三木谷からのメッセージ

ビジネスこそ最大のエンターテイメント。楽天は、世界一のインターネットサービス企業を目指します。 代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史

自分たちですべて事業を立ち上げてきた自信が、楽天最大の武器

1997年、インターネット・ショッピングモールといえば、カタログをWebにしただけのようなサイトばかりで、「こんなビジネスをやろうと思うのですが」と相談すると、多くの先輩経営者からは「大企業も失敗していることを、三木谷君がやって成功する訳がない」と言われました。

しかし、私は周りがこのビジネスモデルの素晴らしさに気づいていないところにこそチャンスがあると思い、一週間ほど必死で考え、ある答えを導き出しました。それが“システムに強い人間が商売をする”のではなく“商売が得意な人が簡単に店を開ける仕組みを創る”ということでした。インターネットのマーケットプレイスという概念、市場(いちば)というコンセプトです。

そのシステムを自ら開発し、ネット上で買い物の楽しさを提供できたことが楽天の成功の理由です。そして何より、自分たちの手で事業を起ち上げてきたという自信こそが、楽天の最大の強みです。私の就職活動時代は、バブル絶頂期。私自身は、今とは逆の大企業志向で起業家を目指すという意識はなく、ただ「世界を股にかけるような仕事をしたい」という漠然とした憧れを持って、大手銀行に就職をしました。

銀行時代にアメリカのハーバード大学ビジネススクールに留学した経験が、私の価値観を大きく変えることになりました。それまでは、大企業で出世することこそがビジネスマンのゴールと考えていた私が、起業こそがビジネスにおける究極の贅沢だ、と知ったのです。アメリカでは、小さな会社でも起業する人が称賛されます。ビジネスマンにとって、自分のパフォーマンスを最大に発揮できる場所で働くことが幸せだと悟ったわけです。そして30歳で銀行を退職、会社を興しました。

国際化の流れは必然

私たちのゴールは国内No.1ではなく、あくまでも世界一のインターネット・サービス企業になるということです。

ある調査によれば、世界のGDPに占める日本の割合は、2006年の12%から2050年には3%へと縮小していくといわれています。日本市場の今後の潜在成長性を長期的に考えた場合、私たちが成長し続けるためには、海外に打ってでることは「したほうがよい」ことではなく、「しなければならない」ことだとわかります。海外の方が市場の成長スピードも規模も大きいということを考慮すれば、私たちが世界進出するのは当然のことです。

成功するために私たちが必要なのは、強いサービスモデル、強いオペレーション、強い戦略、強い行動規範、そして強い技術を共有することです。海外展開する際のサービスモデルは、進出した各国の状況やマーケットに合わせたサービスモデルを尊重し、各社のイニシアティブを尊重する方針です。

そしてその根底には「楽天主義」をしっかりと徹底させ、一致団結できる強い組織を作っていきます。

私たちは、EC事業をはじめとして、旅行業や銀行業、証券業等の40程度の多様なサービスを提供しております。これらのサービス間では、事業の成功モデルやウェブデザイン、マーケティングといったベストプラクティスを密に情報共有して、楽天グループとして常にサービスレベルの底上げと顧客満足の向上を目指してまいりました。

この徹底した情報共有をグローバル規模でも実施して、世界一のインターネット・サービス企業を目指すにあたっては、社内公用語の英語化についても、必要最低限のステップであると考えています。

楽天グループは、世界一のインターネット・サービス企業になるという目標を本気で実現したいと考えています。そのためには多くの困難が待ち構えているでしょう。しかし、それらをひとつずつ試行錯誤しながら乗り越えていくことの繰り返しが、さらに強い組織を作り、強い戦略を作ることに繋がっていきます。それを実現し、世界中の人々にインターネットを通じてさらにエンパワーメントをもたらすことが、楽天グループの使命であると考えています。

ビジネスは最高のエンターテインメント、
価値観を共有できる人と仕事がしたい

私にとってビジネスは、スポーツのような感覚です。たとえばイチロー選手にとって、野球は仕事であって仕事でないように。私がいつも社内の人間に言うのが、僕らはプロビジネス選手だということ。だから楽しくやったほうがいいし、勝たなくては意味がない。ビジネスに対しても、その意識が大切だと思います。そういう価値観を共有できる人と一緒に仕事がしたい、と考えています。

楽天グループでは、世界中でオリジナルなサービスを生み出し続けていくために、世界中の才能を持った人材が必要です。国籍や年齢、経験などあまり関係ありません。要は「やる」ことです。“Get Things Done”、つまりさまざまな手段を凝らして、何が何でも物事を達成することこそ重要です。目標をクリアできなかった時に「ここまでやったから」と自分に言い訳するのではなく、どうすれば達成できるかを考え、そしてまた挑戦する。それでこそ、ビジネスの面白さがあるのではないでしょうか。

会社は土俵。大切なのはそこで勝負するひとりひとりです。すべての社員に対して、楽天グループという「土俵」の上で、自分に甘えずに、自分の目標に向かってチャレンジし続けてほしいと思っています。

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