自然言語処理(NLP)とは?
意味や仕組み、活用例をわかりやすく解説

自然言語処理は近年普及しているAIサービスなどを支える重要な技術の一つです。自然言語処理という用語をニュースなどで見聞きしたことがあるものの、詳しい仕組みや活用方法がわからないという方もいるのではないでしょうか。

この記事では自然言語処理の基礎知識やAIとの関連性、具体的な活用事例などについて解説します。

目次

1.自然言語処理とは?

2.自然言語処理とAIの関連性

3.自然言語処理の仕組み

  • 形態素解析
  • 構文解析
  • 意味解析
  • 文脈解析

4.自然言語処理を利用してできること

  • 対話型AI(チャットボット・ボイスボット)
  • 機械翻訳
  • 検索エンジン
  • テキストマイニング
  • 感情分析

5.自然言語処理が活用されているサービス

  • Google翻訳
  • Amazon Alexa
  • ChatGPT

6.自然言語処理の課題

  • 文脈理解や感情分析の難しさ
  • 多様な言語と方言の処理

7.自然言語処理 まとめ

1. 自然言語処理とは?

自然言語処理とはテキストで表現される情報をコンピュータが理解し、処理できるようにするための一連の技術のことです。「Natural Language Processing」の頭文字をとって「NLP」と呼ばれることもあります。

自然言語とは人間同士がやり取りする際に用いる日本語や英語といった言葉を指します。自然言語処理によって、コンピュータは人間の言語を理解し、処理することが可能です。

2. 自然言語処理とAIの関連性

自然言語処理はAI分野で活用されている技術の一つです。機械学習モデルやディープラーニングといった技術を組み合わせることで、AIが自然言語を理解し、様々なタスクを実行できるようになります。

AIや機械学習、ディープラーニングの詳細については「AI(人工知能)とは?仕組み・使い方・ビジネスの活用事例を解説」、「機械学習とは?仕組みや活用例までわかりやすく解説」、「ディープラーニングとは?仕組みや活用例をわかりやすく解説」をご覧ください。

3. 自然言語処理の仕組み

人が扱う自然言語をコンピュータが扱うようにするため、自然言語処理には、テキストを単語に分割したり、文章の構文を解析したりするなどの様々な機能があります。ここでは、自然言語の代表的な機能について紹介をします。

形態素解析

形態素解析とは文章を最小の意味を持つ単位である「形態素」に分割する処理を指します。各形態素の品詞や活用形を特定し、単語の品詞、活用形などの情報を付与することが可能です。

形態素解析は主に形態素解析エンジンと呼ばれる仕組みによって実行されます。

構文解析

構文解析は形態素解析で抽出した形態素が、他の形態素とどのような関係になっているかを把握する処理のことです。文章中に含まれる単語間の関係性を解析し、文の構造や主語、述語の特定などを行います。

構文解析を行うことで、文中の単語間の関係性や文法構造を明らかにし、次の段階である意味解析に必要な情報を提供します。

意味解析

意味解析では、構文解析の処理で得られた情報をもとに、文章が表している意味を把握します。また、AIに入力された指示の意図を把握することも、意味解析の役割です。

単語の意味や文脈を考慮し、文全体の意味について正しい解釈を選定します。

文脈解析

文脈解析は、複数の文に対して形態素解析から意味解析を行い、文同士の関係性を把握する処理です。文脈解析の精度を高めるためには、幅広い分野や領域の文章をAIに学習させる必要があります。

4. 自然言語処理を利用してできること

自然言語処理を応用すると、様々なタスクを行うことが可能です。ここでは、自然言語処理を利用してできることを紹介します。

対話型AI(チャットボット・ボイスボット)

対話型AIは、人間同士がやり取りするような双方向のコミュニケーションができるAIのことです。大きく分けて、チャットボットとボイスボットの2種類に分けられます。

◆チャットボット

チャットボットはチャット(会話)とボット(ロボット)を組み合わせた言葉で、ユーザーからの質問に自動で返答(会話)を行う仕組みのことです。自然言語処理により、ユーザーから入力されたテキストデータの文脈や意味を正しく理解できます。また、入力に対して自然な回答となるような文章を生成することも可能です。

国内でも多くの企業やサービスがチャットボットをお客様対応の手法として導入しており、楽天市場「お客様サポートセンター」や楽天モバイルのチャット形式のAIサポートサービス「楽天モバイルAIアシスタント2.0」といった様々なサービスでもチャットボットが活躍しています。

◆ボイスボット

ボイスボットとは、音声によって様々なタスクを実行できる仕組みです。ユーザーが発話した音声データは、音声認識処理によってテキスト化されます。さらに、テキストを自然言語処理によって解析し、回答となる文章を生成します。音声合成技術によって、回答文を自然な音声としてアウトプットすることも可能です。

機械翻訳

機械翻訳とは、ある言語を別の言語へ自動的に翻訳する技術を指します。

機械翻訳の歴史は古く、AIが普及する以前の1960年代から実用化されていました。初期の機械翻訳は、文章の構造を辞書データと照らし合わせて訳文を作る「ルールベース機械翻訳(RbMT)」です。その後、「用例ベース機械翻訳(EbMT)」や「統計的機械翻訳(SMT)」などより高度な技術が開発されました。

