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ニュース

2007年7月18日
株式会社日本総合研究所
楽天リサーチ株式会社

「現在住宅購入を検討している」が40%、
「住宅は投資の対象」と考える人が73%
--上海高所得者層の住宅に関する実態調査--

 株式会社日本総合研究所(代表取締役社長:木本 泰行、東京都千代田区一番町16番)と楽天リサーチ株式会社(代表取締役社長:森 学、東京都港区六本木1-8-7)は、上海で働く月収3,000元以上の中国人を対象に、「住宅に関する実態調査」を実施しました。
 今回の調査は、2007年6月6日から6月13日までの期間に、楽天リサーチ登録モニター(約35万人)から上海で働く男女を抽出し、有効回答を得た300人のデータを基に集計しました。
□■ 調査結果 ■□        
 現在の住居形態を聞いたところ、「自分で購入したマンション・アパート」が69%で最も多いという結果となりました。「賃貸借家(マンション・アパート)」(以下 借家)は5%、「自分で購入した一戸建て」は3%といずれもかなり少なくなっています。次に、現住居の築年数を聞いたところ、築10年未満の比較的新しい住居に住む人が72%と多く存在することが分かりました。この結果には、政府・企業による住宅分配制度廃止などの住宅制度改革が関係しているものと推察されます。また、現在何軒の住宅を所有しているかという質問に対しては、19%の人が「2軒以上」と回答しました。近年は投資目的で複数の不動産を所有する人も増えているといわれますが、そのような背景もあり上海の富裕層では複数の住宅を所有する人も多く存在するようです。

 今後住宅を購入する意向があるかを聞いたところ、「現在購入を検討している」が40%、「今は購入するつもりはないが、いずれは購入したい」が56%で、住宅購入意向がある人は全体で96%となっています。すでに住宅を所有している人も含めてほとんどの人が住宅購入意向を持っているという結果からは、現在の上海における住宅需要の高まりを強く感じることができます。また、今後希望する住居の形態では「自分で購入した一戸建て」と回答した人が34%いたことが特徴的でした。一戸建てを希望する人が多いにもかかわらず現在一戸建てに住んでいる人は少ないという結果の背景には、もともと供給が少ないことに加え、政府による別荘(ここでの定義は「独立した庭と入り口を持つ、2階または3階の建物」)建設の規制も関係しているのではないかと推察されます。

 「住宅は投資の対象である」という考え方に対してそう思うかを聞いたところ、「全くそう思う」「そう思う」が合わせて73%となっています。また、複数の住宅を所有している人ほど住宅を投資の対象と考える割合が高くなっています。別宅として使用するためだけではなく、投資目的で複数の住宅を所有する人も少な
からず存在するということが所有者の意識の面からもうかがえる結果といえるのではないでしょうか。また、最近の不動産価格の上昇に辟易(へきえき)しているかという設問に対しては「全くそう思う」「そう思う」と回答した人が合わせて95%となっています。大部分の人が住宅購入意向を持つ中で、住宅価格上昇による負担増を懸念しているのではないかと推察されます。
1.対象者属性
 今回の調査では、上海で働く中国人のうち、20代から30代で月収3,000元以上の方たちを対象として調査を行いました。今回の回答者は上海の中でも所得が高く(「上海統計年鑑」によると、上海では2005年の可処分所得の月平均はおよそ1,550元)、今後の消費をけん引していく層であると考えられます。 

●グラフ1:【対象者属性】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_01.gif
2.現在の住宅の状況
 まず現在どのような形態の住居に住んでいるかを聞きました。結果は、「自分で購入した分譲マンション・アパート」(69%)が最も多くなっています。「借家」は5%、「自分で購入した一戸建て」は3%といずれもかなり少ないという結果となっています。今回の調査対象では持ち家比率は72%となり、かなり多いことが分かります(金融広報中央委員会が昨年行った「家計の金融資産に関する世論調査」によると、日本における20代、30代の持ち家比率はそれぞれ14.4%、46.0%)。

●グラフ2:【現住居の形態】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_02.gif

 次に現在の住居の築年数を聞いたところ、築10年未満が全体の72%と多くなっています。

●グラフ3:【現住居の築年数】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_03.gif

 築年数の結果を、前の設問で自己購入のマンションに住んでいると回答した人たちだけで見ると、築10年未満の割合は82%と高い数値を示しました。築10年未満と比較的新しい自己購入住宅に住んでいる人が多い背景として、政府による9年前の住宅制度改革があるのではないかと考えられます。1998年、国務院は都市住宅制度の改革推進を決議し、それまでの政府・企業による住宅の分配制度を廃止しました。これをきっかけとして住宅の商品化が進み、一般消費者の間で住宅への需要が急速に高まったのではないでしょうか。
 また、「上海統計年鑑2007」によると、上海の家屋竣工面積の推移は下のグラフのようになっています。これを見ると、2000年頃を境に家屋竣工面積が急激に伸びていることが分かります。住宅制度改革後の時期に、需要とともに供給が伸びたことで、上海では新しい住宅に住む人の比率が高くなっているのではないかと推察できます。

●グラフ4:【上海における家屋竣工面積の推移】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_04.gif
(出所)「上海統計年鑑2007」を基に日本総研作成

 また、現住居の形態で「借家」と回答した人はわずか5%でしたが、それに関連して「家は購入するものであって、賃貸するものではない」という考え方について聞きました。

●グラフ5:【「家は購入するものであって、賃貸するものではない」と思うか】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_05.gif

 結果は、「全くそう思う」「そう思う」が合わせて76%とかなり多くなっています。借家に住む人が少ない背景には、「家は賃貸するものではない」という考えを持つ人が多く存在していることがあるようです。

