2007年2月2日
株式会社日本総合研究所
楽天リサーチ株式会社

20-30代の上海ビジネスパーソンが今後注目するスポーツは
「水泳」と「テニス」
上海市内で働く人の運動・スポーツに対する実態意識アンケートより

 株式会社日本総合研究所(代表取締役社長:木本 泰行、東京都千代田区一番町16番)と楽天リサーチ株式会社(代表取締役社長:森 学、東京都港区六本木1-8-7)は、上海で働く20代、30代の中国人の方を対象に、「上海で働く人の運動・スポーツに対する実態意識アンケート」を実施しました。

 今回の調査は、2007年1月10日から1月15日までの期間に、楽天リサーチ登録モニター(約34万人)から上海市で働く20歳から39歳の男女を抽出し、有効回答を得た300人のデータを基に集計しました。
□■ 調査結果 ■□
過去1年間のエンターテインメント鑑賞経験の内容を見ると、映画が半数近くに上海で働く人の運動・スポーツの実施状況は、「週1-2回以上運動を行なう」との回答が全体の35%を占めた一方で、「全くしていない」「月1-2回程度」と頻度の少ない人も約半数という結果となりました。運動・スポーツを行なう理由としては、「健康・美容のため」「ストレス発散のため」という回答が多く、会社などで蓄積した心身の疲れを運動・スポーツによって解消している様子が読み取れます。

 よく行なわれている運動・スポーツは、回答数が多かった順に「屋外でランニング(ウォーキング)」「バトミントン」「サイクリング」となりました。これは、上海近郊で昔から人気があり、用具や場所代が比較的低額で気軽にできる運動・スポーツが上位にきたものと考えられます。また、今後試してみたい運動・スポーツは「水泳」「テニス」「機械・器具を使用した運動」となりました。これらは、マスメディアでの露出が増えているスポーツと推察され、用具や場所代が比較的高額な運動・スポーツであることから、あこがれの要素も多分に含んだ結果であることが伺えます。

 最近、上海市近郊で増加しているフィットネスクラブに関しての利用経験は「現在は利用していないが、過去には利用したことがある」と回答した人が一番多くなっています。有料フィットネスクラブを「現在利用していない人」「利用したことがない人」の理由が「料金が高いから」「手軽さがないから」であることも勘案すると、有料フィットネスクラブの利用者拡大並びに継続利用促進には、価格の低下と、より利用しやすいように工夫することが今後必要になってくると推察されます。
1.上海市内で働く人の運動・スポーツの実施状況について
今回のアンケートでは上海市の平均月収を上回る3,000元から9,000元※の収入を得る20歳から39歳の男女300名を対象としています。彼らは、現在の消費をけん引する人たちであると同時に、今後のトレンドを形成・発信していく層であると考えられます。

※ 2007年1月30日現在 1元=約15.6円(出所:Bloomberg)

グラフ1:
【『上海市内で働く人の運動・スポーツに対する実態意識アンケート』対象者属性】
 https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0201/release0201_01.gif

 上海で働く人の運動・スポーツの実施状況は、「週1-2回以上運動を行なう」人が全体の35%を占めた一方で、「全くしていない」「月1-2回程度」と頻度の少ない人も約半数いる結果となりました。昨今の上海経済成長を支える彼らは、仕事などが忙しく、運動不足気味であることが伺える結果となりました。

グラフ2:
【運動・スポーツの実施頻度について】
 https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0201/release0201_02.gif

 次に運動する理由を聞いたところ、一番多かった回答は「健康・美容のため」でした。最近上海市内で起こっている「健康ブーム」が、今回対象とした20-30代の人たちにも浸透していることが推察されます。次に多かった回答は「ストレス発散のため」でした。最近上海では、過労死やうつ病といったストレスに関わる問題が多くなっていますが、そのようなストレスを発散する手段として、運動・スポーツをする人が増えていることが結果より伺えます。

グラフ3:
【運動をする理由について(複数回答)】
 https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0201/release0201_03.gif
2.現在の運動・スポーツの実施状況と今後試してみたいスポーツ種目
 上海で働く人たちが実際にどんな運動・スポーツをしているのか、また今後どんな運動・スポーツをしていきたいのかを聞きました。

