タマチャンショップ代表(EC事業部)の田中 耕太郎さん
田中 耕太郎
タマチャンショップ
代表(EC事業部)
2022.06.01
#THANKS

怒涛のキャンセルラッシュ。
その対応を見てくれていたお客さまがいました。

楽天の「履歴」を振り返りながら、ご自分の人生を振り返っていただく本企画。今回、お話を伺ったのは、有限会社九南のタマチャンショップで代表をつとめる田中 耕太郎さんです。宮崎県にあるしいたけ農家から始まったお店。7回連続で楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを受賞するまでには、さまざまな試行錯誤、そしてスタッフの熱い想いがありました。

タマチャンショップは、
最初は「しいたけタマチャンショップ」だった。

自然の農法によって時間と手間をかけて育てたしいたけ

楽天: まず最初に伺いたいのが、楽天が誕生した25年前のこと。田中さんは何をされていましたか?

田中 耕太郎: 高校生でバンド活動をして、音楽にまつわる仕事を夢みていた楽しい時期でした。当時ネットショッピングも知らず、まさかネット業に携わることになるなんて思ってもいませんでしたね。

楽天: 当時はまだネットショッピングは一般的ではありませんでしたからね。田中さんご自身が初めてネットショッピングを経験したのはいつでしたか?

田中 耕太郎: 実は、当ショップが楽天さんに出品するようになってからなんです。楽天市場でちょっと高級なシャンプーを買いました。

楽天: なるほど。そうお聞きすると、このシャンプーがいろいろと思い出深い一品ですね。

田中 耕太郎: この機会に楽天の購入履歴を遡って見てみたのですが、セールの時に、蟹か肉を買っているルーティーンも判明しました。

楽天市場で、蟹や肉を買うルーティーンを田中さんが確認している様子のイラスト

楽天: いつもお買い上げいただき、ありがとうございます(笑)。では、何を出品されていったのかについてお聞きできたらと思います。もともとはしいたけ農家ということですが、ネット販売を始めたきっかけはなんだったんですか?

田中 耕太郎: 創業から10年を過ぎたあたり、2004年ごろから海外産の安い商品が入るようになり、付加価値が下がってしまったんです。徐々に農業が少しずつ停滞していく様子を目の当たりにして「しいたけ農業を継続させたい」との思いが芽生えました。そのために何ができるか。考えたときに、地域を超えて日本全国に向けて販売することに行き着きました。すでに地元で楽天さんに出店されているお店があったので話を伺い、ご縁もあって出店を決めたのが始まりです。

楽天: ということは、初めて楽天に出品された商品はしいたけだったんですか?

田中 耕太郎: そうです。最初はしいたけがメインで、ショップ名も「しいたけタマチャンショップ」でした。室内栽培ではなく、自然の農法によって時間と手間をかけて育てた商品です。循環型サイクルで、常に地球環境をきれいにしながらつくられていく野菜。“元祖SDGsの食品”ではないでしょうか。現在も、オーガニック農法など試行錯誤しながら改良を重ねています。

楽天: 今でもしいたけのラインナップを見ると、すごく充実されていますもんね。初めてのネット販売での反響など、印象に残っていることはありますか?

田中 耕太郎: いや、実はまったく反響がなかったんですよ…むしろそれが一番の思い出です(笑)。当時はインターネットが主流になってきたころ。ネットショップをオープンすれば、すぐにアクセスがあるかと期待していたのですが、驚くほど反響はありませんでしたね。

楽天: まったく反響がない…そこで何か施策をされたんでしょうか?

田中 耕太郎: 楽天さんからのアドバイスを受けて1本のメルマガを配信しました。私はネットショップを立ち上げてからパソコン操作を覚えたので、本当に大変でした。当然メルマガのつくり方もわかりません。書籍を参考にしながらHTMLを駆使して2か月かけて作成。どうすれば見てもらえるか、効果的な宣伝方法を試行錯誤しながら取り組んだ結果、初めて注文が10件以上あり感動しました。

楽天: それでも10件ほどだったのですね。なかなか日の目を見ない状態から今に至るまでどのようなことがあったのでしょうか?

田中 耕太郎: 1つ目の転機は2005年。偶然が重なり、当社が出していた食材を全国区のテレビで取り上げていただいたんです。1日数件だった注文が1,000件にもなりました。しかし、喜んだのもつかの間。番組で紹介された調理法が適切でないことがわかり、翌日からはキャンセルラッシュ。24時間で対応しました。なかなか波乱万丈でしたが、その際の対応がよかったと、定期的に注文していただくこともあり、多く目に触れるメリットを実感しましたね。

楽天: クレームから顧客を着実に得ながら、次の転換期を迎えた?

田中 耕太郎: そうですね。2007年に東国原英夫氏が県知事に就任されて、宮崎ブームが起きたのは大きな転機でした。さまざまなメディアで地元の食材を取り上げていただけるようになり、徐々に認知度を高めていけたと思います。

テーマは「おいしい健康」
食を楽しみ、健康や美容につながる商品を

「ニッポンのおかあちゃんになりたい」とコンセプトについて語る田中さん

楽天: 現在はしいたけ以外にもたくさんの商品を扱っていらっしゃいますよね。商品はどんなコンセプトで開発しているのですか?

