2013年7月2日
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三菱UFJモルガン・スタンレー証券のアナリストレポートについて

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荒木正人シニアアナリストが2013年6月21日に発行した当社に関するアナリストレポートについて、当社は同氏と面会し以下3項目について疑問点を提示し、改善を要望しました。

(1)  当社グループではEC、オンライン旅行予約、金融事業等、収益構造が異なる多様な事業を運営しているにも関わらず、当該レポートで用いられている業績予想モデルは、コスト予想をグループ合算ベースでのみ行っているため、事業別の利益分析がほとんどなされておらず、分析が極めて浅い。

(2)  業績予想に用いられた法人税率の根拠が不明である。特殊要因が発生した2012年度の実効税率と同水準の57%を2013年から2015年の実効税率に適用しているが、その根拠について全く説明されていない。

(3)  株主価値の算出方法がファイナンス理論の観点で誤っている。当該レポートでは、純利益に倍率を乗じた「修正時価総額」に「ノンオペレーティングアセット」を加算して時価総額を算出している。しかし、純利益は金利支払い後の数字であるにも関わらず、「ノンオペレーティングアセット」から借入金を控除している。

 面会の結果、(1)については検討に時間を要するとされました。(2)については当社の主張を受け、2013年7月1日に発行された同氏のレポートにおいては税率が修正され、予想EPS(2013年度)は35.8円から51.8円へと、45%増額されました。しかしながら、(3)については当社の主張した理論上の誤りは7月1日付けレポートでは修正されたものの、予想する利益成長率に変化がほぼないにも関わらず、長期成長率を反映すべき評価倍率(PER)は低下しました。具体的には2013年加重平均PERは24.8倍から17.8倍へと変更されていますが、(1)で指摘したような分析の貧弱さについては改善が見られなかったことから、変更の根拠が極めて薄弱と当社は考えております。

 以上に鑑みて、当社としては同氏による過去及び将来のレポートは当社への投資判断の一助とはなりえないと判断しており、投資家の皆様におかれても参考とされないようお勧め致します。また、当社は今後同氏の取材については一切お受けしません。

 

以上

※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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