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楽天トラベル事業
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宿クーポンサービス向上プロジェクト
「正解は何なのか」。手探りで始まったサービスを進化させたのは垣根を越えて集まったスペシャリストたちの「試行錯誤」。
担当
リーダー
Mac
ジェネラル
マネージャー
Tommy
オフィス
マネージャー
Mac
ヴァイス
マネージャー
Kami
インターネット
トラベル
コンサルタント
エリアリーダー
Yuki
インターネット
トラベル
コンサルタント
Akko

2017年1月にサービスインした楽天トラベルの「宿クーポン」は、クーポンを発行するホテルや旅館といった宿泊施設側が、利用条件、割引価格、発行のタイミングなどを自由に設定できるという特徴を持つ。サービス開始からおよそ半年後の2017年6月、「宿クーポン」の品質改善プロジェクトが発足した。この商品のメリットを明確にし、それを宿泊施設に的確にアピールするための方法を確立する。そして「宿クーポン」の売り上げ向上につなげるというのが、このプロジェクトの主な目的だ。プロジェクトチームには部署の垣根を越え、多彩なスペシャリティを持つ精鋭たちが集結した。

斬新な商品のサービス開始から、
わずか半年後に訪れた大きな転機。

楽天トラベルが手がける既存の販促クーポンは、原則として同事業部が提示する期間や割引額の枠に対して、宿泊施設が同意・参画することで成立している。いずれのクーポンも販促には一定の効果を発揮することは間違いないが、設定された条件と、宿泊施設が意図する条件が合致しない限り、発行には至らないという側面もある。一方で、楽天トラベルが2017年1月に投入した「宿クーポン」は、宿泊施設がそれぞれのスタイルや広告プランに応じた条件設定を行えるという斬新な付加価値を持っている。これによって宿泊施設は、自分たちの販売戦略やブランドイメージを崩すことなく、最適なタイミングで販促活動を展開できる。宿泊施設側の視点に立った新商品は好意的に受け止められ、売り上げ的にも順調に滑り出したかに見えたわずか5か月後。「宿クーポン」の品質改善を目的としたプロジェクトチームが発足する。その意図はどこにあったのだろうか。プロジェクトにおいて、データ分析を担当したMac(リーダー)は当時を振り返る。

「サービスが始まってから、徐々にではありますが、売り上げは伸びていました。ただ、この商品を最大限に活用していただくには、どう提案をしていけばいいのか、正解は何なのか、ということを一度徹底的に詰めておく必要があったことも事実です。それがこのプロジェクトの発足理由です」

「宿クーポン」の条件を設定する自由度の高さは大きなメリットだが、同時に宿泊施設には、自由過ぎるがゆえのとまどいも生じていた。閑散期や需要の弱い曜日をピンポイントで強化したい、新規ユーザーの獲得に役立てたい。宿泊施設にとってクーポンの発行理由は数多くあり、発行すること自体は積極的だ。では、具体的な割引額はいくらにすべきなのか、最適なクーポンの発行条件とはいったいどのようなものか。まさに、Mac(リーダー)の言う「正解は何なのか」という宿泊施設の疑問をクリアにすることこそが、このプロジェクトにおける最大の目的だった。

最小限のリソースで、最大の成果を。
多角的に見極めたプロジェクトのコア。

「宿クーポン」の品質改善プロジェクトは、部署間を横断する小規模なワークグループ、いわゆるQCCのスタイルで展開された。QC(品質管理)の専門家でもある上司の号令によって集まったメンバーは8名。内訳は、Mac(リーダー)をはじめ、セールスプロモーション担当、営業スタッフ、アドバイザー役のマネージャーなど。本社だけでなく支社のスタッフも加わった。

「まずはQCCとして、どのような進め方をしていくのかというレクチャーを受けるところから始まりました。設定されたプロジェクトの期間は3カ月。メンバーは8名。最低限の時間と人員を使って最大限の成果を出すためには、徹底的に精査したうえでプロジェクトのコアを決め、そこに注力していくことが重要だと聞かされました」

