AIアシスタントとは?
仕組みや種類・活用例を分かりやすく解説
音声認識技術を用いてユーザーの音声を認識し、応答するサービスをAIアシスタントといいます。
AIアシスタントは、近年急速に普及しており、スマートフォンやアプリ、スマートスピーカーなど、さまざまなデバイスに搭載されています。しかし、その仕組みや種類など、詳細まで把握している人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、AIアシスタントの概要や仕組み、種類について解説します。また、AIアシスタントを使用するメリットや活用事例も紹介するので、AI技術の理解を深める際に参考にしていただければ幸いです。
音声認識技術を用いて、ユーザーの音声に応じてさまざまなタスクを実行するAI技術・プログラムを、AIアシスタントといいます。
AIアシスタントには、ユーザーの音声を認識し音声で応答するものや、チャットボット形式で回答するものなど、さまざまな種類があります。
AIアシスタントによって、スマートフォンやスマートスピーカーなどのスマートデバイスの制御や、日常的なタスクの自動化、情報検索などがスムーズにできるようになりました。
なお、AI(人工知能)について詳しくはAI(人工知能)とは?仕組み・使い方・ビジネスの活用事例を解説をご覧ください。
AIアシスタントは、先述の通りスマートフォンやスマートスピーカーなどのデバイスで利用できる身近な存在です。
代表的なAIアシスタントとしては、SiriやAlexa、Google アシスタントなどが挙げられます。また、近年では電話対応や窓口対応など、さまざまなプロダクトやサービスにも導入され始めています。
AIアシスタントには、以下3つの機能が備わっています。
ここでは、AIアシスタントの仕組みについて、備わっている機能別に解説します。
AIアシスタントは、入力された音声をテキストに変換する音声認識機能を備えています。この機能は、録音されたボイスメモの文字起こしや、音声入力による操作など、さまざまな場面で活用されています。
また、AIアシスタントは、入力された音声の声色も認識できます。例えばAmazonが開発したAlexaは、囁き声で話しかけると、同じように囁き声で応答します。
人間が日常的に使用する言語を、コンピュータ上で理解・処理する技術が自然言語処理です。
人間の会話や話し言葉をAIアシスタントが検知する際、曖昧な表現や言い回しが多く、特定の意味に解釈するのが難しい場合があります。自然言語処理は、単語の組み合わせや文の構造などのパターンを学習することで、このような曖昧な言葉の意図を推測することができます。
AIアシスタントに搭載されている機械学習機能は、前述した音声認識や自然言語処理の精度を高めるための技術です。
機械学習では、膨大な音声データから言語のパターンを学習し、精度を向上させることができます。また、曖昧な表現や単語の組み合わせから、ユーザーの意図を推測することも機械学習機能の特徴です。
なお、機械学習について詳しくは機械学習とは?仕組みや活用例までわかりやすく解説をご覧ください。
AIアシスタントには、スマートフォンの操作やビジネス、自動車内の音声などさまざまな場面における「アシスタント」を可能にしたものが多くあります。
ここでは、主要なAIアシスタントの種類と機能について解説します。
身近なAIアシスタントの代表例としては、スマートフォンの操作をアシストするものが挙げられます。
SiriやGoogleアシスタントなど、スマートフォンに内蔵されているAIアシスタント(音声アシスタント)は、ユーザーが発話した内容にスマートフォン上で返答します。AIアシスタントを利用することで、アラーム設定やアプリの起動などスマートフォンの機能を簡略化するだけでなく、保存されている画像の検索やカレンダーの予定の確認、登録などスマートフォンの操作を効率化することも可能です。
AIアシスタントは、顧客からの問い合わせに対してチャットボットが自動応答できるため、ビジネスオペレーションの効率化に役立ちます。
主に、コールセンターや窓口の業務効率化に活用されており、パターン化された単純作業であれば、音声のみで実行することも可能です。さらに、スケジュール管理やメールの自動ソート、情報検索にもAIアシスタントが役立てられています。
