食品ロスをなくす、「循環型備蓄」とは?サステナブルな災害への備え方。

東日本大震災から10年。地震に限らず、気候変動の影響によって、これまで経験したことのない大雨、数十年ぶりの大雪、といった自然災害に関するニュースが続いています。

「楽天インサイト」が2019年12月に発表した「防災に関する調査」では、災害に対する備えの問いに対して、「飲料水の常備」ができている人は半数近い47.0%、「非常食の常備」は32.9%でした。一方、「特に備えていない」と回答した人は23.3%でした。

「もしも自分の住むエリアで何らかの自然災害に見舞われた時、電気や水道といったライフラインが断たれた時、ある程度の余裕を持って対応できるだろうか?」「少なくとも救援物資が届くまでの数日間でも凌げるようにしようと調べてみると、揃えるべき品目が思ったよりもたくさんあって、結構お金もかかる・・・。しかも非常食って使わなかったら単に食品ロスになるんじゃないの?」などと考えているうちに、やるべきこととは理解しつつも先延ばししてしまっていないでしょうか。

近年では、そんなお悩みを解消してくれるような、循環型備蓄(ローリングストック)というサステナブルな災害への備え方が推奨されているそうです。その概念を、楽天のサービス上の役立つ関連情報とともにご紹介します。

備蓄に良い循環を!循環型備蓄という考え方

循環型備蓄とは、普段使いの食品を少し多めに購入して備蓄にまわし、賞味期限や消費期限が近づいたものから日常食材として消費すると同時に買い足して備蓄分を補充していくことで、常に一定量の食品を確保できている状態を維持する方法です。ローリングストックとも呼ばれていて、あまり聞き慣れない表現だと思いますが、ストック(備蓄)をローリング(回転)させるという言葉通りの意味です。

循環型備蓄のイメージ。

農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」においても、循環型備蓄は基礎的な考え方として採り入れられています。長期保存が可能な非常食に限らず、一般的なレトルト食品や缶詰、お米、乾麺といった馴染みのある食品で良いそうです。日持ちする野菜類やいつもの調味料も対象です。例えば、今使用しているお醤油がなくなりそうになったら、備蓄していたボトルを開けるようにして、新たに購入したボトルを備蓄分に補充します。非常事態でも、普段から使い慣れたもの、食べ慣れたものが手元にあればひとまず安心ですよね。

備蓄食材に関する特集サイトでアイデア探し

非常事態を迎えないまま時が経つことは何よりも望ましいことですが、たとえ突然災害が起きて買い出しに行くことができなくなっても食の不安なく過ごせるようにしておきたいものです。そのため、押し入れの奥で忘れ去られることのないよう、日々の食生活の中で循環型備蓄を取り入れることが大事なのです。

でも何を買っておくべきでしょうか?備蓄品でどんな料理が作れるのでしょうか?そんな時には、「楽天レシピ」を是非アイデア探しにご活用いただければです。楽天は、家庭用備蓄推進活動「DAILY STOCK ACTION®(DSA)」(注1)の考えに共感し、「楽天レシピ」のDAILY STOCK ACTION特集ページで、常温保存食品で簡単に作ることができるレシピを掲載しています。

また、「楽天市場」の「備えて安心 防災・災害グッズ特集」ページでは、基本の防災グッズとして、ジャンル別に便利なアイテムを紹介しています。非常時にカセットコンロなどで熱源が確保できれば、調理の幅がぐんと広がりそうですね。

「楽天市場」の「備えて安心 防災・災害グッズ特集」ページ 。

こうした特集サイトでは、国や自治体が公開している防災や備蓄に関するガイドライン同様に、一定の備えを確保するための品目リストや分かりやすい実践ノウハウなどの知識や情報を得ることができるので、防災対策を見直す際に目を通しておくことをおすすめします。

ふるさと納税で備蓄用品を揃えることにも意義をもたせる

備蓄を充実化しようとすると、さらなる出費は避けられないものですが、ふるさと納税を活用するというのもひとつの手ではないでしょうか。ふるさと納税では、寄附によって自治体を支援することで税金の還付や控除を受けられ、さらに特産品などの返礼品を受け取ることができます(注2)。一次産品を中心にそれぞれの地域の特色が出る充実したラインアップは循環型備蓄においても大変有効です。

「楽天市場」のふるさと納税担当者によると、実際に「楽天市場」の商品検索で、「ふるさと納税」と「防災」のキーワードを掛け合わせて検索される回数は年々増加の傾向が見られるそうです。特に、「防災の日」である9月1日前後や、自然災害によって甚大な被害が生じた時期などは、意識の高まりが読み取れるそうです。

ユーザーによる「ふるさと納税」と「防災」のキーワードを組み合わせた検索件数の推移。

多くの自治体が参加する「楽天ふるさと納税」で、特に注目いただきたいのは、かつて震災などの自然災害を経験された自治体です。返礼品の中には、レトルト食品や缶詰等の備蓄向きの食品だけでなく、「あったらよかったのに!」という非常時の実体験の声を元に地元企業が生んだアイデア返礼品も含まれています。

宮城県石巻市では、食料品や飲料水、衛生用品が3日分入った「非常時おたすけ箱(防災グッズ)」も返礼品となっています。なんとこの外箱自体も簡易トイレになるそうです。地元のレトルト食品製造会社さんが開発された備蓄用品とのことで、常温でも食べられる和食ベースのレトルト食品が魅力です。

宮城県多賀城市の返礼品のひとつである「備蓄用ゼリーLIFE STOCK」は、お菓子型の非常食ではどうしても喉が渇いてしまうため、水が不足する状況ではベストとはいえなかったという経験から開発された備蓄用品です。子どもから高齢者まで、手軽に栄養を摂取できる万能品ですね。

(左)非常時おたすけ箱(防災・備蓄グッズ)(右)備蓄用ゼリー LIFE STOCKお手軽お試しセット。

そして、忘れてはならないのは、ふるさと納税が自治体への寄付を通じて地方創生を支える制度であることです。支援したい地域を自分で選べるだけでなく、自治体によっては寄付金の使い道を寄付者自身が決めることもできます。

被災自治体の多くは、人口減少などにより、財政に先行き懸念があるといわれています。寄付を通じて、被災地の産業振興やまちづくり、これからの防災対策へと役立ててもらうことができれば、意義のあるアクションとなり得ます。

災害について考える機会の増える今、身近なことから始められる循環型備蓄で、自身の非常時の対策だけでなく、被災地支援をするという好循環をもたらしてみませんか?

(注1)「日常的な常温保存可能食品を一定量ストックしながら食べていこう!」という家庭での食料備蓄推進プロジェクト(調達・ストック・消費がしやすい常温保存可能食品のローリングストックの推進)

(注2)自己負担金を最低額(2,000円)に抑えながら、ふるさと納税をする寄付額には上限があり、給与収入と家族構成によって異なります。控除上限金額の目安をご参照ください。

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