Myu楽天市場店代表取締役の岩科 茜さん
岩科 茜
Myu楽天市場店
代表取締役
2022.06.01
#THANKS

専業主婦が4つの会社を経営するまで—
失敗もポジティブに、大好きな服を軸に縁をつなぐ。

楽天の「履歴」を振り返りながら、ご自分の人生を振り返っていただく本企画。今回お話を伺うのは、幅広い女性から支持を受けるアパレルショップMyuをはじめ、4つの会社を運営する岩科 茜さんです。もとは「ただの主婦だった」と話す岩科さんですが、実績の裏にはさまざまな出会いや思いがありました。

スタートはファッションを発信する個人ブログ。
“私が着たいもの”、“楽しいこと”がコンセプト。

Myuのエントランス

楽天: 楽天は今年で25周年なのですが、25年前岩科さんは何をされていましたか?

岩科 茜: 中学生になったころで、ドラマで見るような丸の内のOLに憧れていました。きれいな服を着てランチへ行くような。まさか経営者になるとは思ってもいなかったですね。

楽天: 現在4つの会社を経営されているそうですね。

岩科 茜: まず立ち上げたのはMyuを運営している株式会社Mchic。2つ目の会社はOEMと貿易の会社です。取引先だった方が「一緒に働きたい」と言ってくださったのでつくりました。その後、別の取引先の方からもお声をかけていただき、もう少し規模の大きい貿易会社をつくりました。最後はまつげエクステサロンです。高校の同級生が経営していた店を買い取りました。それが4年前。不思議なことにいろんな方が集まってくださり、5〜6年で一気に会社が増えたような感じですね。

楽天: 最初の会社、株式会社Mchicを立ち上げたのはどのようなきっかけだったのですか?

岩科 茜: 立ち上げは2011年だったのですが、当時私は主婦でした。子育て中で外に出ることができない環境で、まず始めたのがブログです。好きなファッションの情報を発信していたのですがアフィリエイト収入が1000万円を超えたことから「お店を出したら何らかの反響があるんじゃないか」と考えてスタートしました。

楽天: もともと好きだった服を紹介するブログが起点なのですね。アフィリエイトがそれだけあったということはファンの方がたくさんいたのだと思いますが、Myuの開店後の反応はいかがでしたか?

岩科 茜: オープンまでのプロセスをブログで発信していたので、ありがたいことに読者がそのままお客様になってくれ、売れ行きも悪くありませんでした。ショップのオープンを一緒に喜んでくれ、店が大きくなっていく姿を見守ってくれました。いまだに買い続けてくださる方もいます。

楽天: これほど支持されるMyuの商品の魅力はどんなところだとお考えですか?

岩科 茜: 当ショップの商品は“大人可愛い”をコンセプトに、いつまでも着たいと思えるような服です。デザインだけでなく、かわいさの中にも着心地や、体型など大人ならではの悩みも解決できる工夫があります。商品開発の軸となっているのはとてもシンプル。“売れそうなもの”ではなく“私が着たいもの”です。
事業についても私が大切にしているのは、損得よりも人柄です。“楽しい”か“楽しくない”かを考えて動いた結果、縁が広がったのだと思います。

「ミスの連続」で生まれたヒット商品。
いいものを安くお届けする、仕組みづくりのきっかけに。

Myu楽天市場店の出店当初について語る岩科さん

楽天: 楽天に出店されてから、自社サイトとの変化はありましたか?

岩科 茜: 楽天さんに「Myu楽天市場店」を出店したのは自社サイト立ち上げから2年後の2013年でした。より多くの方に商品を知っていただきたいと思ったことがきっかけです。アクセスは断然に違いましたね。これまでは主にブログ読者が買ってくれたのですが、当然私の店を知らない方もサイトに訪れてくれるようになりました。“プロのお店”として見られていることを痛感し、その点でクレームはいい勉強にもなります。改善すべき点が見えて対策を考えることで、売上に関しても年々1.5から2倍伸びています。

楽天: これまでに記憶に残っている商品はありますか?

