RAKUTEN

第890回東京フィルハーモニー交響楽団 オーチャード定期演奏会に子どもたちを招待しました

児童養護施設支援

17.03.16

(C)上野隆文

ロシアを感じる曲を堪能

東京マラソンで街が賑わった2月26日、児童養護施設で暮らす子どもたちと先生13名を、オーチャードホールの「楽天ドリームシート」に招待しました。
この日の曲目は、ストラヴィンスキー作曲の、「ロシア風スケルツォ」と「バレエ組曲『火の鳥』(1945年版)」、プロコフィエフ作曲の、「交響的協奏曲(チェロ協奏曲第2番)」で、指揮者は、ピアニスト・指揮者・作曲家と多彩な才能で世界を魅了するロシア人のミハイル・プレトニョフさんです。

「バレエ組曲『火の鳥』」は、魔王カッシェイに略奪された姫たちを、イワン王子が火の鳥の魔力を借りて助け出し、ついには魔王を滅ぼすといったストーリーで展開されます。鳥のさえずりや魔王の登場などの場面が管楽器の多彩な音色で表現されます。
「交響的協奏曲(チェロ協奏曲第2番)」には、2015年にチャイコフスキー国際コンクールのチェロ部門で優勝した若きチェロ奏者アンドレイ・イオニーツァさんが登場。その高い技術や気迫が見どころです。

(C)上野隆文
指揮者のミハイル・プレトニョフさん。右側は若きチェロ奏者アンドレイ・イオニーツァさん
(C)上野隆文
2段目左でフルートを演奏しているのがさかはし矢波さん

オーケストラの新たな一面を知る

演奏終了後には、フルート・ピッコロ奏者のさかはし矢波さんにお越しいただきました。
実際に、演奏で使われたフルートとピッコロを見せていただき、さらには、全員の手に持たせていただきました。さかはしさんが使っている金色のフルートは、14金で作られているそうです。

右手に持っているのがフルート、左手がピッコロ

フルートという楽器が生まれた当時は木でできた楽器でしたが、他の楽器と合奏をしていく中で、より大きな音のでる金属製(金や銀)のものが主流となっていきます。一般的な銀でできたフルートと比べて、合金やプラチナは素材が固いため華やかな音が出ます。現在では、技術の進歩によって木を薄く加工することが可能となり、再び木製のフルートも生まれているそうです。何百年も前からオーケストラで使われてきた楽器が、今もなお進化を遂げているのは驚きです。

今回5回目の参加となる中学生の女の子が、こんな質問をしてくれました。

「チェロ奏者アンドレイ・イオニーツァさんが、最後に一人で演奏していたメロディは、自由に弾いていたのですか?」

とても複雑なメロディを即興で弾いているように見えた部分は、「カデンツ」といって、奏者の技量を見せるパートです。曲によって、完全に即興で弾く場合、ある程度楽譜が決まっている場合があるそうです。奏者がそれぞれにオリジナルのエッセンスを加えることもあり、そこも楽しみの一つとのこと。オーケストラの新たな一面を知ることが出来ました。また、ほかにもこんな質問がありました。

「演奏中に緊張して手に汗をかくことはないですか?」

「プロの演奏家であっても、もちろん緊張する。だけど、そのドキドキを表に出さないのがプロ」。演奏中に自分のソロが来る前は、みんな緊張した面持ちをしているし、他の奏者のソロが無事に終わると、周りの奏者が足踏みをしてこっそり拍手していることもあるそうです。
定期演奏会までの合同練習は、多くても10時間程度。それでも素晴らしいハーモニーになるのは、各自がこれまで積んできた練習とそこで培った自信の賜物で、プロは全員が全員、「自分が一番上手」と思っている、とのことでした。だからこそ、お客様に顔と名前を覚えてもらって応援してもらえると、とてもうれしいそうです。

念ずれば花ひらく

最後に、「今後、子ども達にどのように音楽と関わってほしいですか」と伺いました。
まずは、プロの演奏会を聴いて、興味を持つこと。そして是非、興味を持った楽器に実際に挑戦してほしいとのことでした。中には高価な楽器もありますし、吹奏楽部に入っても必ずしも好きな楽器ができるとは限りません。それでも、あきらめずにいれば、きっと叶う。「念ずれば花ひらく」とメッセージを頂きました。

さかはしさん、ユーモアを交えて楽しいお話を頂き、ありがとうございました。