フリマアプリでのお取引をより安心・安全に!偽造品の撲滅を目指すサービスとは?

楽天が運営するフリマアプリ「楽天ラクマ」と、日本最大級のブランド品リユースの「コメ兵」(以下、KOMEHYO)による、注目のサービス「ラクマ鑑定サービス」が始動しました。これは、「楽天ラクマ」で商品を購入したユーザーが必要に応じて商品の“検品”(商品のチェック)を依頼できるサービスです。KOMEHYOが買い取り対象とする、400以上のブランドの商品について、プロの鑑定士が目視やAIを用いて検品をします。

偽造品の流通撲滅を目的に無料(注1)で提供する本サービスは、2023年9月19日から試験運用をスタートしました。ユーザビリティの向上に向けた改善を繰り返しながら、追って実運用に切り替える予定です。

そんな「ラクマ鑑定サービス」について、Rakuten Today編集部は取材を実施。本サービスの事業責任者を担うKOMEHYOの松波之浩(まつなみ・ゆきひろ)さんと、「楽天ラクマ」のRyosukeさんのお二人から、近年におけるリユース品市場の実情や、偽造品の市場流入への対策などについて話を聞きました。

さらに編集部は、KOMEHYO鑑定士による商品の検品デモンストレーションを見学。本サービスの要である鑑定士の圧倒的な知識量と、経験値に裏打ちされた検品スピードに感嘆するばかりの私たちは、AI技術や膨大なデータベースも駆使して展開されるKOMEHYOの検品技術の高さを、ただただ驚き入って見つめていたのでした。

これらの取材をもとにして編集部が執筆した本記事を通して、「楽天ラクマ」の新しいサービスを皆様にご紹介します。


リユース品市場の不安を安心に変える、「楽天ラクマ」×KOMEHYOの新サービス

今、リユース品(中古品)市場が右肩上がりに規模を拡大しています。

自宅の不用品などをフリマアプリやリサイクルショップで売却する人が増加した背景には、コロナ禍の外出自粛による“おうち時間”が増えたことに加えて、歴史的な円安と長引く物価高の影響があると考えられています。物価高による節約志向の高まりからくる需要増加が、市場の拡大を一気に加速させているようです。

とはいえ、リユース品、特にブランドバッグなどのラグジュアリーブランドの商品においては、偽造品への不安がつきもの。商品を直接手に取ることができないオンラインでの取引や、相手の顔が見えないフリマアプリなどの個人間取引ではなおさらのことです。

そうした不安を払拭してオンラインにおけるリユース品市場の拡大を一層促進すべく、楽天のフリマアプリ「楽天ラクマ」では、注目のサービスをスタートさせました。日本最大級のブランド品リユース・KOMEHYOと提携して提供する「ラクマ鑑定サービス」は、購入した商品に対して不安を感じた時などに気軽に利用できる無料のサービスとなっています。

利用方法はとても簡単で、KOMEHYOの検品拠点に購入品を送るだけ。KOMEHYOの鑑定士によって、KOMEHYO独自の基準に沿って“検品”(商品のチェック)したのち、結果を出します。検品後はすみやかに購入品を送り返すといった流れになっています。

「対象となるのは、バッグや小物などからなる20以上のカテゴリー、400以上のブランドの商品です。『楽天ラクマ』で取引実績が大きいルイ・ヴィトンやシャネル、グッチ、プラダなどのラグジュアリーブランドにも対応しています。検品することで不安を解消し高価格でも安心して購入いただけると考えています」とKOMEHYO担当者の松波さんは言います。

「『楽天ラクマ』ではこれまでにも偽造品の出品そのものを厳しくチェックしてきました。過去の事例などに基づいた画像解析などを含む様々な検知ロジックによって、不正出品の抑制と排除に心血を注いでいます」と楽天ラクマのRyosukeさんは語ります。「ラクマ鑑定サービス」の提供開始後もこれまでと変わらず24時間365日体制でパトロールしていますが、それでもまだ購入品に不安を感じる場合には、ぜひ「楽天ラクマ」の新しいサービスの利用をご検討ください。


熟練の鑑定士、最新のAI技術、圧倒的なデータベースによる、KOMEHYOの偽造品流入防止プログラム

この「ラクマ鑑定サービス」は、KOMEHYOの卓越した検品技術によって支えられています。

ブランドバッグや宝石、時計、楽器、カメラなど、幅広いアイテムの買い取りと販売を手がけるKOMEHYOは、日本全国に100を超える買取センターを構えています。担当者の松波さんによると、KOMEHYOはコロナ禍や円安、物価高の影響下においても独自の出店戦略に基づいて順調に成長を続けているそうです。コロナ前の2019年8月と直近の2023年8月のデータを比較すると、『KOMEHYOに初めて品物を売却した人』は約1.2倍、『販売商品単価』は約2.3倍におよび、飛躍的な伸びをみせたと語ります。

全国の買取センターで買い取りした品物は、一度愛知県にある物流・生産拠点であるKOMEHYOの「商品センター」へ。年間170万点以上の商品をデータベース化して全国の買取センターにシステム配備することによって、偽造品の流入防止策を常にアップデートしています。KOMEHYOの主力商品であるブランドバッグなどはシーズンごとに新作として改められるため、膨大なモデルや型番、サイズなどを常に最新の状態で把握することは、偽造品の買い取りを防止する上で絶対不可欠な要素なのだそうです。

