「モノを売るのは難しい」 高校生が「楽天IT学校」で学んだこと

インターネットショッピングのいいところは、時間や場所にとらわれることなく、どこからでもモノを売ったり買ったりすることができることですよね。誰でもお店を構えることができるからこそ、他との違いを出して差別化を図っていくのは、難しいもの。

今年、開設から20周年を迎える「楽天市場」には、熱い想いを持った多種多様な出店店舗さんがあつまり、それぞれユニークなショップを展開しています。そこには、お客様に商品を選んでもらうためのノウハウが、たくさん蓄積されています。

そんなノウハウを、次世代を担う若者に伝えて、将来の進路設計に役立ててもらいたい。そんな思いから楽天が2008年から続けているのが、高校生を対象にした電子商取引の出張授業「楽天IT学校」です。

「楽天IT学校」って何?

「楽天IT学校」は、楽天のCSR(社会貢献)活動の一環として、経済と地域の活性化への貢献を、社会により見える形で還元していこうと、高校生を対象に始めた取り組みです。

「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」という企業理念のもと、インターネットサービス事業を展開する楽天ならではの活動の一つです。

「楽天IT学校」を始めたころは、「楽天市場」を例にした授業のみでしたが、その後「楽天トラベル」を使った授業も行われるようになりました。

どんな授業をするの?

授業は毎年5月から12月の間、全8回開催されます。講師を務めるのは、楽天社員や、「楽天市場」に出店する店舗さん、「楽天トラベル」に登録する施設さんです。

参加する各学校では、約3~5人ずつでチームを結成し、商品価値の伝え方やマーケティングの基礎を学んだあとに、課題として割り当てられた商品や宿泊プランの企画、商品を販売するウェブページの制作や販促活動に取り組みます。

授業で重視されるのは、実践性。実際のお店やホテルを見学してアイディアを練ったり、買ってほしい相手に商品やプランの良さをどのように伝えるかをディスカッションしたりして、商品・宿泊プランのページを作り上げていきます。

商品や宿泊プランは実際に、「楽天市場」や「楽天トラベル」で販売されるため、高校生たちは売れ行きを検証し、商品・宿泊プランの見せ方などに改善を加え、より魅力的なページにしていきます。

「楽天IT学校甲子園」で日本一決定!

「楽天IT学校」の集大成となるのが、全ての授業が終わった後に開かれる「楽天IT学校甲子園」です。全国から選抜された各校の生徒が東京に集まり、それぞれが授業で学んだことを、3分の持ち時間で発表します。

1月13日(金)に行われた「楽天IT学校甲子園2016」では、参加65チームが、自分たちが販売を担当した商品・宿泊プランの特長や授業で学んだことを伝えるため、手作りのパネルや動画を使ったり、寸劇や替え歌の演出を加えたり、さまざまな工夫をしたプレゼンが披露されました。

高校生たちが学んだこと

「プレゼンテーション特別賞」を受賞した福岡県の大和青藍高等学校は、「博多久松」のおせちを応援団風にアピール
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発表では、授業で学んだ商品・プランの「特徴(Feature)」、「利点(Advantage)」、それがお客様にもたらす「便益(Benefit)」をそれぞれのチームがどのように考え、表現したかという点に注目が集まりました。

「受け取る人も贈る人もハッピーになるように」「家族みんなが楽しめるように」「利用シーンを具体的にイメージできるように」――。商品やプランの良さをどのようにアピールするか。大人も顔負けの分析や切り口に、審査員を務めた市場店舗オーナーなどからも、感嘆の声が上がりました。

「デジタルネイティブ世代」らしい感性が光ったのは、ページ上での写真の使い方です。「スマートフォンからページにアクセスする人が多い」「文字がたくさんあるよりも、写真のほうが注目される」などの分析結果などから、ページに高画質の写真を使ったり、説明文を短くシンプルにしたりするなどの工夫も共有されました。

また、「いままで何気なくモノを買っていたけれど、例え100円のモノであっても、ひとつのモノを売ることがこんなに難しいものだとは思わなかった」という、売り手の立場に立った感想や、「この経験を将来、生かしていけたらと思います」というコメントも聞かれました。

「楽天IT学校」を経験した高校生の中から将来、日本を代表するような起業家が生まれるかもしれません。楽天は今後も、次世代を担う若者の成長を支援していきます。

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