楽天株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、以下「楽天」)と株式会社クレックス(本社: 千葉県千葉市、代表取締役社長:小野 和一、以下「クレックス」)は本日、家庭および法人事業者向けの電力販売に関する業務提携に向けて検討を開始することで基本合意いたしましたので、お知らせいたします。
今後の提携にあたり、両社は簡易HEMS(注1)等を活用し、クレックスのLPガス顧客に対して、電力、ガスおよび「楽天スーパーポイント」を組み合わせた新たなサービスの共同開発を検討していく予定です。また、今月からクレックスの関東圏における既存顧客を対象に、1万世帯のモニターを募集して顧客ニーズなどを調査し、新サービス開発につなげます。
楽天は独自のインターネット・ショッピングモール、B2B2C型(Business to Business to Consumer)(注2)の「楽天市場」をはじめオンライン旅行予約、金融、電子マネー、電子書籍など楽天スーパーポイントを活用し、多様なサービスをワンストップで提供する「楽天経済圏」のさらなる拡大を進めていますが、エネルギー事業の分野でも2016年の電力小売全面自由化と2017年に予定されるガス小売全面自由化に向け、新たなサービスを検討してきました。その中で、完全自由化市場における長年のエネルギー供給実績やエンドユーザとの強い接点を有し、広域に事業を展開している大手優良LPガス事業者は、人々と社会を活性化させる楽天のビジネスモデルとの親和性が高いという観点から有望な協業候補と捉え、提携先を模索してきました。
一方、関東、東北、北海道を中心にLPガスの小売事業を展開するクレックスは、創立60周年を契機に、エネルギー業界の自由化の流れに対応した新規事業展開を最優先課題として、電気小売事業の検討を行ってきました。その中で、顧客満足度の向上にも寄与するHEMSを活用した新規需要開発に強みを持つ提携先を模索していました。
今回、双方のニーズに合致し、両社で新サービスの共同開発が期待できると判断し、本基本合意に至りました。
楽天とクレックスは今後、電力およびガスの小売全面自由化がもたらす市場環境の変化に対し、エネルギー供給や保守を中心としたクレックスの顧客サービスと、楽天の技術力やポイントプログラムなどを掛け合わせて独自のサービスを提供することで、差別化やパートナー戦略を推し進めていきます。また両社は本協業を通じて、電力やガスに新たな付加価値を備えたエネルギーサービスの多様性を追求し、電力およびガスの競争市場において健全な発展に寄与してまいります。
(注1) HEMS(ヘムス)とは、ホームエネルギーマネジメントシステム(Home Energy Management System)の略称で、センサーやITの技術を活用して、住宅のエネルギー管理を行うシステムを指します。主に、電気の使用状況の「可視化」や、住居内の機器制御を通じて省エネなど使用量の最適化を実現することが可能になると言われています。
(注2) B2B2C型とは、「楽天市場』が仲立ちとなって企業と一般消費者を結び付けるビジネスモデルを意味しており、Business (企業)to Business (楽天) to Consumer (一般消費者)を表しています。