「ニューラル機械翻訳(NMT)」からはAIにも用いられているニューラルネットワークが搭載されました。自然言語処理が可能となったことで精度が飛躍的に向上し、ビジネス分野での活用が広がっています。例えば、楽天市場のようなECサイトの商品ページや楽天モバイルページの翻訳などでも機械翻訳が活用されています。

ニューラルネットワークについては、「ニューラルネットワークとは?仕組み・種類・活用例を解説」をご覧ください。

検索エンジン

入力されたテキストをもとに、関連性の高いデータを見つける検索エンジンも、自然言語処理が利用されているシステムです。自然言語処理により、ユーザーの検索意図に合った関連性の高い検索結果を表示することが可能です。単語だけでなく、ある程度の長さを持つ文章も検索窓に入力できます。

テキストマイニング

テキストマイニングとは、膨大なテキストから統計的な手法を使って有益な知識を抽出する手法です。文章を処理する際に自然言語処理を活用することで、ビッグデータの中から特に有益な情報に絞って情報を抽出できます。楽天インサイトでは、調査で取得した自由回答記述の処理など、テキストマイニングでの分析も可能です。

テキストマイニングについての詳しい内容は、「データマイニングとは?概要や手法、活用事例をわかりやすく解説」参考にしてください。

感情分析

感情分析は、自然言語処理を用いて個々の単語を分析し、文章全体が表している人間の感情や態度を読み取る技術です。あるテキストが肯定的なメッセージとして書かれているか、否定的なメッセージとして書かれているかなどを判別できます。ソーシャルメディアに投稿されたコメントや、商品・サービスのレビューの解析に、感情分析が利用されています。楽天市場での商品レビューテキストの分析にもこの技術が活用されています。

5. 自然言語処理が活用されているサービス

自然言語処理は、様々なサービスで活用されている技術です。ここでは、自然言語処理が活用されている具体的なサービスを紹介します。

Google翻訳

出典:画像キャプチャ元[Google翻訳](https://translate.google.co.jp/)
※2025年11月2日時点の最新バージョンです。

Google翻訳は、入力されたテキストを自動翻訳できるサービスです。数多くの言語に対応していて、入力言語と出力言語を指定するだけで簡単に翻訳できます。

Google翻訳を使うと、多言語間でテキストをすぐに翻訳し、文字情報でのコミュニケーションに活用することが可能です。また、手書きの文字も画像からテキストデータに自動変換して翻訳できます。

Amazon Alexa

Amazon Alexaは、音声操作により様々なタスクを実行できる音声アシスタントサービスです。話しかけるように指示内容を伝えることで、Amazon Alexaが意味を理解し、天気予報や音楽の再生、家電製品の操作といったコマンドを実行できます。

ChatGPT

出典:画像キャプチャ元[ChatGPT](https://chat.openai.com/
※2025年11月2日時点の最新バージョンです。

ChatGPTは、OpenAI社が開発・提供する自然言語生成モデルGPT(GPT-3~4o)を利用した対話型AIサービスです。ユーザーがテキストで質問や指示を入力すると、ChatGPTが自然な回答を生成します。メール文やプログラムコードの作成、翻訳、日常会話など実行できるタスクは様々です。

ChatGPTは、テキストの処理だけでなく、音声合成を行うこともできます。ある人が話している数秒間のサンプルデータがあれば、その人が話しているかのような音声を合成し、テキストを読み上げることが可能です。

GPT-3については「GPT-3とは?チャット型AIの機能や使い方を活用例を踏まえて解説!」をご覧ください。

6. 自然言語処理の課題

自然言語処理は、幅広く活用されているものの、技術面には課題も残っています。自然言語処理の主な課題は次の通りです。

文脈理解や感情分析の難しさ

文脈や感情の読み取りは難しく、自然言語処理の精度を高めるための課題となっています。同じ言葉であっても文脈によって意味が変わったり、表している感情が異なったりすることが、分析の難しさの理由です。

多様な言語と方言の処理

多言語や方言の処理も、自然言語処理における重要な課題として挙げられます。人間が使う言語や方言はバリエーションが豊富です。言語圏や地域による文法や言葉遣い、表現などの違いに対応することが、自然言語処理の課題となっています。

7. 自然言語処理 まとめ

自然言語処理は、人間が使う自然言語をコンピューターに理解させる技術です。形態素解析や構文解析、文脈解析などの処理を行うことで、テキストが表す意味を把握できます。

自然言語処理は、AI分野を支える技術の一つであり、対話型AIや検索エンジンなど幅広い用途に応用されています。ただし、自然言語処理には課題もあるため、AIの開発などを行う際には特徴を理解しておきましょう。

【監修者】酒井 麻里子

ITライター/新技術ウォッチャー。XR、ジェネレーティブAIなどの新しいテクノロジーや企業のDX取材、技術者・経営者へのインタビュー、技術解説記事などを執筆。ビジネスを軸にしたXRと最新テクノロジーのWEBマガジン『TechComm-R』運営。Yahoo!ニュース公式コメンテーター(ITジャンル)。株式会社ウレルブン代表。

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目次

1.自然言語処理とは?

2.自然言語処理とAIの関連性

3.自然言語処理の仕組み

4.自然言語処理を利用してできること

5.自然言語処理が活用されているサービス

6.自然言語処理の課題

7.自然言語処理 まとめ