岩科 茜: 「袖フリルバックフリルTシャツ」です。実はこちら、「ミスの連続」で生まれた商品なんです。
後に社員となる方なのですが、当時お取引先だったOEM会社の方がまず「下代(卸価格)」を間違えて、ほぼ利益のない値段で弊社におろしたのです。そして、私もなぜか「上代(販売価格)」を間違えてほぼ利益のない値段で販売をしてしまって。(笑)
それが大ヒットして、やはりとても単純な事なのですが、「いいものを安くすればお客様に喜んでいただけるのだな」と身にしみて感じました。大手企業がいい商品を安く売るにはさまざまな経費が掛かりますが、ネットであれば私にもできるかもしれない。自分が工場と契約してOEMの会社をつくることで、実現できる“仕組み”ができるのではないかと考えるきっかけとなった商品です。

楽天: 実際のお客様の反応はどうですか?

岩科 茜: 私個人のInstagramのアカウントにDMで感想をいただくことも少なくありません。「嫌なことがあったけど、今日もMyuさんのお洋服を着てがんばります」とか「Myuを着ていると夫が喜んでくれるんです」とか、中には「クローゼットがMyuだらけです」など、いろんなお声をいただいています。

楽天: 服で人をハッピーにするってすごく素敵なことですね。

岩科 茜: 私も本当にうれしいです。リピーターの方も多く、6割くらいが定期的に購入してくれています。もしかすると主婦は服に使えるお金は限られるかもしれません。いつも違う服を楽しみたい方にも手が出しやすい価格設定にしています。

環境やノウハウ不足を理由に諦めず、
主婦でも活躍できる仕組みをつくりたい。

時間やお金がないことを理由に諦めてしまう方たちを救えるような仕組みを作りたいと考えている岩科さん

楽天: 4社の経営を担う今、この先どんなことに挑戦したいですか?

岩科 茜: まだ漠然としていますが、主婦や働くママの起業のサポートできる流れをつくりたいと考えています。ただの主婦だった私がここまで挑戦することができているのは楽天さんのおかげ。しかし、ノウハウがないがために実現できない人もいるのが現実です。「何かやりたいけど、どうやったらいいか分からない」「主婦で時間がない、お金がない」ことを理由に諦めてしまう方たちを救えるような仕組みをつくりたいと考えています。

楽天: 岩科さんはお手本がない中、ここまでいらっしゃいましたよね。

岩科 茜: 私、人生って“思い出し笑いのネタ集め”だと思っているんですよ。歳を取って自由に動きづらくなったとき、何を思い出して笑えるか。楽しい経験や挑戦したこと、失敗談がなければただ天井を眺めているかもしれない。それならばおもしろい人生を送ったほうがいいと思っているので行動できるのかもしれません。

楽天: 今後挑戦する上で楽天に期待することなどあったりしますか?

岩科 茜: 私はあれもこれもやりたいタイプなのですが、夢を叶えるにはひとりの力ではむずかしい。中途半端にはできないので、プラットフォームや仕組みなど一部を楽天さんにお願いしながら実現に近づけていければと思っています。

岩科さんのプロフィール写真
プロフィール

いわしな・あかね/1983年静岡生まれ。株式会社Mchic代表取締役。高校中退後、東京と静岡でアパレル店員および店長を経験し、23歳で結婚を機に退職。2児の子育て中だった27歳のときに個人事業主として起業、アパレルの製造・通販事業を始める。2013年に楽天へ出店し、2015年に株式会社Mchicを設立して代表取締役に就任。著書に『欲ばりなほど ぜんぶ叶う——2億円稼いでわかった、人生を最高に輝かせる方法』(ダイヤモンド社)。

バックフリルワンピースのイラスト
思い出の楽天出品履歴
バックフリルワンピース

Myuといえば、フリルをあしらった服。きっかけといえる商品は「バックフリルワンピース」。楽天を通じて世の中に広まり「他店舗にまねされたのもいい思い出」と岩科さん。Myuとして初の代表作となった。


TOPページへ戻る