークに柔軟に適応させ、迅速なネットワーク拡張や総所有コスト(TCO)を削減することが可能となります。アルティオスター社は、多様性のあるOpen RANエコシステムに対応しており、同社のO-RAN技術仕様に準拠したソリューションは、楽天モバイルの国内ネットワークを含め、グローバルで採用実績があります。

 楽天グループの代表取締役会長兼社長である三木谷 浩史は次のように述べています。「今、新しい時代を迎えています。MNOは、オープンで相互運用可能なソリューションを生み出している世界で最も革新的なソフトウェア企業と連携を強化することで、モバイルネットワークの構築・展開方法を自ら選択できるようになりました。楽天とアルティオスター社は、革新的なイノベーションを創出し、セキュアで、コスト効率が良く、アジャイルなテクノロジーを世界中のMNOに提供することで、モバイルネットワークをエンパワーする情熱を共有しています。今回の買収により、楽天は、アルティオスター社を楽天グループに迎え入れられることを非常にうれしく思います」

 アルティオスター社は、「Rakuten Communications Platform」(RCP)において、Open vRANネットワーク機能に関するソフトウェアを提供しています。「RCP」は、完全仮想化された、クラウドネイティブなモバイルネットワークを、低コストで、従来よりも簡単かつ迅速に構築・展開できるプラットフォームです。通信事業者や企業向けに開発されている同プラットフォームでは、4Gおよび5GのモバイルネットワークをOpen RANで構築するために必要なテクノロジーをマーケットプレイスから選択できます。

 アルティオスター社のCEO(最高経営責任者)であるAshraf Dahod氏は次のように述べています。「Open RANアーキテクチャと仮想化は、爆発的に拡大し続ける端末数への対応、サービス開発の速度や収益を生み出すアプリケーションの需要に対応するソフトウェアベースのネットワーク構築における鍵となる役割を担います。当社は、楽天グループの一員となることで、事業基盤を構築し、MNOのイノベーション創出、新しい事業モデルの模索、ウェブスケールのモバイルネットワーク構築による手ごろな価格での大容量通信サービスの実現に貢献するソフトウェアの開発を加速させることができます」

 楽天によるアルティオスター社への初期出資は、米国の対米外国投資委員会(Committee on Foreign Investment in the United States)による承認を受け、2019年5月に完了しています。

 アルティオスター社のCEO(最高経営責任者)であるAshraf Dahod氏は、グローバルで「RCP」に関連する重要な役職に就任する予定です。アルティオスター社は、引き続き米国マサチューセッツ州に本社を置き、事業を展開します。

 楽天モバイル株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:山田善久、以下「楽天モバイル」)が2020年4月に4Gサービスの本格提供開始後、楽天モバイルとアルティオスター社は、世界初となるコンテナベースのクラウドネイティブ5G無線アクセスネットワーク(RAN)ソフトウェアを2020年9月に立ち上げました。アルティオスター社は、インドの研究開発センター、英国のOpen vRAN技術ラボ設置、同社顧客の近くに地域のハブとなる拠点を開設するなど、グローバル事業を拡大しています。同社は、楽天モバイルに加えて、インドのAirtel、米国のDish、欧州と南アメリカのTelefonicaなど複数のMNOにサービスを提供しています。アルティオスター社は、「RCP」、Cisco、VMware、Dell、富士通、IBM/Red Hat、Intel、NEC、Qualcomm、Sterlite、Tech Mahindra、Facebook Connectivityやパブリッククラウドプロバイダーとのパートナーシップを締結しています。また同社は、O-RAN ALLIANCE、Telecom Infra Project(TIP)、Open RAN Policy Coalitionの取締役会メンバーの1社です。


■アルティオスター社について
 2011年に設立され、米国マサチューセッツ州に本社を置くアルティオスター社は、4Gおよび5Gネットワーク対応の仮想化Open RAN(Open vRAN)ソリューションを提供しています。同社のソフトウェアは、オープンインターフェイス対応とベースバンドユニット(BBU)の仮想化により、ハードウェアとソフトウェアを分離させたマルチベンダー制、ウェブスケール、クラウトネイティブモバイルネットワークの構築を可能としています。また、移動体通信事業者(MNO)が多様なサービスと運用自動化をネットワークに適応させ、ネットワークの迅速な拡張や、総所有コスト(TCO)を削減する運用の自動化を可能にしています。アルティオスター社は、多様なOpen RANサプライチェーンに対応することで、Open RANエコシステムの発展とともに事業を拡大しています。アルティオスター社のO-RAN準拠のOpen vRANソリューションは、日本の楽天モバイルを含むグローバルに展開されています。詳しくは同社ウェブサイトをご覧ください。www.altiostar.com.

(参考)Altiostar Networks, Incに関する楽天グループ株式会社が過去に配信したプレスリリースは、以下のとおりです。
・楽天、米国アルティオスター社と戦略的資本業務提携(2019年2月12日)
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2019/0212_05.html
・米国アルティオスター社への出資完了に関するお知らせ(2019年5月7日)
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2019/0507_03.html

以 上

※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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