生物多様性

Biodiversity​

基本的な考え方

「楽天市場」で販売される様々な商品から、「楽天トラベル」で予約可能な旅行先まで、楽天が展開する多くの商品やサービスは、自然の豊かさと多様性に支えられています。しかし、地球上の生態系は気候変動と生物多様性の損失という二重の危機に直面しており、どちらも人間の活動が原因で深刻化しています。これらは楽天のビジネスの継続性に関わるだけでなく、不安定な食料供給や水不足といった問題とつながっており、世界中の人々や動植物が深刻な危機にさらされることを意味します。
私たちはバリューチェーン全体において、生物多様性保全に関する国内外の法令への遵守はもとより、生態系に配慮し生物多様性へ与える有害な影響の低減に努めます。 生物多様性の保全に対する私たちの取り組みについては、こちらの「楽天グループ環境ポリシー」をご覧ください。

戦略

生物多様性に配慮した「持続可能なプラットフォームやサービス」の提供を追求する中で、気候変動に対する楽天の取り組みは重要な役割を果たしています。
楽天では、グループ全体として明確な方針を掲げ、「楽天エコシステム」に含まれる多様な事業それぞれの業界特性にあった取り組みを継続して実施していくことに注力しています。
楽天では、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の資源管理の手法を用い、廃棄物の最終処分量をシンプルかつ効果的に削減する取り組みを推進しています。

バリューチェーン全体における天然資源の効率的な有効活用が、環境負荷の軽減だけでなく、効率的な事業運営にもつながります。楽天は約17億のユーザーや様々なビジネスパートナーと関わるからこそ、こうした取り組みを行うことによって状況の改善に大きく貢献することが可能です。

私たちは、厳格な倫理基準を遵守して事業活動を行うとともに、パートナーの皆様が実践する革新的な取り組みを発信することで、ステークホルダーの皆様にポジティブな影響を創出していきます。

マネジメント体制

自然環境への取り組みをグループ全体で推進するため、楽天では、グループ横断的な組織体制を整えています。
「サステナビリティ委員会」のもとに「環境分科会」を設置し、毎月の会議においてグループ内の各組織が実際に取り組む具体的な施策について議論を重ねています。議論の内容や進捗状況を四半期ごとに取締役会でも報告しています。

Group Sustainability Commitee

Eコマース事業

楽天はB2B2C*1プラットフォーム、C2C*2プラットフォーム、ファーストパーティー事業、物流サービスの提供など、 多様なEコマース事業を展開しています。グループ各社は、生物多様性や自然資源の課題について様々な取り組みを行っています。

*1 B2B2C:プラットフォームやサービスが「個人」と「企業」の橋渡しをするビジネスモデル
*2 C2C:プラットフォームやサービスが「個人」と「個人」の橋渡しをするビジネスモデル

環境に配慮した梱包資材

世界中で利便性の高いオンラインショッピング体験が増えるにつれ、使い捨て梱包資材にまつわるステークホルダーの関心が高まっています。最高な顧客体験と持続可能な商品配送の両立を実現するため、楽天では商品サイズに合わせた最小限の梱包資材の使用を心がけ、資材の使用も最小限に抑えています。日本国内の配送では古紙配合率90~95%の段ボールを使用し、比較的環境にやさしい素材を使用した緩衝材を利用しています。

Eコマースにおける野生生物商品の取引制限

楽天は、ワシントン条約(CITES: 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)や、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」など、動物・野生生物に関する国内法および国際法を遵守します。これらの条約・法律に加え、「楽天市場」や「楽天ラクマ」といったサービスを対象とする楽天のマーケットプレイスポリシーは、鯨、イルカ、象牙、ウミガメを使用した製品などの取り扱いを禁止しています。楽天のECプラットフォーム上で販売される商品の調達や生産、また、出店店舗の事業活動が生物多様性に十分配慮された形で行われるよう、パートナーの皆様と共に取り組みを進めていきます。なお、出店店舗によるガイドライン違反が認められた場合は、ペナルティの対象としています。

