2007年12月19日
楽天リサーチ株式会社

利用者の約9割が満足、利用意向は保有アカウント複数層で約6割
-アグリゲーションサービス(口座一括管理サービス)
に関する調査より-

 楽天リサーチ株式会社(代表取締役社長:森学、本社:東京都品川区)は、複数の金融機関の口座を一括管理出来るアグリゲーションサービス(以下、アグリゲーションサービス)に関するインターネット調査を実施した。調査では、2007年12月中旬に楽天リサーチ登録モニター(約140万人)の中から、20-60代男女計2000人を対象に行い、サービスの満足度や利用意向などについて、金融商品に関するオンラインサービスのアカウント保有数別と利用商品の併用状況別に分析を行った。


□■ 調査結果 ■□

■アグリゲーションサービス利用率が最も高いのは、
 金融商品に関するオンラインサービスのアカウント保有数「6以上」層

 銀行口座やクレジットカード、証券口座における口座残高や取引履歴など利用状況の確認方法についてたずねたところ、銀行口座では「通帳や郵送される利用明細書」(67.4%)、「ATMやATM利用時に出る利用明細書」(60.7%)、クレジットカードでは「通帳や郵送される利用明細書」(75.1%)「パソコンによる金融機関提供のオンラインサービス」(51.7%)、証券口座では「パソコンから金融機関提供のオンラインサービス」(69.8%)が半数以上を占めており、主流の確認方法となっているようだ。「アグリゲーションサービスで確認」と回答した人を見てみると、証券口座利用者で19.0%と最も多いが、銀行口座利用者、クレジットカード利用者では8%未満である。

 オンラインサービスのアカウント保有数別にアグリゲーションサービスの利用者を見てみると、アカウント保有数が多くなるにつれ利用率は高くなっており、「6以上」では24.6%である。しかしながら、同じ「6以上」の約8割(75.4%)は非利用者であること、また「6以上」層は全体の10.0%と少数派であることから、アグリゲーションサービスの普及率はまだ低いようだ。

 利用口座別に、「アグリゲーションサービスで確認」との回答を見てみると、全体では利用率が8%未満であった銀行口座やクレジットカードでも、アカウント保有数「6以上」では、2割前後となっている。(銀行口座利用者:21.9%、クレジットカード利用者:15.1%、証券口座利用者:21.0%)
■アグリゲーションサービスの満足度は約9割。
 満足点のトップは「無料で利用できる」。

 アグリゲーションサービス利用者にアグリゲーションサービスの満足度を聞いたところ、「とても満足」(18.5%)と「どちらかといえば満足」(67.9%)を加算した満足層は約9割(86.4%)である。しかしながら、オンラインサービスアカウント保有数が増えるほど満足層は減り、アカウント保有数「6以上」(81.6%)が「1」(91.8%)を10.2ポイント下回っている。

 満足点としては、「無料で利用できる」(67.4%)が突出して多く約7割を占め、次いで「パソコン上で利用できる」(41.4%)、「複数の口座情報が一度に閲覧できる」(38.6%)が約4割、「ポイントやマイルの確認ができる」34.0%)「IDやパスワードの管理が便利」(32.6%)、「オンラインショッピングの履歴が確認できる」(27.4%)が約3割となっている。 オンラインサービスアカウント保有数別では、保有数「1」で「オンラインショッピングの履歴が確認できる」(42.2%)に約4割が満足しているのが特徴的である。また、保有数「6以上」では、「無料で利用できる」(82.5%)「複数の口座情報が一度に閲覧できる」(80.0%)、「IDやパスワードの管理が便利」(65.0%)、「ポイントやマイルの確認ができる」(52.5%)で約5-8割と顕著に高い満足度となっている。また、「対応している金融機関やサービスが多い」(40.0%)、「各オンラインサービスの操作方法をそれぞれ覚えなくて済む」(25.0%)においても高い満足度となっており、利用するオンラインサービスが多い層のニーズに対応できているようだ。