商品センターに送られた商品は、鑑定士によって改めて検品が行われます。時計、ブランドバッグなど各専門の熟練鑑定士による目利きと、AI機器も活用して検品を行っています。万が一店舗で偽造品を買い取りしてしまった場合にも、商品センターにおける5重のチェック(注2)によって、1点たりとも偽造品を出荷させない強固な水際体制を整えているのです。

商品は買い取り後、必要に応じて修理やメンテナンスなどが行われているため、KOMEHYOの店頭に並ぶリユース品は、まるで新品のように状態のよい品々ばかり。写真は「KOMEHYO SHINJUKU WOMEN」(東京・新宿)
一度人の手に渡ったとは思えないほどきれいな商品がずらり。

こうした厳しいチェックを日々繰り返しているKOMEHYOの熟練の鑑定士こそが、「ラクマ鑑定サービス」の検品にあたっています。ですから、自信を持ってこのサービスをお客様に提供することができるのです。

「楽天ラクマ」担当者のRyosukeさんは「まだ試験運用中のサービスですが、お客様より商品発送いただいてから2~3営業日以内(年末年始などのお休みを除く)で検品が行われるとあって、利用したお客様からはすでに高評価の声をいただいています。さらにはサービスの実施によって、『楽天ラクマ』の対象カテゴリーにおいて取引が活性化している傾向が見られるなど、順調な滑り出しを切れており、たいへん嬉しく思っています」と語ります。

OMEHYOの買取センターにおける検品のデモンストレーションのようす。「ラクマ鑑定サービス」でも同様の方法で検品が実施される。ルーペを使用して、金具の刻印や縫製の縫い幅など、ブランド固有の特徴を人の目ですばやく的確に確認。ご協力いただいたのは、鑑定士の熊澤さん。
人の目で判断しきれないものはAI技術も活用。マイクロスコープを使用して生地の表面などを撮影することによって、買い取り対象内なのか対象外なのかを判断する。「ラクマ鑑定サービス」の場合には、「基準内」か「基準外」で判定。
AI診断中の画面。画面左に写っているのは、マイクロスコープを通して見たバッグ表面の凹凸とプリント部分。ブランドや型番特有のパターンなどがあるとのことで、複数箇所を撮影した結果によって総合的にAIが判定を行う。


「楽天ラクマ」とKOMEHYOの使命と挑戦: 安全性が確保されたリユース品市場の未来へ

「楽天ラクマ」では、ラグジュアリーブランドの取引が盛んに行われています。その理由の一つには、“独自の巨大なエコシステム(経済圏)を形成する楽天が運営している”という点にあるようです。これを裏付けるように、“楽天だから安心”してラグジュアリーブランド商品をお取引いただいているということが、データ解析などによってわかっています。

そうして楽天を信頼してご利用いただいているお客様に報いるため、新しくスタートした「ラクマ鑑定サービス」が目指すのは、リユース市場における偽造品の撲滅です。その未来のために「楽天ラクマ」とKOMEHYOは、リユース市場において同業他社ともいえる存在でありながら、同じ方向を向いて結束することを決断しました。

本サービスを始めることは、KOMEHYOにとっても大きな挑戦です。鑑定サービスを外部提供することは今回が初めての試みで、これまでは“買い取りの一手段”でしかなかった鑑定そのものに価値を見出すことによって、新たなビジネスモデルの確立を目指します。そして、業界随一の目利き技術をもって健全で安心な取引をけん引したいと考えているのです。

リユース品市場における偽造品の撲滅は、「楽天ラクマ」やKOMEHYOなどのプラットフォーマーにとって、利用者に果たすべき責任です。リユース品を売買する皆様にとってプラットフォームの選択肢を増やし、リアルでもオンラインでも変わらぬ安心を提供できる環境を共に目指していきます。

※文中の内容・肩書などはすべて掲載当時(2023年11月2日時点)のものです。

本記事は、 KOMEHYOと「楽天ラクマ」それぞれの担当者へ取材した内容に基づいて、Rakuten Today編集部が執筆したものです。

松波之浩(まつなみ・ゆきひろ)さん/株式会社コメ兵 KOMEHYOカンテイ事業責任者。2005年に株式会社コメ兵へ入社し、ブランドバッグ部門の鑑定査定業務や商品仕入れに携わる。西日本エリア統括責任者や関西旗艦店 KOMEHYO梅田店店長を経て現職。

Ryosuke さん/楽天グループ株式会社 ラクマ事業部 プロダクト・サービス企画課 ヴァイスシニアマネージャー。フリマアプリ「楽天ラクマ」のサービス強化や改善に向けたプロダクト開発や、新規事業のプランニング推進に携わる。

(注1)KOMEHYOへ購入品を発送する際の送料はお客様負担となります。
(注2)買い取り→商品センター→メンテナンス→戻り→販売先と5重にチェックを行っていますが、商品によっては3重になる場合があります。

もっと見る
Back to top button