ベストプラクティスの奨励:持続可能な生産と消費

循環型経済の推進:中古マーケットプレイスの推進

近年、ますます多くの消費者が、買い物の習慣を変えることで循環型経済に貢献しようとしています。こうしたお客様のニーズに応えるため、楽天の様々なECプラットフォームで中古品の販売を推進しています。なかでも、ユーザー間で売買取引ができるフリーマーケットアプリ「楽天ラクマ」は、持続可能な消費を拡大し、サステナブルなお買い物を楽しんでいただけるよう、取り組みを進めています。

さらに、中古品市場を牽引する「Rakuten France」では、販売されている商品全体の3分の2が中古品で、その数は約5,000万点にものぼり、循環型経済の促進において重要な役割を果たしています。中古品の購入がもたらすポジティブな影響についてユーザーに理解を深めていただくために、150の商品カテゴリーについて調査を行い、新品の購入に伴うCO2排出量を表示することで、中古品購入時のCO2排出量と比較できるようになっています。

取り組み事例

「楽天ファーム」における持続可能なオーガニック農業

農薬や化学肥料に頼らないオーガニック農業は、生物多様性や環境への負荷が少ない農法と言われています。楽天の農業サービス「楽天ファーム」は、2020年時点で全耕作地面積に対するオーガニック農地の割合がわずか0.3%*である日本で、持続可能なオーガニック農業の拡大に取り組み、農業で日本をエンパワーメントすることを目指しています。
現在、「楽天ファーム」は愛媛県、広島県、静岡県、山口県、島根県で自社農場を運営し、自社でオーガニック農家の育成も行っています。また、工場や加工施設においても、食品の安全性やトレーサビリティ、労働条件などに十分に配慮し、可能な限り持続可能な運営を実現しています。

詳細はこちら

*出典:農林水産省「有機農業をめぐる事情」(令和4年7月)

モバイル・電子書籍事業

電子機器の製造・販売業者として、楽天にはサプライヤーの皆様や消費者と共に、より循環型の生産・消費活動を実現することで環境負荷を低減する使命があると考えています。

楽天Kobo:環境を意識した電子書籍リーダー

2022年、「楽天Kobo」は、端末外装に再生プラスチックとオーシャンバウンドプラスチックを*使用した史上初の環境配慮型電子書籍端末、「Kobo Clara 2E」を発表しました。
2021年中のカーボンオフセットに由来する収益は、世界最大の温帯雨林の一つである「グレート・ベア・レインフォレスト(ブリティッシュ・コロンビア州)」の保護活動を行い、先住民族コミュニティを支援する「Great Bear Forest Carbon Project」に寄付しています。

詳細はこちら(英語)

*海岸から約50km以内の内陸部に廃棄されているプラスチック

楽天モバイル:デバイスの下取りサービス・製品リサイクル

通信サービスを提供する企業として、電子機器類の廃棄が環境に与える有害な影響を最小化し、希少な資源を大切にすることが重要だと考えます。電子機器類の廃棄を削減するため、「楽天モバイル」では、使用済みスマートフォン、タブレット、Apple Watchの下取りサービスを実施しています。下取りした製品は、指定の工場において入念なチェックと個人情報消去作業を行なったのち、「楽天ラクマ」や「楽天市場」を通じて再販売されます。下取り製品の個人情報は正しい手順で適正に消去しており、セキュリティに不安を感じることなく下取りサービスを活用いただけます。

詳細はこちら

また、「楽天モバイル」は、「モバイル・リサイクル・ネットワーク(MRN)」の一員として、使用済みのスマートフォン、携帯電話、電池パック、充電器類を無料で回収し、再資源化する取り組みも実施しています。使用済み製品に含まれる金、銀、銅、パラジウムなどの希少金属を回収することで、資源の有効利用につながるほか、廃棄による環境負荷の軽減に貢献します。

詳細はこちら

データ&第三者保証