 一方、不満点については、「対応している金融機関が少ない」(38.2%)が最も多く約4割、次いで「セキュリティ面で不安がある」(26.5%)、「操作方法がよく分からない、機能を使いこなせない」(26.5%)で約3割である。 また、アグリゲーションサービスのメリットであるID・パスワード管理の利便性に反して、「ID・パスワードの管理が不便」(23.5%)との回答が約2割見られ、不満点の4位項目として挙げられている。


■今後最も利用したい機能は、「クレジットカード支払い時の残高不足アラート」機能。
 証券口座併用層では「ポートフォリオへのデータ取り込み機能」。

 今後最も利用したい機能としては、「クレジットカード支払い時の残高不足メールアラート機能」(16.9%)が最も多い。その他の項目においても1割前後のニーズが見られるが、「特にない」との回答が18.9%であり、アグリゲーションサービス利用者の約2割は現状に満足している様子である。

 利用口座の併用状況別に見ると、「銀行口座+クレジットカード」層で「クレジットカードの支払い時の残高不足メールアラート機能」(22.9%)「銀行口座+クレジットカード+証券口座」層で「ポートフォリオへのデータ(証券口座残高や銘柄一覧など)取り込み機能」(17.0%)が最も多い。

■アグリゲーションサービス「全く知らない」は約6割。
 アカウント保有数「6以上」でも約5割。

 アグリゲーションサービス非利用者にアグリゲーションサービスの認知度をたずねたところ、「全く知らない」が62.1%と約6割を占めており、「利用したことはないが、サービスの内容まで知っている」と回答したのは9.9%にとどまっている。
 
 オンラインサービスのアカウント保有数別に見ると、保有数が増えるほど、「利用したことはないが、サービスの内容まで知っている」とのサービス内容認知率は上がる傾向にある。「全く知らない」との回答は「6以上」(49.3%)で約5割、「0」(67.0%)と「1」(67.6%)では約7割にのぼる。
■利用意向層と非利用意向層が約半数ずつ。
 保有アカウントが複数になると、利用意向が高まる傾向。

 アグリゲーションサービスの利用意向については、「ぜひ使ってみたい」(7.6%)、「どちらかといえば使ってみたい」(43.1%)を加算した利用意向層は50.7%、「どちらかといえば使いたくない」(35.6%)、「使いたくない」(13.7%)を加算した非利用意向層は49.3%と、利用意向層と非利用意向層がそれぞれ約半数であった。

 利用口座の併用状況別に見ると、「銀行口座+クレジットカード」(52.9%)、「銀行口座+クレジットカード+証券口座」(50.1%)、「銀行口座+証券口座」(53.7%)、「クレジットカードのみ」(53.0%)で利用意向層が半数以上であるが、「銀行口座のみ」では非利用意向層が56.2%であり、利用意向層を12.4ポイント上回っている。 オンラインサービスアカウント保有数別では、保有数「1」以下では非利用意向層が半数以上であるものの、オンラインサービス利用者の中で最も多い「2-5」層(55.2%)と「6以上」(59.1%)では利用意向層が約6割となる。アカウント保有数が複数になると、アグリゲーションサービスの利用意向が高まるようだ。

■利用状況を閲覧したいサービスでは、「オンラインショッピング購入履歴」、
 「ポイント・マイル」、「電子マネー」も。

 アグリゲーションサービス利用意向者に、アグリゲーションサービスで利用状況を
閲覧したい商品やサービスについて聞くと、「銀行口座」(85.1%)、「クレジットカード」
(79.7%)が約8割以上である。次いで、「公共料金の利用料」(65.0%)、「携帯電話
利用料」(62.7%)、「オンラインショッピングの購入履歴」(62.3%)、「ポイント・マイル」
(61.5%)で6割以上の回答があった。
そのほか、「電子マネー」(35.7%)が約4割である。全12項目中10項目に約3割以上
のニーズがみられ、幅広い情報の閲覧性が求められている。