 次に、現在何軒の住宅を購入し所有しているかを聞いたところ、「2軒以上」と回答した人が19%となりました。近年は投資目的で複数の不動産を所有する人も増えているといわれますが、そのような背景もあり上海の富裕層では住宅を複数所有する人も多く存在するようです。

●グラフ6:【現在、何軒の住宅を所有しているか】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_06.gif

3.今後の住宅購入意向
 今後住宅を購入する意向があるかどうかを聞いたところ、「現在購入を検討している」と回答した人が40%という結果となりました。また「今は購入するつもりはないが、いずれは購入したい」という人は56%おり、住宅購入意向がある人は全体で96%となっています。すでに住宅を保有している人も含めてほとんどの人が今後住宅を購入する意向があり、4割の人が現在購入を検討しているという結果からは、現在の上海における住宅への需要の高まりを強く感じることができます。

●グラフ7:【今後住宅を購入する意向があるか】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_07.gif

 続いて、今後どのような形態の住居に住みたいと思うかを聞きました。
 結果は「自分で購入した分譲マンション・アパート」(65%)が最も多くなっています。現住居形態についての設問の結果と比較して特徴的なのは、「自分で購入した一戸建て」を希望する人が34%いることです。34%もの人が一戸建てを希望しているにもかかわらず、実際に一戸建てに住んでいるのはわずか3%であるという結果の背景には、もともと供給が少ないことに加え、政府による規制も関係しているのではないかと推察されます。2006年、国土資源部は『別荘』建設プロジェクトへの土地提供と関連手続を全て停止する政策を明らかにし、別荘を全面的に整理する方針を打ち出しました。このような事情もあって、一戸建てに住みたいという希望はあっても今のところ実現しにくい状況にあるというのが実情なのではないでしょうか。

●グラフ8:【現住居の形態と今後希望する住居形態】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_08.gif

 続いて、住宅を購入する場合に最も重視する項目について聞きました。
 結果は「価格」が54%で最も多くなっています。最近は政府による過熱抑制策の影響などもあってか上海における2007年3月の住宅価格指数は前年同月比0.4%の上昇(国家発展・改革委員会発表)にとどまるなど不動産価格の上昇は抑えられてきています。しかし、一時期の急激な値上がり(上海中房公司経済発展研究所によると2003年3月から2004年3月までの1年間で住宅指数はおよそ30%の上昇)を経験した人たちにとって価格は特に意識される項目となっているのではないでしょうか。

●グラフ9:【住宅購入時の最重視ポイント】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_09.gif

●グラフ10:【住宅購入時の重視ポイント(男女別)】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_10.gif

 住宅購入時の最重視ポイントを男女別に見ると、男性は価格を特に重視する傾向があるのに対して、女性は男性に比べ「周辺環境」「広さ」「通勤距離」といった価格以外の項目を重視する割合も多くなっています。(株)日本総合研究所と楽天リサーチ(株)が行った「中国3都市で働く人たちの出会い・結婚に関する
調査」では、結婚に際して新しく家を購入した人のうち、「夫が購入した」という人が53%、「二人で購入した」という人が45%であり、「妻が購入した」と回答したのはわずか2%でした。中国では結婚を契機として住宅を購入する人も多いようですが、その場合には夫が購入する(お金を出す)傾向が強いようです。そういった事情からくる男女の意識の違いも今回の結果に表れているのかもしれません。
4.住宅に対する考え方
 近年の上海における不動産価格高騰の背景として、実需の伸びだけではなく投資目的での不動産購入が増加していることがあるといわれています。今回、それに関連して住宅に対する考え方についても調査を行いました。
 まず、「住宅は投資の対象である」という考え方に対して聞きました。結果は「全くそう思う」「そう思う」が合わせて73%となり、多くの人が住宅は投資の対象であるという意識を持っているという結果となりました。

●グラフ11:【「住宅は投資の対象である」と思うか】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_11.gif

 さらに、「住宅は投資の対象である」と思うか否かという考え方を住宅の所有軒数別で見てみると、複数の住宅を所有する人ほど住宅を投資の対象と考えている割合が高いということが分かります。別宅として使用するためだけではなく、投資目的で複数の住宅を所有する人も多く存在するということが所有者の意識の面からもうかがえる結果といえるのではないでしょうか。

 次に、「最近の不動産価格の上昇に辟易している」という考えについて聞いたところ、「全くそう思う」「そう思う」と回答した人が合わせて95%と大部分を占めました。

●グラフ12:【最近の不動産価格上昇に辟易しているか】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_12.gif

 この結果を見ると、住宅を所有していない人ほど不動産価格上昇に辟易しているという傾向が見られます。特に現在住宅を所有していない人は「全くそう思う」「そう思う」が100%となっており、これから住宅を購入するにあたって価格の上昇を懸念している様子が見て取れます。また、現在住宅を複数所有しており、不動産価格上昇によって資産価値が増加していると思われる層でも「全くそう思う」「そう思う」が合わせて88%となりました。前述の今後の住宅購入意向の結果と併せて考えると、これらの人たちは今後さらに住宅を購入しようと検討する中で価格上昇による負担増を懸念しているのではないかと推察されます。

 最後に、「不動産価格は今後も上昇を続ける」と思うかを聞きました。

●グラフ13:【不動産価格は今後も上昇を続けると思うか】
http://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0717/release_0717_13.gif

 「全くそう思う」「そう思う」が合わせて84%となっており、多くの人が今後も不動産価格の上昇が続くと考えているという結果となりました。中国政府は不動産価格の過度な上昇を警戒し、これまでに住宅ローン金利の引き上げなどの抑制策を講じてきており、最近は価格の上昇も一時期に比べ抑えられているようで
す。しかし今回の調査結果からは、いまだ消費者の中で不動産価格の上昇傾向が強く意識されているということがうかがえます。

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