「Rakuten Optimism 2019」で三木谷が語った5G時代の社会変革とは?

「5G時代を、先取りしよう。」

テクノロジーが切り開く新しい時代への期待を込めたテーマのもと、今夏4日間、パシフィコ横浜にて楽天グループとして史上最大規模となるイベント「Rakuten Optimism 2019」を開催しました。

「Rakuten Optimism」は、楽天グループのエコシステム(経済圏)の概念とサービスへの理解促進、ブランド価値の向上を目的としたイベントです。

2018年9月、アメリカ・サンフランシスコで初開催以後、今回が2回目の開催。期間中は、真夏の暑さにも関わらず、約8万人の参加者が会場を訪れ、みなとみらいの海沿いにある大きなホールは賑いを見せました!

世界中の通信業界で大きな注目を集めている5G(第5世代移動体通信システム)時代の到来が近づくなか、楽天グループのビジネスリーダーたちが、各分野の第一線で活躍する業界有識者、著名クリエイターらとともに5G時代に関するディスカッションを繰り広げ、新しい時代への期待感を多くの参加者と共有。

また、イベントエリアでは5G時代に実現可能な楽天グループサービスの未来のエンターテインメントやサービスを体験できるコーナー、「楽天市場」の人気グルメコーナーなどが、老若男女問わず様々な参加者に楽しまれていました!

5Gによって社会はどのように変わっていくのでしょうか。

楽天社長三木谷がオープニングスピーチで語った、楽天グループの描く5G時代へのビジョンを一部レポートします!

楽天グループの歩みと5G時代へのビジョン

楽天が創業した22年前頃、インターネットにおけるダウンロードスピードは有線LANで28.8kbps程度、今は4G回線であれば10m-20mbpとなり、現在までに約1,000倍速くなりました。デバイスはデスクトップからラップトップやスマートフォンになり、最近ではウェアラブルデバイスなどIoTという形で様々なモノがインターネットでつながる時代に私たちは生活しています。

5Gにより、インターネットのスピードはさらに1,000倍速くなると言われています。こうした状況を踏まえ、三木谷は「20年前と比べて、100万倍速いインターネットスピードが実現されようとしています。今まさに、情報通信網というものがまったく違うものに進化しています」と大きな変化が目前にあることを話しました。

この20年の間に楽天も成長し、現在国内の楽天会員数は1億以上、グローバルでは約13億のサービス利用者が存在します。楽天のサービスは、ネットショッピング、クレジットカード、アプリ決済、オンライン銀行・証券、通信など様々な分野に広がり、国内では多くの人が何らかの楽天サービスをご利用いただいているという程になりました。

5G時代の到来に先駆けて三木谷は、「(「楽天市場」、「楽天カード」、「楽天トラベル」など)単体のサービスだけで勝負するのではなく、総合的に様々なサービスを組み合わせることによって、より大きな付加価値をお客様に提供していきたい」と話しました。

すでに起きている社会変化と新しいサービスの可能性

今後、5Gによるインターネットの高速化は社会にどのような変化をもたらすのでしょうか。三木谷は、抜本的な社会構造の変化が生まれ、サービスというものの概念が大きく進化していくと予測しました。さらには言葉の壁というものもAI(人工知能)によって飛び越え、国という定義も大きく変わるという可能性も示しました。

5G時代の到来を待たずして、すでに起きている社会変化の一例として、楽天のキャッシュレス化への取り組みを三木谷は紹介しました。

様々なキャンペーンがテレビコマーシャルで流され、政府も推進するキャッシュレス化への取り組み。楽天も注力しており、スマートフォン決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」や電子マネー「楽天 Edy 」、共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」など、楽天の様々なキャッシュレス決済の利用が広がっています。

今後は、それらを統合して、あらゆる場所で利用できるようにしていく、将来的にはBluetoothや顔認証、生態認証などによる決済も可能にしていきたいと三木谷は話しました。

楽天ではキャッシュレス化による社会的恩恵を実証をすべく、「東北楽天ゴールデンイーグルス」の楽天生命パーク宮城、「ヴィッセル神戸」のノエビアスタジアム神戸にて、スタジアム内の支払いを原則すべてキャッシュレスにするという前例のない試みを実施しました。

支払いは、「楽天ペイ(アプリ決済)」、「楽天Edy」、「楽天ポイントカード」(一部店舗を除く)と、「楽天カード」「楽天銀行デビットカード」を含む各種ブランドのクレジットカードとデビットカードのみ。