まず、現在の運動・スポーツの実施状況を聞いたところ「屋外でランニング(ウオーキング)」「バトミントン」「サイクリング」をしていると回答する声が多くなっています。これらは、昔から人気があり、また「用具・場所にあまりお金がかからない」「少人数でできる」といった、手軽な運動・スポーツであることが要因であると考えられます。一方で、「野球」「ゴルフ」「テニス」といった日本の社会人が良く行なうスポーツは、上海市内では普及していないという結果が得られました。

グラフ4:
【普段行なっている運動について(複数回答)】
 https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0201/release0201_04.gif

 普段行なっている運動の上位項目が「屋外でランニング(ウオーキング)」「バトミントン」「サイクリング」であることからも推察されるように、運動を行なう場所としては、「無料で利用ができる公園・団地の運動施設」が多くなっています。ただし、有料の施設、スポーツジム・フィットネスクラブにも一定数の人たちが利用していると回答していることから、運動を行なう場所・スタイルが変化してきている様子も伺えます。

グラフ5:
【普段運動している場所について(複数回答)】
 https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0201/release0201_05.gif

 次に、今後試してみたい運動を聞いてみました。その結果「水泳」「テニス」「機械器具を使用した運動」といった運動・スポーツが人気を集めました。上海市内には、温水プール、テニスクラブ、フィットネスクラブが相次いで新設されている影響もあり、上海市内で働く人の一部には、新しい運動・スポーツへの興味が高まっていることが伺えます。

 ただ、増えてきているとはいえまだ施設自体がそれほど多くないため、「水泳やテニスなどをやってみたいが、身近に施設がないのでできない」といったような理由から現在行えていない人もいるのではないかと推察されます。また、これら運動・スポーツは用具・施設費用が比較的高額であることから、「現在は費用
が高額でできないが、いつかは行なってみたい」といったあこがれの要素も多分に含まれている回答と推察されます。

グラフ6:
【今後始めたい運動について(複数回答)】
 https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0201/release0201_06.gif
3.有料フィットネスクラブに対する興味
上海市近郊で、最近増加しているフィットネスクラブに関しての興味について聞きました。

 まずは、有料フィットネスクラブの利用経験を聞いたところ、「現在は利用していないが、過去には利用したことがある」と回答した人が一番多くなっています。トライアルキャンペーンで利用したのみで会員にならなかったり、会員を脱退したりと、継続的に利用し続ける人は少ないことが読み取れます。また、個人月収別に有料フィットネスクラブの利用状況を見ると、個人月収が高い人ほど、利用頻度が高くなっています。

グラフ7:
【有料フィットネスクラブの利用状況】
 https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0201/release0201_07.gif

グラフ8:
【有料フィットネスクラブの利用状況(個人月収別)】
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0201/release0201_08.gif

 次に、フィットネスクラブを「利用したことがあるが現在は利用していない人」、並びに「利用したことがない人」に利用しない理由を聞きました。利用しない理由で一番回答が多かったのは「料金が高いから」でした。現在のフィットネスクラブの年会費が2,500元程度ですが、継続的に利用するにはまだ高い値段のよう
です。 言い換えれば、現在の上海のフィットネスクラブ会員になることはステイタスシンボルの要素を兼ね備えている状況と推察されます。また、利用しない理由として「手軽さがないから」という回答も多く挙がっています。入りにくい雰囲気や複雑な手続きから二の足を踏んでいる検討者もいると推察されます。

グラフ9:
【フィットネスクラブを利用しない理由(複数回答)】
 https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0201/release0201_09.gif

 今回のアンケート結果から、フィットネスクラブを「利用している人」は月収が高くなるほど割合が多くなりました。一方で「利用したことがあるが現在は利用していない人」、並びに「利用したことがない人」に利用しない理由を聞いたところ、「料金が高いから」「手軽さが無いから」という回答が多く挙がりました。
 これらの結果から推察すると、上海における今後のフィットネスクラブ運営の方向性として、現状のフィットネスクラブのように「年収の高い人たちをターゲットとした高付加価値なサービスを提供する高級施設」と、現在は料金が高いために利用していない人たちをターゲットとした「低料金で、手軽さを提供する大衆向け施設」の二つの方向性が考えられるでしょう。

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