2007年3月14日
株式会社三菱総合研究所
楽天リサーチ株式会社

キャリア選択理由
-エリアと海外のドコモ、エリアと端末のau、料金のソフトバンク
第25回携帯電話コンテンツ/サービス利用者調査結果より

https://research.rakuten.co.jp/report/20070314/
 楽天リサーチ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:森 学)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中 將介)は、15歳から69歳の男女を対象に、「第25回携帯電話コンテンツ/サービス利用者調査」を行った。
 調査は、2007年1月13日から1月23日にかけ実施し、39,971人の回答者の中から、2006年12月に携帯電話・PHSの新規契約・機種変更・キャリア変更を行った者2,000人を抽出し、対象とした。
 第25回調査ではMNP(携帯電話番号ポータビリティ制度)開始以降における携帯電話市場の新規契約、キャリア変更、機種変更の状況やその要因を調査し、携帯電話会社間の流出入構造を推計した。第25回調査の主な調査結果は以下のとおりである。

●2006年12月中における携帯電話会社間の流出入を推計すると、他社からの移行数ではauが最も多い結果となっている。auはNTTドコモ、ソフトバンクとの間でそれぞれ+11万件、+7万件の入超となっている。純新規ユーザー(全くはじめて携帯電話・PHSを契約したユーザー)の獲得では、au、ソフトバンクの健闘が目立つ。

●キャリア選択理由としては、NTTドコモへ移行したユーザーは、「通話可能エリアの広さ」「海外ローミン」、auへ移行したユーザーは、「通話可能エリアの広さ」「携帯電話機のラインナップ」「携帯電話会社のイメージ」「通話料金の安さ」を、ソフトバンクへ移行したユーザーは、「通話料金の安さ」を それぞれ理由に挙げている。

●移行ユーザーの特徴をみると、NTTドコモはライトユーザー(1日の平均利用時間3分未満)が流出し、ミディアムユーザー(1日の平均利用時間3分から5分)が 入している。auは、ヘビーユーザー(1日の平均利用時間5分以上)が流出し、ライトユーザーが流入している。ソフトバンクは、ソフトバンク同士の通話を無料(21時から1時までは最大200分)とする料金プランを新設したことによりヘビーユーザーが流入している。

●純新規ユーザーのキャリア選択理由をみると、NTTドコモは「通話可能エリアの広さ」、auは「通話可能エリアの広さ」「通話料金の安さ」、ソフトバンクは「通話料金の安さ」、ウィルコムは「通話料金の安さ」「パケット料金の安さ」がそれぞれ多く見られた。純新規ユーザーは、移行ユーザー(2006年12月中にキャリアを変更したユーザー)と比べると、通話可能エリアや料金を重視する傾向にある。
□■ 調 査 結 果 ■□
1.2006年12月における携帯電話ユーザーの流出入構造
(1)純増数内訳の推計結果ない理由
 2006年12月における携帯電話会社別純増数(携帯電話及びデータ通信等の通信モジュールに関する全くの新規加入からキャリア変更や廃止による解約を差し引いた加入者数)の内訳を推計すると、図1のとおりである。純新規件数をみるとau、ソフトバンクの健闘が目立っている。MNP(モバイル ナンバー ポータビリティ)純増(=MNPによる流入- MNPによる流出)は、auが最も多くなっている。非MNP純増(=MNPを利用しない流入-MNPをしない流出;解約(廃止)ユーザーを含む)において、auのマイナス幅が少ないのは、ツーカーからの同番移行(約12万件)が含まれるためで、ツーカーからの同番移行がない場合には-14万件 件であったと推定される。

図 1 純増数内訳の推計結果
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0314/0314_1.gif

(2)流出入構造
 携帯電話4社間の流出入構造を示すと図2のとおりである。他社からの移行が最も多いauは、NTTドコモ、ソフトバンクとの間でそれぞれ+11万件(=15万件(NTTドコモ→au)-4万件(au→NTTドコモ))、+7万件(=11万件[ソフトバンク→au]-4万件[au→ソフトバンク])の入超となっている。会社間の移行の84%(=39万件[MNP利用キャリア変更]/46万件[全てのキャリア変更※ただしツーカー→auの同番移行を除く])でMNPが利用されている

