【国内旅行トピックス】
■夏旅行は「早期予約」と「高単価」傾向に
今年の夏の国内旅行動向は、前年同期比+35.4%と好調に推移しています。今年の夏旅行の宿泊単価(※1)は同+4.4%と、高単価傾向になりました。この背景には、夏のボーナスが3年連続で増額傾向にあること(※2)が一因として考えられます。また、今年の夏旅行は早期予約の傾向が高まっています。特に、2015年1月~5月の累計訪日外国人旅行者数は同+44.9%(※3)と大幅に増加しており、国内宿泊施設の高まる稼働率の影響を受け、国内居住者の予約も早期化傾向になっています。夏旅行期間の予約リードタイムは、90日以上前の予約(※4)が同+49.8%と飛躍的に伸びており、早期予約の伸びが顕著に見られます。
■北陸新幹線開業の影響で北陸エリアは7割増と好調
2015年3月の北陸新幹線開業の影響で、北陸エリアは夏旅行期間も堅調に予約を伸ばしています。特に金沢市内・周辺エリアが同+100.8%、富山市エリア(※5)が同+112.5%、高岡エリア(※6)が同+80.3%と、北陸新幹線停車駅周辺エリアが好調です。一方で、NHK連続テレビ小説の舞台となった能登エリア(※7)も同+85.4%と人気を集めており、北陸エリア全体への注目度が高まっています。アンケート調査でも「今年の夏休みに旅行先として予定している地域」の回答に、「北陸・甲信越エリア」(※8)の回答数が1位となり、注目度の高さがうかがえます。北陸3県(石川県・富山県・福井県)全体での予約は同+70.7%と大幅に伸び、周辺エリアも含めた北陸エリア広域における人気がうかがえます。
■近畿エリアは高野山開創1200年の節目で注目のエリアが盛況
近畿エリアは「国内旅行行き先前年同期比ランキング」において、2位奈良県・4位滋賀県・6位京都府・8位和歌山県と上位10位に4エリアがランクインしました。さらに12位大阪府(同+51.7%)・16位兵庫県(同+48.5%)を合わせて、近畿エリア2府4県の合計は同+55.8%と好調です。特に今年は高野山開創1200年の節目となり、高野山金剛峯寺(和歌山県)をはじめ、弘法大師空海ゆかりの地である高雄山寺(京都府)の高雄エリア(※9)が同+121.9%、吉野山(奈良県)の奈良南部エリア(※10)が同+67.4%と、注目が高まっています。
■「ふるさと旅行券」効果で東北・東海エリアの予約が堅調に推移
その他上位には東北エリアから5位福島県・7位岩手県、さらに東海エリアから9位愛知県・10位三重県・19位岐阜県(同+45.2%)がランクインしました。両エリアでは国の「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を活用した「ふるさと旅行券」(以下、旅行券)を発行し、ウェブプロモーションでの展開が好調に推移しています。東北エリアでは福島県・福島県いわき市・岩手県の3つの自治体、東海エリアでは愛知県南知多町・三重県・岐阜県の3つの自治体にて旅行券のウェブプロモーション展開が奏功し、夏のレジャー旅行需要を押し上げました。特に三重県では2016年の伊勢志摩サミット開催の決定を受け、伊勢エリア(※11)が同+72.1%、志摩エリア(※12)が同+75.6%と好調です。
■北陸・近畿エリアのレンタカー予約が好調、東北エリアではバス女子旅が人気
レンタカー予約は同+28.3%と好調で、特に北陸エリアが同+98.0%・近畿エリアが同+63.6%と高い伸びを示しました。バス予約は同+52.3%と堅調に伸びており、特に目的地としては「東北」エリアが同+84.6%と好調です。さらに東京都発・宮城県着の利用が最も多く、女性利用が約6割を占め女子旅での活用が目立っています。また、利用人数が最も多い目的地は「関東」エリアとなりました。関東エリアでは観光バスのレジャー利用が好調で、主にカップル・夫婦層や子連れのファミリー層の東京・横浜の周遊観光として利用数を伸ばしています。
【国内旅行 宿泊予約 行き先前年同期比ランキングTOP10】
※2015年6月14日時点での予約人泊数実績をもとに前年同期比で算出
順位 都道府県名 前年同期比
1位 富山県 +91.3%
2位 奈良県 +86.0%
3位 石川県 +77.0%
4位 滋賀県 +73.1%
5位 福島県 +63.1%
6位 京都府 +62.7%
7位 岩手県 +61.3%
8位 和歌山県 +60.4%
9位 愛知県 +59.5%
10位 三重県 +54.8%
宿泊予約者 行き先前年同期比ランキングは以下をご参照ください。
【国内旅行 行き先別 宿泊予約人泊数ランキングTOP10】
※2015年6月14日時点での予約人泊数実績をもとに算出
今年度順位 都道府県名 昨年度順位
1位 東京都 2位(↑)
2位 沖縄県 1位(↓)
3位 北海道 3位(→)
4位 大阪府 4位(→)
5位 千葉県 5位(→)
6位 静岡県 6位(→)
7位 長野県 8位(↑)
8位 福岡県 9位(↑)
9位 神奈川県 7位(↓)
10位 京都府 11位(↑)
【2015年 夏休みの旅行の目的・過ごし方ランキングTOP10】
※アンケート調査にて「夏休みの旅行の目的・過ごし方を教えてください。
(いくつでも)」の質問に対する回答数を元に集計
順位 目的・過ごし方(回答数)
1位 温泉(847)
2位 自然・景勝地(742)