選ばれたメンバーたちは、サービスインからおよそ5カ月の間に集積したデータを持ち寄り、プロジェクトはスタートした。週に一度の定例ミーティングを行い、そこで発生した課題を各自が持ち帰り、次のミーティングで改善案を提出する。その作業は、回を追うごとに熟成され、勢いを増していった。首都圏営業部のYukiは、ITC(インターネットトラベルコンサルタント)という立場から、クーポンを宿泊施設に提案するための最適な仕組み作りを試みる。九州営業グループから遠隔参加したBrookは、宿泊施設がクーポンを使用する際の条件の組み合わせのチェックを徹底して行い、ミーティングの場に、地方営業担当ならではの視点を持ち込んだ。戦略企画室に所属するMacとKamiは、そういった現場を俯瞰して見ながら、議論が「質の向上」というテーマからズレないための軌道修正をする役割を担った。異なる部署の、異なる視点を持つメンバーたちから発せられる意見は、Mac(リーダー)にはこの上なく新鮮に感じられたという。

「意見を交換する過程では、メンバー間での共通認識だけでなく、相違点もたくさん知ることができました。私たちのようなバックヤードを担当するスタッフがデータを見ているだけでは分からない宿泊施設側の生の反応も知ることができましたし、首都圏と地方での購買傾向の違いについて明確になったのは、支社のスタッフが参加してくれたおかげです。各自が自分の業務を通じて集めた情報を一つに集約できる環境だったからこそ、問題点を見落とすことなく、偏りのない施策を追求することができたのだと思います」

主にプロジェクトに持ち込まれ、議論に上がるデータの整理と分析、その活用法の提案を担当したMac(リーダー)は、貴重なデータをわかりやすく可視化して議論の対象とし、さらにデータをまとめ直し、営業ツールとして機能させることに注力した。膨大な予約データを短期間で分析することは最初困難と思われたが、トラベル事業で導入の始まったビジュアル分析ツール「Tableau」を活用することによりわずか1日足らずで完了させることができた。この圧倒的なスピード感もプロジェクトを短期間で遂行するのに非常に重要なものであった。

チーム内で改善点の道筋ができると、メンバーの指示で実際に営業スタッフが現場で新しいアプローチを試し、その結果をフィードバックする。その柔軟な動きとフットワークの軽さがQCCのメリットのひとつでもある。最終的には、宿泊施設に提案する際に不可欠なシミュレーションツール、営業スタッフにとっても提案のしやすい商品の枠組みなどがまとまり、「宿クーポン」は宿泊施設に対してより提案しやすい商品へと進化した。

よりよい商品を提案するためのプロジェクトは、
チーム解散後もなお影響力を発揮している。

「最大の成果は、宿泊施設の不安を解消することができたということです。事例データをきちんと活用することで、具体的にこれだけの価格設定でこれくらいの期間設定にするといくらの売り上げアップにつながり、コストはこれくらいかかる、という具体的な提案ができるようになりました。概念や用語の統一は、営業スタッフのアプローチ方法を劇的に変えました。たとえば、積極的にクーポンを活用したいと思う宿泊施設には、その意図を組んだ設定のプランを用意し『極(きわみ)』と名付け、初めて利用する宿泊施設には試しやすい体験型の設定をした『挑戦(チャレンジ)』というプランも用意する。そういった仕組みの整備が、営業スタッフが根拠と自信を持って宿泊施設と向き合えるようになることに繋がりました」

8名のメンバーがそれぞれのスペシャリティを活かしつつ、チームでの施策に貢献したことで、「宿クーポン」はより提供しやすい商品へと変貌した。プロジェクト自体は終了したが、3カ月の間に導かれた方向性、そこで生まれたデータの分析・活用法は、現在の「宿クーポン」を支える確かな礎となっている。それは時間の経過とともに見直され、新たに手を加えられることによって、最善の施策としてチューンアップが繰り返されているのは言うまでもない。

「このプロジェクトを通じて、『宿クーポン』スタート当初に理想としていた商品のイメージ、ご提供の仕方のイメージが具現化したと思っています。結果として宿泊施設からも、商品内容が分かりやすく、使いやすくなったという評価もいただいています。私どもの商品をきっかけに、宿泊施設がより効率的で、理にかなったマーケティング活動をされることで、売り上げ向上、新規顧客の獲得、リピーターの増加につなげていっていただければ嬉しいです。」

Mac(リーダー)たちの奮闘によって確かな成果を上げたプロジェクトは、社内でも高い評価を受け、社内表彰制度で、優秀なプロジェクトに与えられる「プロジェクト賞」を獲得。商品やサービスの品質改善・向上を、多角的な視点を持って促すQCCスタイルのプロジェクトは、今後もあらゆる事業に適用される可能性が高い。楽天グループ全体の成長は、各事業部、各部署間のボーダーを越えた活発な意見交換と、それによって促されるデータの活用にかかっていると言っても過言ではない。

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