田中 耕太郎: 私たちのコンセプトは「ニッポンのおかあちゃんになりたい」。親は大切なお子さんのために、安心で安全な食材を選びますよね。当社がプロダクトに込めるのも同じ思い。どんな方にとっても「食べて大丈夫」と信じてもらえる存在でありたいと考えています。できるかぎり地元・宮崎や九州で育った質のいい食材を使いながら、テーマはシンプルで「おいしい健康」。いくら体によくても味がそれなりだと続きません。食そのものを楽しみながら、健康や美容につながる商品を目指し、素材を生かした上でいかにおいしく提供できるかを考えて開発しています。

楽天: 食材以外にもスキンケアなど美容系商品もありますよね。どのような流れからの展開だったのでしょうか?

田中 耕太郎: 当社では「食の力強さ」を表現することを大事にしています。コスメも食材をベースにしたもの。食の力で外面も内面もキレイに、を目的に展開しています。現在、販売するにあたって設定している3つの軸は「ふだんの食事」「おやつ」「健康食品(=栄養を補うもの)」。今は多様性の時代です。「これを食べてはいけない」と縛るのではなく、個々に合わせたスタイルで自由な栄養摂取法を提案しています。

楽天: 今、人気のある商品は何ですか?

田中 耕太郎: ひとつは美容専門プロテイン「タンパクオトメ」です。4年前に楽天さんと一緒に開発したもので、当時、女性をターゲットにしたプロテインはほとんど存在していませんでした。近年徐々に注目を集め、好評をいただいていますので、私たちが最初の仕掛けをつくることができたのではないかと自負を持っていますね。また、ロングセラー商品としては雑穀米。当ショップ初のオリジナルブランドとして販売を開始しました。雑穀アドバイザー監修のもと、30種の雑穀ひとつずつ雑穀農家さんのものを使用し、食感や栄養素のバランスを計算しながら配合。価格、質、おいしさ、すべてにおいて納得できるものを追求した商品です。

食を通じて「小さな平和」をつくりたい。

タマチャンショップのコンセプトをあしらったTシャツ

楽天: 楽天での歴史も18年。いろんな思い出があると思いますが、特に思い入れのある商品は何ですか?

田中 耕太郎: 2011年に発売したオリジナル健康食品「みらいのこうそ」は、個人的に大きな転換期になりました。それまで酵素はドリンク状のものが主流だったのですが、フリーズドライして粉末にしたものです。ずっと思い描いていた商品像を具現化できたものといっても過言ではありません。小さいショップの1商品が、楽天さんを通じて全国区のお客様に届き、喜びの声もいただきました。今でも自身の糧になっていると感じる商品です。

楽天: 楽天からのアドバイスで特に印象に残っているものはありますか?

田中 耕太郎: 店舗ごとにECコンサルタントが付いてくださったのは非常に心強かったです。自分たちが挑戦することを客観的に見ていただき、金銭面を含め「攻め」のアドバイスをたくさんいただきました。「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」は到底手が届かない大きすぎる目標だと思っていましたが「狙いましょう!」と力強い言葉で叱咤激励してくれました。二人三脚でやってきたと実感がありますね。

楽天: 結果、現在まで楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを7回も受賞するまでになりましたね。

田中 耕太郎: 今でも最初の受賞の瞬間を覚えています。私たちが信じて取り組んできたことを、お客様が証明してくださった。私たちの実力だけではいただけるものではありません。お客様が寄り添って走ってくださった結果、一緒に取れた賞です。

楽天: これからも楽天と一緒にできそうなことはありますか?

田中 耕太郎: 楽天さんは、商店としての可能性が非常にあります。ショップの個性を大切にしてくださり、ページ上での表現も自由度が高い。特に当社のような地方の企業にとっては世界観が需要です。また、商店同士のコラボができることも楽天さんならでは。一企業が新しいことを始めるには、競合が多く、時間もお金もかかりますが、コラボは可能性を広げる、ワクワクドキドキが体感できる世界。“遊びながら”仕事できる環境を与えてくれています。

楽天: インターネットを通じて、これから挑戦してみたい分野はありますか?

田中 耕太郎: これまでは国内をベースに「食」を考えていましたが、改めて日本の食文化の奥深さを知り、世界にも伝えたいと思うようになりました。「プロダクトで国と国をつなぐ」――国境を超えた商品づくりに取り組みたいと動いています。現在、コロナで気軽に海外に行けない状況です。アジアの有名なカフェなどに監修してもらうなど、お互いの得意部分を持ち寄ることで国内では実現できない新しいものが誕生し“小さな平和”につながるのではないか、と。そのためにも、当ショップの思想やビジョンをまずは国内から正しく広めることを使命として続けていきたいですね。

田中さんのプロフィール写真
プロフィール

たなか・こうたろう/タマチャンショップ 店長兼キャプテン
小さな椎茸農家からスタートし、今では雑穀やナッツ、スーパーフード、お茶、そしてオリジナルの健康食品やコスメなど、「食」に関するさまざまな商品を扱っている。タマチャンショップがお届けしたいのは、『しあわせ食』。安心・安全で、おいしく栄養いっぱいの「食」を楽しみながら、健康に、美しくなれる。みんなが笑顔になれる「しあわせ食」をテーマに、地元・九州はもちろん、全国各地から上質な食材を厳選し、独自に商品開発も行なう。

ちょっと高級なシャンプーのイラスト
思い出の楽天お買い物履歴
ちょっと高級なシャンプー

タマチャンショップ開店する時、店長自らネットショッピングを体験するために初めて楽天市場で購入してみたアイテム。これを期にプライベートでも会社の資材購入でも楽天市場を利用しまくりとのこと。


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