3位 食事(741)
4位 宿泊施設でゆっくり過ごす(564)
5位 アウトドア(山、海、川、湖など野外でのアクティビティ)・スポーツ(412)
6位 史跡・寺社仏閣(330)
7位 お買いもの(321)
8位 帰省・遠隔地の家族と過ごす(296)
9位 テーマパーク・遊園(281)
10位 祭り・イベント(250)
【海外旅行トピック】
■ インバウンド好調の反動があるもののベトナムやタイの東南アジアが人気
訪日外国人向け(インバウンド)観光の需要が好調な反面、日本人の海外宿泊予約は前年同期比▲14.1%となりました。この要因として円安傾向、国際情勢の影響、韓国の旅行需要の低迷などが考えられます。方面別では、東南アジアの人気エリアであるベトナムが同+93.1%、タイが同+29.8%、またリゾートエリアではハワイが同+26.0%と好調です。
ベトナムは、2014年7月にダナンへの直行便の就航を機に旅行需要を伸ばしており、ゴールデンウィーク 旅行動向(※13)に引き続き、「海外旅行行き先前年同期比ランキング」1位となりました。また、多くの観光客を魅了する世界遺産に加えて、新たなリゾート地としてダナンが注目を集めています。
【海外旅行 宿泊予約 行き先前年同期比ランキングTOP5】
※2015年6月14日時点での予約人泊数実績(国ごとの実績が100人泊以上)をもとに前年同期比で算出
順位 国名 前年同期比
1位 ベトナム +93.1%
2位 タイ +29.8%
3位 ハワイ +26.0%
4位 カナダ +16.9%
5位 台湾 +16.2%
【訪日(インバウンド)トピックス】
■ インバウンドは前年同期比+104.9%と好調に推移
日本への外国人旅行者数は、引き続き好調で同+104.9%の成長を示しました。旅行者の居住国別では、香港、台湾、タイ、中国とアジア圏からの旅行客が上位を占めました。アジア圏では、日本と同様に7~8月が夏休み期間となる国が多いことも要因のひとつと考えられます。
外国人旅行者に人気の都道府県では、東京と大阪を抑えて、北海道が1位となりました。北海道は、アジア圏の旅行者からも避暑地として人気が高く、さらに自治体等が地元の食や観光資源の魅力を積極的に発信しているため、海外でも知名度が高まっています。
【訪日旅行(インバウンド) 居住国別 宿泊予約人泊数ランキングTOP5】
※2015年6月14日時点での予約人泊数実績をもとに算出
順位 居住国名
1位 香港
2位 台湾
3位 タイ
4位 中国
5位 フランス
【訪日旅行(インバウンド)行き先別 宿泊予約人泊数ランキングTOP5】
※2015年6月14日時点での予約人泊数実績をもとに算出
順位 都道府県名
1位 北海道
2位 東京都
3位 大阪府
4位 沖縄県
5位 京都府
【旅行動向抽出条件】
2015年6月14日時点での予約人泊数実績をもとに前年同期比で算出
-対象期間(チェックイン日ベース):2015年7月15日(水)~2015年8月31日(月)
-国内旅行: 国内宿泊、ANA楽パック、JAL楽パック
-海外旅行: 海外宿泊(海外ホテル単品・DP宿泊分含む)
-訪日旅行(インバウンド): 訪日宿泊
【レンタカー動向抽出条件】
2015年6月14日時点での予約件数実績をもとに前年同期比で算出
-対象期間(返却日ベース): 2015年7月15日(水)~2015年8月31日(月)
【高速バス動向抽出条件】
2015年6月14日時点での乗車人数実績をもとに前年同期比で算出
-対象期間(出発日ベース): 2015年7月15日(水)~2015年8月31日(月)
【アンケート調査概要】
-調査エリア : 全国
-調査対象者 : 楽天トラベルニュースを購読している会員
-回収サンプル数: 2,160サンプル
-調査期間 : 2015年5月26日(火)~2015年6月5日(金)
-調査実施機関 : 楽天株式会社 トラベル事業
※1 旅行動向抽出条件期間中における2名以上利用時の1人泊あたりの宿泊単価(消費税除く)
※2 経団連が発表した2015年夏のボーナスの集計結果参照。平均妥結額は前年比+2.43%と3年連続で伸びている。
※3 日本政府観光局(JNTO)が2015年6月17日に発表した「訪日外客数(2015年5月推計値)」を参照。
※4 旅行動向抽出条件期間中における2名利用時のリードタイム(予約が入ってから実際に宿泊するまでの日数)実績に基づく。
※5 エリアの正式名称は富山市・八尾・立山山麓エリア
※6 エリアの正式名称は高岡・砺波・新湊・氷見・小矢部・射水エリア
※7 エリアの正式名称は能登・輪島・珠洲エリア
※8 回答エリアは全国10エリア区分(北海道、東北、北関東、首都圏、北陸・甲信越、東海、近畿、中国地方、四国、九州・沖縄)にて選択肢を用意。
※9 エリアの正式名称は京都市内 嵐山・太秦・高雄周辺エリア
※10 エリアの正式名称は奈良南部(十津川・天川・吉野・五条)エリア
※11 エリアの正式名称は伊勢・二見エリア
※12 エリアの正式名称は志摩(賢島・磯部・浜島)エリア
※13 2015年3月30日発表の「楽天トラベル ゴールデンウィークの海外旅行動向」抽出条件は以下の通り。
3月8日時点での予約人泊数実績をもとに前年同期比で算出。
対象期間: 2015年4月29日(水)~5月6日(水)、対象サービス:海外ホテル(単品、パッケージ)
以上