自動車にもAIアシスタントが導入されるようになり、カーナビのルート案内などで使用したことがある方も多いのではないでしょうか。
AIアシスタントがあれば、カーナビでの音楽再生やメッセージの読み上げも、ハンズフリーで行うことができます。また、リアルタイムで交通情報を取得できるため、渋滞や事故の情報を即座に把握することができます。
AIアシスタントの使用には、手入力にかかる手間の軽減やミスの防止、ビジネスにおける業務効率化などのメリットがあります。
ここではAIアシスタントを使用することによるビジネス上のメリットと、注意点を説明します。
特定の業務や業種に特化したAIアシスタントも存在するため、様々な既存業務の効率化に貢献することが期待されています。
例えば、議事録などの書類作成を自動化して、事務作業の負担を軽減したり、顧客対応を自動化することで、人員配置を効率的に行うことができます。
さらに、メールやスケジュール管理、データ分析などの単純タスクを自動化することで業務時間を節約し、人員をより重要な業務に集中させたり、人為的ミスの削減による業務の精度や質の向上につながることも期待されています。
AIアシスタントを活用するとヒューマンエラーが発生しないため、業務上のミスを大幅に減らすことができます。
例えば、AIアシスタントには音声で指示することができるため、従来はパソコンで手入力していたインターネット検索や書類作成などの作業を音声入力で行うことができます。これにより、入力ミスを防ぎつつ、手間を軽減することができます。
AIアシスタントを利用する際は、音声認識の精度や利用環境への注意が必要です。
日々進化を遂げているAIアシスタントですが、完全に人間の声を理解しているわけではありません。そのため適切な滑舌や声量で操作しないと、音声認識が正しく行われない可能性があります。
また、音声で操作するため、周囲に操作内容が伝わってしまう点も注意すべきポイントです。そのため、音声認識を正しく行うための環境整備や注意を怠らず作業することが、AIアシスタントの効率的な活用につながります。
AIアシスタントを導入する際は、これらの注意点を踏まえて、導入の目的を明確にしてから活用することで最大の効果が得られます。
AIアシスタントは、カスタマーサポートやAIコンシェルジュなど、さまざまな場面で活用されています。
ここでは、AIアシスタントが活用される主な場面について紹介します。
AIアシスタントが普及したことで、24時間体制の顧客対応が可能になりました。
従来のカスタマーサポートは、担当者の稼働時間に限られており、たとえ交代制で24時間対応していても、稼働時間帯によっては人員数のばらつきなどの課題がありました。
AIアシスタントは、ユーザーの質問を正確に理解し、迅速に回答できるため、基本的な質疑応答はAIに任せ、人間はもっと複雑なサポートに集中できるようになりました。このようなカスタマーサポートの需要は、今後も高まるでしょう。
なお、楽天保険の総合窓口においても、AIによる音声自動応答を導入しています。楽天保険の総合窓口で導入されているAIアシスタントの詳細については、「楽天保険の総合窓口が、AIで音声自動応答を開始」をご覧ください。
外国人観光客の増加に伴い、AIアシスタントを観光案内所に導入する企業も増えてきました。例えば、福井県永平寺の観光案内所では「AIコンシェルジュ(小梅ちゃん)」を導入し、AIによる外国人観光客との会話を実現しています。
このようにAIアシスタントを導入することで、観光客の母語に対応した通訳を介すことなく、観光地の魅力やバスや電車の時刻など、観光において必要な情報を適宜提供できるようになりました。
AIアシスタントは、ユーザーの音声入力に応じて最適な回答を音声で発信するシステムです。
スマートフォンやスマートスピーカーなど、さまざまなデバイスに搭載されており触れる機会が多くなりました。
AIアシスタントは音声認識や自然言語処理、機械学習などの技術を組み合わせることで、スマートフォンの操作やビジネスアシスト、自動車の運転など、さまざまな場面での効率化が期待できます。
ただしAIアシスタントを導入する際は、音声認識の精度や利用環境を十分に考慮することが必要です。