図 2 流出入構造
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0314/0314_2.gif
2.移行理由
(1)NTTドコモ
 NTTドコモへの主な移行理由をみると、「通話可能エリアの広さ」が多く、auからの移行では50.0%、ソフトバンクからの移行では44.0%が、「通話エリアの広さ」を移行理由として挙げている(図3)。またauからの移行理由として、「海外で利用できる国が多い」(30.0%)も目立ち、海外ローミングの充実が反映される結果となった。

図 3 NTTドコモへの移行理由
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0314/0314_3.gif

(2)au
 auへの移行理由としては、「通話可能エリアの広さ」「携帯電話会社のイメージ」「携帯電話機のラインナップ」「通話料金の安さ」が多く見られた(図4)。ソフトバンクからの移行理由は「通話可能なエリアが広い」(55.3%)が最も多く、次いで「携帯電話機のラインアップに魅力的なものがある」(34.2%)、「携帯電話会社のイメージが良い」(34.0%)の順となった。NTTドコモからの移行理由は「携帯電話機のラインアップに魅力的なものがある」(34.0%)が最も多く、「通話料金が安い」「通話可能なエリアが広い」(各32.9%)が続いた。auは他社に比べ、魅力的な点が多く、それが他キャリアからの移行が最も多い理由であると考えられる。

図 4 auへの移行理由
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0314/0314_4.gif

(3)ソフトバンク
 ソフトバンクへの移行理由は全体として「通話料金の安さ」が目立ち(図5)、NTTドコモからの移行理由の59.0%、auからの移行理由の45.5%を示した。

図 5 ソフトバンクへの移行理由
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0314/0314_5.gif

(4)まとめ
 以上をまとめると、図6の通りである。NTTドコモへの移行理由は、主に「通話
可能エリアの広さ」で、auに対しては「海外ローミング」も強みとなっている。一方、NTTドコモから他社への移行理由としては「携帯電話機のラインナップ」「通話料金」が指摘されている。

他のキャリアからauへの移行理由をみると、主に「携帯電話機のラインナップ」「通話可能エリアの広さ」が目立った。ソフトバンクからauへの移行に関しては、「携帯電話会社のイメージ」も強みとなっているが、auから他社への移行理由としては「海外ローミング」「通話料金」が挙げられる。

他のキャリアからソフトバンクへの移行理由は主に「通話料金の安さ」である。NTTドコモに対しては、携帯電話機のラインナップも強みとなっている。一方、ソフトバンクから他社への移行理由としては「通話可能エリア」が指摘されている。

図 6 携帯電話会社間の移行理由
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0314/0314_6.gif
3.移行ユーザーの特徴
 携帯電話会社を変更したユーザーの特徴を、1日当たり平均通話時間別にみると(ここでは1日の平均通話時間が3分未満のユーザーを「ライトユーザー」、3分から5分未満のユーザーを「ミディアムユーザー」、5分以上のユーザーを「ヘビーユーザー」とする)、NTTドコモはライトユーザーが流出し、ミディアムユーザーが流入している。auでは、ヘビーユーザーが流出する一方で、ライトユーザーが流入している。ソフトバンクはauと逆の現象で、ライトユーザーが流出し、ヘビーユーザーが流入している。ソフトバンクはMNPに合わせ、ソフトバンク同士の通話を無料(21時から1時までは最大200分)とする料金プランを提供しているため、ヘビーユーザーが流入してきたものを推測される。

図 7 通話時間別流出入状況
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0314/0314_7.gif
4.純新規ユーザーのキャリア選択理由
 純新規ユーザーのキャリア選択理由は、NTTドコモの場合「通話可能エリアの広さ」、auは「通話可能エリアの広さ」と「通話料金の安さ」、ソフトバンクは「通話料金の安さ」、ウィルコムは「通話料金の安さ」と「パケット料金の安さ」が多く見られた。移行ユーザーと比較すると、「料金の安さ」と「通話可能エリア」を重視する傾向にある。

図 8 純新規加入ユーザーのキャリア選択理由 (※純新規加入ユーザーが対象)
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0314/0314_8.gif
5.回答者の属性
回答者の属性は、以下の通りである。
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0314/0314_9.gif

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