2007年5月10日
株式会社三菱総合研究所
楽天リサーチ株式会社

スマートフォンの利用意向は29.6%、
男性層、若年層で利用意向が高い
パケット料金プランの充実が課題
-- 第26回携帯電話コンテンツ/サービス利用者調査結果より --

 楽天リサーチ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:森 学)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中 將介)は、15歳から69歳の男女を対象に、「第26回携帯電話コンテンツ/サービス利用者調査」を行った。
 調査は、2007年3月19日から3月22日にかけてWeb上で実施され、回答者は1,677人、そのうち主要4社(NTTドコモ〔携帯電話・PHS〕、KDDI〔au、TU-KA〕、SoftBank、ウィルコム)の携帯電話・PHS利用者(※)は1,493人(回答者の88.5%)であった。
※以下、特に記載がない限り、記事中の数値は主要4社利用者に対する割合とする。
※性別・年代別で等数となるようなウェイトバック集計を行っている。以下、特に記載がない限り、回答比率はウェイトバック集計後の値で、一方、回答数(n数)はウエイトバック集計前の実回答数で掲載する。

 第26回調査はスマートフォンの理解・認知状況、利用意向、および利用方法の予定などについて調査した。スマートフォンはビジネス系のアプリケーションなど、高度なアプリケーションや機能を利用可能な携帯電話端末の総称であり、入力デバイスとして、キーボード、ソフトキーボード、手書き文字認識のいずれかが利用できる端末であることも特徴のひとつである。また、2005年末にウィルコムがW-ZERO3を発売してから特に注目されてきており、新たなモバイルツールとして期待されている。

 第26回調査の主な調査結果は以下の通りである。

●スマートフォンの理解率(「内容までよく知っている」)は3.3%、認知率(「理解率」+「ある程度の内容まで知っている」+「名前を聞いたことがある程度」)は46.0%である。男性は5割以上が認知している。年代別では、30代・40代において最も認知が進んでいる。

●全体の29.6%がスマートフォンの利用意向を示している。男性層、10代などの若年層(学生等)において利用意向が高い傾向にある。

●スマートフォンの利用理由は、「PCに比べ持ち運びが楽」が最も高く78.7%である。最も利用したいアプリケーションはメールで、80%以上である。

●スマートフォン端末選択時に重視・チェックするポイントとしては、「定額料金プランが充実」が最も高く76.4%である。

●スマートフォンの導入課題としては、「パケット量が増えるので通信料金が不安」が53.7%で最も高く、次いで「通信速度が遅い」(34.5%)、「紛失時のセ キュリティが不安」(34.3%)である。
□■ 調 査 結 果 ■□
(1)スマートフォンの理解・認知状況
 スマートフォンについて「内容まで良く知っている」という割合は全体で3.3%であった。「ある程度の内容まで知っている」、「名前を聞いたことがある程度」までを含めた、スマートフォン認知ユーザーの割合は46.0%であり、携帯電話ユーザーの約半数は認知していることになる。

 性別・年代別に見ると、男性ユーザーでは50%以上のユーザーがスマートフォンについて認知しており、また内容についても理解しているユーザーの割合が高い傾向にある。年代別には、30代、40代において最も認知が進んでいる傾向にある。

●図 1 スマートフォンの認知状況
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0507/release_0507_01.gif
(2)スマートフォンの利用意向
 スマートフォンの利用状況・利用意向を見ると、 回答者全体の29.6%が利用意向(「すでに利用している」を含む)を示した(図 2)。性別・年代別で比較すると、男性ユーザー層や若年層において利用意向が高い傾向にある。とくに、10代ユーザーの場合には、現状での利用率は低い一方、今後「ぜひ利用したい」という割合が全セグメントで最も高い結果(7.2%)となった。

●図 2 スマートフォンの利用意向
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0507/release_0507_02.gif

 図3はスマートフォンの利用意向について、回答者の職業別に見た結果である。
会社員・公務員、自営業、専門職といった有職者において利用意向が高いほか、学生(大学生、専門学校生、高校生など)においても利用意向が高い傾向にある。

●図 3 職業別のスマートフォン利用意向
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0507/release_0507_03.gif
(3)スマートフォンの利用理由、利用方法
 スマートフォンの利用意向者が挙げる利用理由としては、「PCに比べ持ち運びが楽」という割合が最も多く、78.7%を占める。次いで、「携帯電話に比べて画面が大きい」、「キーボードが利用可能」、「ワード等のオフィスソフトが利用可能」といった理由を挙げているユーザーが多い(図 4)。スマートフォンの利用意向者は、スマートフォンに対して既存のPCと携帯電話の両方より優れた点を評価しており、利用ニーズにつながっていると考えられる。

●図 4 スマートフォンの利用理由
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0507/release_0507_04.gif

 スマートフォン利用意向者が利用したいアプリケーションとしては、メールが最も多く80%以上となっている。次いで、ホームページの表示・閲覧、予定表・スケジュールラ、エクセル、ワードの順となっている。また、ワンセグ放送の視聴、ゲーム(オンラインゲームを含む)といった、非ビジネス系のアプリケーションを利用したいというユーザーも少なからず存在している(図5)。

●図 5 スマートフォンで利用したいアプリケーション
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0507/release_0507_05.gif

 スマートフォン端末選択時に重視・チェックするポイントとしては、「定額料金プランが充実」というポイントを挙げた回答者が、最も多かった(76.4%)。この理由としては、スマートフォンを利用する際には、データ通信量が増加する可能性があるため、使用料金を抑制できるような定額料金プランを求めるユーザーが多いと考えられる。
 そのほかには、「小型・軽量である」、「画面サイズが大きい」といったハードウェア面、「端末のOSがWindows系である」、「インターネットのHPが、PCで見るように表示可能(フルブラウザ等)」といったソフトウェア面のポイントを挙げているユーザーが多い傾向にある(図6)。

●図 6 スマートフォン端末選択時に重視・チェックするポイント
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0507/release_0507_06.gif
(4)スマートフォンの導入課題
 スマートフォンを利用する上での課題について、スマートフォンについて「内容までよく知っている」、「ある程度の内容まで知っている」という回答者に限定して回答結果を集計したものが、図7である。

この結果を見ると、「パケット量が増えるので通信料金が不安」を挙げたユーザーが最も多く(53.7%)、次いで「通信速度が遅い」、「紛失時のセキュリティが不安」という課題が続いている。 上述の図6(端末選択時の重視ポイント)でも、定額料金プランの充実化を挙げているユーザーが多かったが、定額料金などのスマートフォン向け料金プランの拡充が、スマートフォンの普及拡大に向けた重要課題と考えられる。

●図 7 スマートフォンを利用する上での課題
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0507/release_0507_07.gif
【回答者の属性】
回答者の属性は、以下の通りである。
https://www.rakuten.co.jp/pr/2007/0507/release_0507_08.gif

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