その結果、飲食購入金額が仙台では26.7%増、神戸では50.2%増というポジティブな結果を得ることができました。増加要因は来場者増など様々な理由もあり一概には言えないものの、大幅に減るのではないかという事前の心配を払拭するものとなりました。また、現場のお店からは支払いがスムーズになり、待ち時間が短縮することで購入が増加したり、計算間違えがなくなりレジ閉めが簡単になったりしたといった声が聞こえてきました。キャッシュレス化の効果は、作業の負担減や効率化にとどまらず、スタジアム内でどこに座るどのような顧客が、どんなものを購入しているのかといった様々なデータを分析することで、より利便性の高いサービス展開なども期待できます。

この結果について三木谷は、「今までのようにネット販売という概念から、リアルな店舗までを含めたデジタルコマースへと世の中が進化しています。その中でAI(人工知能)をどうやって使っていくか、あるいはキャッシュレスをどうやって実現していくかということを考えるのが重要だと思います」と語りました。

“モバイルネットワークの民主化”を掲げる新生「楽天モバイル」

楽天はこれまでMVNO(仮想移動体通信事業者)事業として、他社の電話回線を借りて携帯サービスを提供してきましたが、これからは自社で構築する通信回線網による新しい「楽天モバイル」サービスを提供していきます。

世界的にも高額な日本の携帯料金。より多くの人が利用しやすい価格にすべく、三木谷は“モバイルネットワークの民主化”というキーワードを挙げました。「安価なモバイルネットワークを実現し、スピードを上げます。5Gをなるべく早く導入することによって、誰もが高速ネットワークが使える、さらには様々な新しい使い方ができるネットワークを実現することに取り組んでいます」と話しました。

既存の携帯電話ネットワークは、固定回線の通信機器を携帯用に変えてつないで利用することが一般的です。その回線の中には、600ほどの通信機器が統合され、運用されています。

楽天は、このような回線を完全仮想化した新しいネットワークを構築しました。完全仮想化することにより、通信機器のようなハードウェアをソフトウェアのように変えることができます。ソフトウェア化の利点は、回線に新しい変更や更新が生じた際、ハードウェアだと機器そのものを変える必要がありましたが、ソフトウェアだと機器を変える必要はなくアップデートするだけで対応することができます。これにより、サービスの柔軟性向上、投資金額の抑制、ネットワークのメンテナンス費低減が可能であることを三木谷は強調しました。

「iPhoneの登場がデバイス上の革命を起こし、先進的な車をつくったと例えるならば、『楽天モバイル』はその車が走る道路自体に革命を起こすと言えるでしょう。完全仮想化ネットワークは今までの通信ネットワークの概念が変わる。そのことを証明します」とも話しました。

「モバイルエッジコンピューティング」で実現する未来

そして、今回のイベントのテーマである5Gについて、三木谷は楽天が実現する「モバイルエッジコンピューティング」による未来について話しました。

「一般的に5Gは今までよりも、超高速、低遅延、多接続といった点で革新的であると言われています。ユーザーに近い場所に仮想コンピューターを置く『モバイルエッジコンピューティング』によりその真価は発揮されます。大容量のデータをそのエッジ側で処理することで、遠くに置かれた従来の集中型サーバーでデータ処理することなく、ユーザー端末側でも大容量データを処理する必要なく、ゲームや動画などの大きなデータコンテンツを低遅延・超高速に利用することができます。そんな未来が来ようとしています」

共に歩み、持続可能な社会の実現へ 

今、私たちの社会に変化が生まれようとしています。新しい時代へ向かって共に歩んでいくことで、より良い時代を迎えられるのかもしれません。

最後に三木谷は、以下のメッセージとともにオープニングスピーチを締め括りました。

「私たちは5Gの時代に入ろうとしています。インターネットというものは、根本的な要素は変わらないと思います。世界中の人々をつなげることができ、あらゆるデータのフォーマットを一つにすることができます。生物の進化で言えば、アメーバ的なネットワークの時代から、そのDNAがどんどん進化していって、ついに5Gの時代が来ようとしています。世の中が変わり、通貨のあり方も、国という単位の考え方も変わるかもしれません。言葉の壁もAIで乗り越え、自動運転が実現され、医療が発達して人々が120歳まで生きる時代がくる。そんな時代が、この5年、10年のうちに来るでしょう。その一つの起爆剤が5Gです。

そこで楽天グループは、新しいスローガンを掲げることにしました。それは”Walk Together”という言葉です。われわれ自身だけが技術を使って成長するのではなく、今日お集まりいただいているビジネスパートナーの皆さま方、コンシューマーの皆さまや様々な方と共に、新しい時代を築いていくという決意を込めています。皆さまと、Win-Win-Winの関係をいかに継続可能な形で実現していくかを考えていきたいと思います」


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