 オンラインサービスアカウント保有数別では、とくに「クレジットカード」、「ポイント・マイル」、「証券口座」、「生命保険等各種保険」、「電子マネー」において、保有数が増えるにつれ回答率も高くなっており、保有数「6以上」では、「クレジットカード」:90.1%、「ポイント・マイル」:77.8%、「証券口座」:56.8%、「生命保険等各種保険」:50.6%、「電子マネー」:48.1%と、特徴的に高い傾向が見られる。

■懸念点は「セキュリティ面」「利用料」「システムの安定性」。
サービス名の見直しも課題か。

 アグリゲーションサービスの非利用者に、アグリゲーションサービスを利用するにあたっての懸念点についてたずねると、「個人情報の取り扱いやセキュリティ面」が最も多く73.8%、次いで「サービス利用料」(61.9%)、「システムの安定性」(60.3%)で約6割、「サービス提供元企業の信頼性」(47.3%)で約5割となっている。そのほかにも、「対応金融機関・サービス数」(38.2%)、「サービス利用にあたっての条件」(33.3%)、「操作方法の分かりやすさ」(32.2%)でも約3-4割を占めている。アグリゲーションサービスの普及度に関する項目を見てみると、「内容があまり知られていない、分かりにくい」との回答は21.9%であった。 また、「『アグリゲーションサービス』という言葉が分かりにくい、覚えにくい」は22.4%であるのに対し、「『口座一括管理サービス』という言葉が分かりにくい、覚えにくい」は7.4%にとどまっていることから、「アグリゲーションサービス」というサービス名の見直しも課題のようだ。

 アグリゲーションサービス利用意向別に見ると、利用意向層では「サービス利用料」(75.1%)と「個人情報の取り扱いやセキュリティ面」(74.9%)がほぼ同率で最も多い回答となっている。また、「対応金融機関・サービス数」(54.9%)、「操作方法の分かりやすさ」(43.8%)、「入出金や取引ができるかどうか」(37.8%)という具体的な利用シーンをイメージした項目で高い回答率になっているのが特徴的である。
■利用意向層へのPRは、「ホームページ、メールマガジン」
「情報サイトや掲示板」のインターネット媒体が有効

 アグリゲーションサービスのサービス内容非認知者に、どのような情報源であればサービス内容が分かりやすいか聞いてみると、「サービス提供元企業のホームページ、メールマガジン」が最も多く58.4%、次いで「サービス提供元企業からのチラシ、DM」(33.1%)、「新聞記事・広告」(31.2%)、「情報サイトや掲示板など」(30.1%)、「テレビ、ラジオ」(28.7%)が約3割で続く。

 アグリゲーションサービス利用意向別の利用意向層を見てみると、「サービス提供元企業のホームページ、メールマガジン」が69.8%と顕著に高く、次いで「情報サイトや掲示板など」(37.3%)、「サービス提供元企業からのチラシ、DM」(35.3%)が約4割で続いている。 また、非利用意向層と比べると、「サービス提供元企業のホームページ、メールマガジン」では23.3ポイント、「情報サイトや掲示板など」では14.6ポイント上回っている。アグリゲーションサービス利用意向層はインターネットでの情報収集度が高く、インターネット媒体でのPRが有効のようだ。


◆◆◆関連サイト◆◆◆
楽天マネーサービス「口座管理サービス」
http://service.money.rakuten.co.jp/top/aggrigation.html
2007年11月12日にリニューアルした楽天マネーサービスの「口座管理サービス」。銀行や証券会社、クレジットカードなど、66の金融サービスの残高情報を一覧で表示できるサービスを提供中。


【調査概要】
調査エリア:全国
調査対象者:20代-60代男女
回収サンプル数:2000サンプル(性年代別均等割付 各セル200サンプル)
調査期間:2007年12月10日-11日
調査実施機関:楽天リサーチ株式会社


以上

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 グラフ付きの調査結果は以下URLからご覧いただけます。
 ⇒ https://research.rakuten.co.jp/report/
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※ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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