小網代で、アカテガニの森の整備を開始!

楽天の森

16.11.21

「奇跡の自然」小網代の森

楽天とNPO法人小網代野外活動調整会議の取り組みとして、神奈川県三浦市にある小網代(こあじろ)の森の保全活動を実施しています。小網代の森は、全体で約70ha。東京ドーム15個分の広さに相当します。1.2kmの「浦の川」がつくった流域が、森林と湿地として残されており、首都圏では唯一の「完結した自然状態の流域=集水域生態系」と呼ばれています。(NPO法人小網代野外活動調整会議HPより)

生物多様性豊かな場所として知られている小網代の生態系を象徴する生物のひとつが、森や湿地や川に暮らし、夏には大潮の晩に干潟の岸辺で一斉に子どもを海に放つことで知られる「アカテガニ」です。

小網代干潟のアカテガニ(提供:NPO法人小網代野外活動調整会議 柳瀬博一)

楽天の森プロジェクトの活動

楽天は、小網代の中でもこのアカテガニが生息する「大蔵沢」の整備を行います。湿地につながる大蔵沢の森林で、斜面の大径木の除去や、常緑中低木の間伐を行い、併せて河川環境の回復作業や、湿地の水循環の改善を行うことで、3年間かけてアカテガニの生息環境を改善します。

2016年度
作業内容

冬期:谷底部刈り払いおよび集水路整備

2017年度
作業内容

春期:常緑中低木の間伐、谷底部刈り払い
夏期:アカテガニ生息地の創出、集水枡再整備
秋期:斜面不安定木の伐採、土砂止めの作設
冬期:谷底部刈り払い

2018年度
作業内容

春期:集水路整備、土砂止め作設
秋期:間伐除伐の実施
冬期:谷底部刈り払い

整備開始!

今回の作業は、谷底のササや低木の刈り払いです。7名の作業員の方が、刈払い機やノコギリを使って、沢の上部に向かって整備を進めていきます。今年度は冬の間、毎月1回、整備作業を行い、来年どの木を間伐するか検討していきます。

刈払い機でササヤブを進んでいく作業員の方。藪は深く、壁のようでした。

NPO法人小網代野外活動調整会議代表岸由二先生と、柳瀬博一副代表に、今回の整備について伺いました。

―この森林は、現在どんな状態なのですか?

大蔵沢の谷の底部は、かつて田んぼとして使われており、斜面は落葉樹と常緑樹がありました。しかし、数十年前に耕作が行われなくなってから、大径の常緑広葉樹やササが優占するようになり、アカテガニをはじめとするこの谷の生物多様性を支えるの得るのに適さない環境になっています。そこで、常緑広葉樹の主なものや、ササやぶを取り除いて、適切な生物多様性がかたちづくられるように手助けをするんです。

―どういう木を切って、どういう木を残すのですか?

アカメガシワやハゼノキ、ササは除去します。一方、このトゲのある木、カラスザンショウは、蝶の食草になるので、残しておきます。三浦半島ではミカンを食草とする蝶が多く生息していたのですが、近年栽培が減っていることで行き場を失った蝶もいます。小網代には、アゲハの仲間だけでも、モンキアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、オナガアゲハ、ナガサキアゲハ、ナミアゲハなど蝶も豊富なんですよ。

カラスザンショウの幹。若い木には、鋭いとげがあり、気軽につかめません。

―整備をすることで、どんな効果が期待されますか?

谷底まで光が当たるようになると、明るい崖などを好むアカテガニが、すみかにしやすくなります。あわせて、海までつながる水の流れや環境を改善するので、このあたりはアカテガニの一大生息地になるかもしれません。

岸由二慶応大学名誉教授。アカテガニの巣穴を見せていただきました。

岸先生、柳瀬さん、ありがとうございました。3年間の整備を行うことで、大蔵沢の森林がさらに生物多様性の豊かな森林に変わっていくのが楽しみです。
小網代の森に興味をもたれた方は、是非一度訪れてみてください。

小網代干潟のアカテガニ(提供:NPO法人小網代野外活動調整会議 柳瀬博一)

小網代の森について、もっと詳しく知りたい方はこちら

<小網代の森の自然について>
ウェブ:小網代野外活動調整会議

書籍:「奇跡の自然」の守りかた 三浦半島・小網代の谷から/岸由二・柳瀬博一

<小網代の森の利用・注意事項について>
ウェブ:神奈川県

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